マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

権威主義の何が悪いのか

 ――権威主義の何が悪いのか。

 ということを考えています。

 

 これは反語ではありません。

 

 厳密かつ冷静に――

 権威主義が悪い理由を明らかにするための自問です。

 

 日本は、きのうの『道草日記』でも述べたように、一党優位性ではあるのですが――

 少なくとも形式的には――

 十分に民主主義の体制の国です。

 

 そして――

 そんな国に僕は生まれ育っていますから、

 ――民主主義より権威主義のほうが悪い。

 というのは自明のことにも思えるのですが――

 

 ――権威主義の何が悪いのか。

 という問いを抱き続けることは――

 今後、権威主義を拒み続けていく上で、絶対に必要であると感じます。 

 

 ……

 

 ……

 

 さて――

 

 ――権威主義の何が悪いのか。

 

 ……

 

 ……

 

 ――民を思考停止に陥らせるところが悪い。

 と僕は考えています。

 

 民主主義の体制では――

 参政権をもつ全ての民が政(まつりごと)基本を考え続けなければなりません。

 

 次の国家元首――あるいは、政権首班――を誰にするか――

 次は、どの政党に政権を担わせるのがよいか――

 

 権威主義の体制では――

 そういう政の基本を大多数の民が考えなくてもよくなるのです。

 

 誰が国家元首でもよい――

 いつも同じ政党に政権を担わせていればよい――

 

 ……

 

 ……

 

 

 きのうの『道草日記』で――

 民主主義と権威主義との連続的な差異の程度を示しうる変数として、

 ――国家元首の任期の年数

 と、

 ――政権を握りうる政党の数

 との2つを挙げました。

 

 より民主主義的な体制では、国家元首の任期の年数が減ります。

 

 その分、民は、

 ――誰を国家元首にするか。

 について頻繁に考えなければなりません。

 

 また――

 より民主主義の体制では、政権を握りうる政党の数が増えます。

 

 その分、民は、

 ――どの政党に政権を担わせるか。

 について多様に考えなければなりません。

 

 つまり――

 民主主義の体制では――

 民は思考停止に陥っている暇がないのです。

 

 が――

 

 権威主義の体制では――

 民は思考停止に堕(お)とされやすい――

 

 これが――

 権威主義の悪い理由です。

 

 要するに――

 権威主義は、

 ――民を怠惰にしやすい。

 という点で、民主主義よりも悪いのです。