――遺伝
といえば――
今日、
――主に「DNA(deoxyribonucleic acid)」と呼ばれる物質が具現をしている情報が、親から子へ受け継がれること
と理解をされます。
――DNA
を日本語で記せば、
――デオキシリボ核酸
です。
この物質は、厳密に説明をしようとすると、なかなかに厄介なのですが――
ひとまず、大雑把に説明をしてしまえば、
――4種類の物質の連なり
と解釈をすることができます。
よって――
それら4種類の物質に、それぞれアルファベットの言葉で名前を付け――
その頭文字「A」「G」「C」「T」で呼ぶことができます。
――遺伝
で伝わる情報は、こうした、
――4種類の物質の連なり
によって具現をされていると、みなすことができることから、
――遺伝
で伝わる情報は、例えば、
C T G C A G ……
というような記号の羅列として表記をすることができます。
――遺伝
で伝わる情報は、
――4種類の物質の連なり
で表記をすることができるという発見は――
画期的でした。
――これで、ようやく遺伝が自然科学の対象となる!
と、20世紀の自然科学者たちは大いに喜び勇んだのです。
……
……
――心
についても、
――遺伝
と同じような画期的な発見が必要とされていることは――
ほぼ間違いありません。
――心
にとっての、
C T G C A G ……
のような記号の羅列が求められているのです。
そのような発見がなされたときに、
――心
は、初めて、厳密な意味で、自然科学の対象となるでしょう。
そのような記号の羅列は、いったい、どこから、もたらされるでしょうか。
……
……
今日の多くの自然科学者たちは――
それは――
脳を含む神経系の、
――配線
からもたらされると考えています。
僕も、そのように考えています。