――民主主義と権威主義との差異は連続的である。
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
要するに、
――権威主義的な民主主義があり、民主主義的な権威主義がありうる。
ということです。
しばしば指摘をされるように――
例えば日本は、あらゆる成人男女の自由意志に基づく投票による選挙が行われてはいるものの、1つの巨大政党が基本的には恒久的に政権を握り続ける傾向にあるために、
――日本の民主主義は一党優位制である。
と、いわれます。
このような民主主義は――
例えばイギリスやアメリカのような二大政党制――2つの巨大政党が数年ないし十数年おきに交代をして政権を握りあっている体制――の民主主義よりも多分に権威主義的といえます。
また――
ひと昔まえの中国が、それらしかったように――
その唯一の巨大政党に国民の誰もが参加をでき、かつ、それら党員の誰もが、その巨大政党の最高指導者の地位に就け、かつ、その国家の国家元首を兼ねることができ、しかも、その任期が数年ないし十数年くらいに制限をされているのであれば――
そのような権威主義は、例えば独裁者が最高指導者の地位を世襲で受け継がせていく権威主義のよりも多分に民主主義的といえます。
民主主義と権威主義との連続的な差異の程度を示しうる変数として、
――国家元首の任期の年数
や、
――政権を握りうる政党の数
が考えられるように思います。
すなわち、
――国家元首の任期の年数
が少なければ少ないほどに民主主義的であり、多ければ多いほどに権威主義であり――
また、
――政権を握りうる政党の数
が多ければ多いほどに民主主義的であり、少なければ少ないほどに権威主義的である――
ということです。