――国軍が政府を創る場合
のほうが、
――政府が国軍を創る場合
よりも圧倒的に多い――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
国軍が政府を創る場合について――
さらに何通りかに場合分けをすると――
以下のようになります。
1)国内外の私兵が武力で政権を奪って政府を創る
2)国外の国軍が国内に侵略をしてきて政府を創る
3)国内の国軍がクーデターを起こして政府を創る
1)や 2)は、歴史上よくあることです。
が、3)は、そうではありません。
なぜか――
3)は大きな矛盾を含むからです――「国軍が、国軍としての本来の責務を果たさないばかりか、それと真逆のことをする」という意味での矛盾です。
6日前のミャンマーで起こったことは、3)でした。
一方――
18世紀のアメリカによる独立は、1)といえます。
他方――
太平洋戦争で苦汁を舐めた日本の明治政府は、2)によって潰えたといえます。
17世紀の皇朝・清による中国大陸の統一も、2)といえます。
このようにみていくと――
6日前のミャンマーで起こったことの邪道性がみえてきます。
4日前の『道草日記』で、
――ミャンマーにおいて、国軍が強い政治的影響力をもっていたのは、政府が国軍を創ったのではなく、国軍が政府を創ったからである。
ということを述べました。
このこと自体は、とくに邪道ではありません。
――国軍が政府を創る場合
は、むしろ「正道」とさえいえます。
6日前にミャンマーで起こったことは、
――本来の責務が果たされずに、むしろ、それと真逆のことがなされた。
という意味で、邪道なのですね。
3日前の『道草日記』で、
――ミャンマー国軍のクーデターは「わかりにくい」――
と述べたのも――
つまりは、そういうことです。