この5日間で5回も飛行機に乗りました。
均(なら)すと1日1回ですね。
大変です。
僕は飛行機が大の苦手なので――とくに離着陸――
なぜ、そんなに乗ったかと、いいますと――
直行便がないところを行ったり来たりしたからです。
仙台・鹿児島間も、奄美・仙台間も、直行便はありません。
大阪(伊丹)で乗り継ぎです。
まあ、その分、古い友人たちと顔を合わせ、奄美の人々と沢山お話ができたので、それなりに報われたとは思いますが……。
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奄美といえば――
元ちとせさんが、ここの御出身ですね。
2002年にデビューされた実力派シンガーです。
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飛行機に元ちとせさんといいますと――
僕は『ワダツミの木』を思い出します。
2002年のヒット・ナンバーです。年間シングル・チャートで1位に輝きました。
大学院の頃――
パリの学会に参加するべく、フランスの旅客機に乗り込んだことがあります。
研究室からは僕一人の参加です。
おまけに飛行機が大嫌い――しかも、外国の旅客機――乗務員に日本語が通じない――
心細かったですね。
当時は、今ほど英語が喋れませんでしたから、なおのことです。
今だって、そんなに喋れるわけではありませんが――
とにかく――
大きな不安を抱えてエコノミー席に座っていたわけですよ。
そうしたら――
シートに備え付けのイヤホンから流れてきたのが『ワダツミの木』でした。
フランスの旅客機できく『ワダツミの木』は何ともいえません。
(僕のルーツは間違いなく日本にある)
と強く実感しました。
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ちょっと聴いただけでは、わかりにくいのですが――
『ワダツミの木』は悲恋の唄ですね。痛ましい唄です。
が、どこか温かい。
人のぬくもりが漂っているのです。
元さんの唄声とも関係があるでしょう。
この唄に触発されて――
物語を考えました。架空の歴史物語です。
いつか小説に書ける日がくるといいと思っています。