マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

深夜のファミリーレストランで

深夜のファミリーレストランで夜食をとっていたら―― 近くのテーブルに、とても若い女性と小太りで年齢不詳な男性とが座っておりました。 二人して何やら楽しげにお喋りをしている―― 女性のほうは、本当に若いのですね。 たぶん10代の中盤――中学生か高校生か―…

日本人にとってのストーリー

――日本人はストーリーが好きだ。 という見解を耳にしました。 結末がわかっているストーリーを何度でも繰り返し楽しむことができる、と―― 例えば、落語などを思い浮かべればよいでしょう。 たしかに、そうした一面はあると思うのですが―― 一方で、 ――日本人…

前に進んでも後ろに退いても

前に進んでも後ろに退いても―― どうにもスッキリしないということがありまして―― そういうときは―― たぶん方向が間違っているのでしょうね。「方向」というのは、進む方向かつ退く方向―― 例えば、進む方向が東なら、退く方向は西です。 このときの「方向」は…

貧乏、暇なし?

やるべきことがいっぱいある日は―― あまり頭を使わなくなります。 やるべきことを、ただこなすだけ―― もちろん、こなすときには、多少は頭を使っているわけですが―― でも―― 十分には使っていない―― 例えば―― 暇な時間をみつけて椅子に座って自由に思索を練り…

どんなに内陸部にいたとしても

去年の3月11日以降―― 地震がきたときの心構えがガラっと変わりました。 去年の3月11日以前は、 ――今どれくらいの震度だったのかな~? とか、 ――震源はどこだったのかな~? といったことを漠然と思うだけだったのですが―― 以後は、 ――津波は来るか? ――来…

やりたくないことに着目する

人は、自分のやりたいことよりも、やりたくないことのほうが―― よくわかるものです。 例えば―― 子が母親に、 ――あなたは、いったい何をしたいの? と訊かれたときに、 ――スポーツがしたい。 ――ゲームがしたい。 とは、なかなか答えられないものですが、 ――勉…

自分の言葉で喋るとき

自分の言葉で喋るとき―― その言葉には、魂がこもります。 それが、いわゆる言霊となって、聞く者の胸に響きうる―― が―― 自分の言葉で喋らないとき―― 例えば、メモや原稿を読み上げるとき―― 仮に、そのメモや原稿が自分の手で書いたものであっても―― それに言…

過去の自分と向きあうということ

過去の自分と向きあうということは―― 慣用句としては、よく用いられる言い回しですが―― 実際には、絶対にできないことです。 例えば―― 僕は今年で39歳になるのですが―― 39歳の僕が29歳の僕と向きあうことは、時間旅行が実現でもしない限り、絶対にできません…

単に見つけ損ねただけ?

きのう、高速道路に乗ろうと思ってインターチェンジに近づいたら、 ――上下線で通行止め の電光掲示が目に入り―― 仕方なく、一般道路を通って目的地に向かったのですが―― 当然のことながら、ひどい渋滞に巻き込まれ―― ふつうなら1時間ちょっとで行くところが…

春の日の理想の過ごし方

毎年、冬が終わって、春が近づくと―― 睡眠時間が短くなってきます。 たぶん僕だけではないと思います。 盛唐の詩人・孟浩然は、有名な『春暁』の一節で、 ――春眠 暁を覚えず と吟じましたが―― この句が示すことは、おそらくは、当時の冬の寒さが人々の眠りを…

どうしようもない現実の困難から目を背けると

世の中には、どうしようもない現実の困難というのがありまして―― どのような知識や経験や発想をもってしても、すぐには対処しがたい問題というのが―― 無数に存在します。 そのような問題に、きちんと向き合うことで―― 世の中の風景は、まったく違ってみえる…

いわゆるハッピーマンデー制度が施行されてから

いわゆるハッピーマンデー制度が施行されてからというもの―― 月曜日以外のウィークデイの祭日は、ずいぶんと貴重なものになった気がします。 きょうは火曜日の祭日でしたが―― とても新鮮な感覚でした。(きのう月曜なのに、きょうは休みだ) とか、(きょう…

組織論に奥行きを与える原理

僕は組織論に興味があります。 組織論というのは、 ――どのような組織が機能を最大限に発揮しうるのか。 というものです。 ここでいう「機能」とは、厳密には「機能の時間積分」です。 ある組織Aの1時間当たりの機能を1とすると、機能の時間積分は2時間で…

必然と偶然と

一般に、 ――必然 の対義語は、 ――偶然 ということになっていますが―― この2つの概念は、そんなに対称的ではありません。 例えば、次のような因果の連鎖を考えます。 A→B→C→D→E この連鎖の中では、 A→B B→C C→D D→E の4つの移行段階があります…

議論の質を決めるのは意見交換の回数

議論の質を決めるのは意見交換の回数であろうと思います。 正確には、表明される見解の総量に対する意見交換の回数の比です。 例えば、お互いに100の見解を表明しあう場合に―― 表明される見解の総量は200であるとみなしましょう。 この場合、見解総量200あた…

「行う者」と「表す者」との立場の交換は

世の中の人々を、大まかに2通りに分けるときに、 ――行う者 と、 ――表す者 とに分けるやり方があると思います。「行う者」というのは、例えば、政治家です。 それに対応する「表す者」は、政治評論家です。 政治家が政治評論家のような振る舞ったりすると、…

アドバイスを求められたときに

アドバイスを求められたときに―― 最も上手なアドバイスの与え方は、 ――アドバイスが与えられていると気づかれないようにアドバイスを与える。 というものでしょう。「はい。これが“アドバイス”ですよ!」と明示的に伝えるのは、NGだと思います。 明示的に伝…

未知の自然現象に向き合うときに

人が、未知の自然現象に向き合うときに―― その自然現象の機序を理解するための適当な仮説を設定し、その仮説を前提にして対応策を検討する―― というやり方があります。 このやり方は、未知の自然現象に向き合う人たちの気持ちを落ち着かせるという意味では、…

記号の羅列として平面に固定する

文章で伝えておきたいことと、そうでないこととがあるのです。 できることなら、文章では伝えたくない―― 口頭であれば、もしかしたら、伝えたいのかもしれない―― そういうことがあるのです。 文章にするということは、感受や思考の内容を記録するということ…

辞書でよい

学生の頃には、何となくしかわからなかったことで―― 卒業して10年以上が経った頃になって、ハッキリとわかることがあります。 そのうちの一つが、 ――学問の基本は、結局は、一つひとつの術語の意味を理解していくことだ。 ということです。 これは、つまりは…

単純な生き方とは?

――単純な生き方とは? ということについて、また考えています。 数年前までは、 ――それは、持ち物を多くもたないで暮らすことである。 と固く信じていました。 この「持ち物」のなかには無形の物も含みます。 たとえば、愛着とか拘りとかプライドとか虚栄心…

「天国と地獄」という概念が

「天国と地獄」という概念が、たいていの文化圏で共有されていることは―― 考えてみれば、面白いことです。 死後の世界というものがあって―― それには楽しい世界と苦しい世界とがある―― という概念です。 楽しい世界だけではなく―― 苦しい世界だけでもない―― …

そういう14歳もいる

ある高名な作家さんが、 ――14歳くらいのときに、「これから先、自分は、なんて長い時間を生きていかなきゃならないんだろう?」と自問したことがある。 とエッセイでお書きでした。 その作家さんは、当時、34歳くらいでした。 そのエッセイが手元にないので…

あくまでも比喩表現だと思う

震災後、 ――絆(きずな) という言葉が、やけに多用されてきましたが―― 僕は違和感を覚えています。 もともとは、「紐(ひも)」とか「綱(つな)」といった意味と大差なかったものが―― しだいに、 ――人と人との断ちがたい関係性 という意味になっていったそ…

他者の死に想像を挟まなかったら

順調に人生経験を重ねていけば―― 他者の死は、わりと頻繁に訪れるものですが―― 自分の死は、永遠に訪れないように感じます。 それは、たぶん―― 他者の死に繰り返し立ち会うことで、死を客体化し、自分とは関係のないこと――自分の関連する事物とは相容れない…

混沌は現代芸術の重要なテーマの一つ……ではあるけれど

混沌は現代芸術の重要なテーマの一つであると―― 僕は思っております。 が―― 混沌が「たしかに混沌である」と認められるためには―― その混沌の周辺に、一定の秩序の存在することが、どうしても必要なのですね。 混沌は、秩序と比較されることで初めて、秩序か…

理解可能でないものに、いかに対処するべきか

理解可能でないものに対し、どのような評価を下すべきか、という課題は―― 人間の知性にとって、おそらく最大級の難問でしょう。 理解可能でないのだから、評価はできないのです。 が―― それでも、評価を下さなければならないときに―― 人は、どのように対処を…

人が芸術を求めるとき

ふと心に空白が生まれたときに―― 人は、芸術に補填を求めるものなのでしょう。 ――心の空白 とは、集中的な関心が全ての事柄について途切れている――あるいは、弱り切っている――そういう状態です。 心が何かに集中して関心を示しているようなときには―― その心…

心がねじれるということ

心がねじれていく感じというのは、あまりよくわからないのですが―― 心のねじれが戻っていく感じというのは、よくわかります。 たぶん―― 心がねじれるのはゆっくりだけれども―― 心のねじれが戻るのは急だからでしょう。 ここでいう、 ――心がねじれる。 とは――…

夢の本質

夢は実現しないから光り輝くのです。 もし、実現したら、それは現実ですから―― 現実だけがもつ複雑さや汚さ、淀み、凄み、深みなどを呈しているはずです。 それは、決して光り輝くものではない―― つまり―― 夢を追いかけるということは―― そうした現実の有り…