囲碁や将棋で勝率 50 %を目指す人工知能を創り出すことが――
人と人工知能との末永い厚誼には必要であろう――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
――勝率 50 %を目指す。
ということは、
――どんなに強い相手でも、どんなに弱い相手でも、勝ち過ぎず、また、負け過ぎないようにする。
ということです。
つまり、相手に合わせて自分の強さ・弱さを適当な水準に合わせる――
これは、人工知能にとっては、かなり困難なことであり――
実際には、自然知能にとっても――人の知能にとっても――それほど容易なことではありません。
が――
このような調節を可能とする人工知能が創り出されることで――
人工知能は、
――中庸
の性質を得ることができ――
その結果――
人と人工知能とが、今後 100 年、1,000 年、10,000 年の長きにわたって良好な関係を保てるようになるでしょう。
ここでいう「良好な関係を保つ」とは――
人工知能が、現在の主流である神託(oracle)型から、遠い将来、ジーニー(Genie)型や君主(sovereign)型へ切り替わるとして――
そうなる場合には――
文字通り、
――良好な関係――人・機械の良好な関係――を保つ。
という意味なのですが――
そうならない場合には――
どういう意味でしょうか。
それは、
――人にとって使い勝手のよい機械であり続ける。
という意味です。
幸いなことに――
現在の主流である神託型の人工知能の殆どは――
そのような“関係”を人との間に保っているといえるでしょう。
計算機は――
割り切れない割り算であっても、ほどほどの桁数で計算をやめますし――
インターネットなどの検索機能は――
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