――ミャンマーで2月1日に起こったクーデターは、さながら戦国大名のような軍閥の首領が、現代的な民主政治の指導者らを、武器の威力で屈服させた――というのが、実態ではなかったか。
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
よって――
ミャンマーで2月1日に起こったことは――
民主政治の指導者らからすれば、
――クーデター
以外の何事でもないのですが――
軍閥の首領らからすれば、
――天下分け目の合戦での勝利
と感じられるのではないでしょうか。
いいかえるなら、
――軍閥の武力に対抗をし得るだけの武力を自前で調えられなかった政権の首班らが悪い。
という理屈になるのでしょう。
いわゆる近代以降の民主主義的な発想からすれば、
――時代錯誤も甚だしい。
ということになりますが――
いわゆる中世以前の権威主義的な発想からすれば、
――きわめて当たり前――
ということになります。
とはいえ――
丸腰の政治家らに対し、武器で示威をするというのは、
――民主主義的
とか、
――権威主義的
とかという前に、
――卑怯
という気もします。
さらにいえば――
今回、ミャンマー国軍が倒した政権の首班は女性――アウンサンスーチーさん――でした。
アウンサンスーチーさんについては――
2016年に政権の首班となってから――正確には「事実上の政権の首班となってから」――否定的な評価も多く寄せられるようになり、必ずしもミャンマーの人々から絶対的に支持をされているわけではないことが判然としていましたが――
今日のミャンマー国軍にとって、アウンサンスーチーさんのお父さん――アウンサン将軍――が、
――健軍の父
と、みなされうる経緯を考えると――
今回、ミャンマー国軍がアウンサンスーチーさんの政権をクーデターで倒したことは、権威主義的な発想に照らしても、
(わかりにくい)
といえます。
つまり――
民主主義的な発想に照らしても、権威主義的な発想に照らしても――
どちらにしても、
――わかりにくい。
ということです。