マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

店も人も消えてなくなる

最近、僕の行きつけの店が、次々と閉店していっている。(あ、ここ、気に入ってたのに……) とか、(ええ、なんで潰れちゃったの?) とかいった感じである。 書店にせよ、飲食店にせよ、レンタルショップにせよ―― 日頃、自分が利用していた店が消えてなくな…

歯磨きのこと

ここ2、3週間で歯が痛くなったので―― 歯医者に行ってきた。 数日ほど前のことである。 僕の家系は、なぜか歯が丈夫である。 父も僕も、ほとんど齲歯(虫歯)というものを経験していない。 伯父もそうらしい。 その代わり、そういう人間は歯周病による歯槽膿…

不完全なのに完全を

死を常に意識しながら生きるというのは―― 本当に難しい。 日々の雑事に追いまくられ―― 人は、いつしか、自分が死に行く存在であるということを、忘れてしまう。 実に、あっさりと忘れてしまう。 たぶん、忘れるようにできているのだろう、ヒトの脳というもの…

国家間の垣根は

「ミャンマー」と呼ぶか、「ビルマ」と呼ぶか―― そこからして問題である。 とりあえず、ここでは――「ミャンマー」と呼ぶことにしよう。 * ミャンマーの軍事政権に対する民衆のデモが激化し―― 当局が武力鎮圧に乗り出した。 日本人ジャーナリスト1名を含む何…

慶喜かもしれない

昨日、福田康夫氏が組閣した。 色々な意味で若かった安倍首相――の後継である。 福田氏の昨年からの一連の動きをみていると―― 一橋慶喜を思い出す。 後年、徳川慶喜を名乗った男である。 * 徳川慶喜は「最後の将軍」として有名だ。 15代目の将軍であった。 …

安倍氏の過ちを

安倍氏の過ちを一言で表すとしたら、 ――私(わたくし)を公(おおやけ)に優先させた。 となろう。 主観的なスローガン「美しい国へ」―― 憲法改変への拙速なアプローチ―― 偏った価値観に基づく教育改革―― いずれも、とくに国民の気運が高まっているわけでも…

かかる小人が

今日の昼頃に―― 安倍氏の首相就任以来、ほぼ一貫して安倍氏寄りとみられていた政治評論家が―― 民放のTV番組に出演し、次のように述べていた。 ――今さら記者会見で何をいわれても聞く耳はもてない。虚しい。 と―― そして―― 先ほど、安倍首相が入院先の都内の…

やはり、書くことにする

10日ほど前に、書こう、書こうと思いながらも、結局、書かなかったことがある。 今になっても、どうにも気持ちがおさまらないので―― やはり、書くことにする。 * 本日、自民党の総裁選が行われ―― 福田康夫氏が当選を果たした。 明後日、内閣総理大臣に就任…

無意識の技術

芸の価値を決めるのは―― 技術である。 小説でも―― 芝居でも―― お笑いでも―― 確かな技術があって初めて、人の心に届く。 が―― その技術は、芸人の意識によって制御されたものであってはならない。 芸人が無意識に繰り出す技術でなければならない。 もちろん、…

草木が言葉、文章は庭園

文章というのは不思議なものだ。 完全無欠であれば、読みにくい―― 少しくらい隙のあるものが、読みやすい。「隙がある」といっても―― 例えば、文法ミスの類いは致命的になる。 誤字や脱字も、ないにこしたことはない。 が―― 全体的に論理整然としていて、含…

リーダーシップに優劣はない

リーダーを2種類に分けるならば―― 指導型と調整型とになろう。 指導型というのは、強力なリーダーシップを前面に押し出すタイプであり―― 調整型というのは、柔軟なリーダーシップで両脇を固めるタイプである。「強力なリーダーシップ」というのは―― まず、ビ…

ベアトリーチェを思い出す

昨日の未明―― 京都府の16歳の少女が、手斧で父親の首を切ったという。 少女は、美術関係の専門学校に通っており、 ――真面目で大人しい娘(こ) と、評判であったらしい。 事前の準備は周到であったという。 例えば―― 犯行の時は、黒いワンピースに着替えてい…

カレーライスが食べたくなって

今日、仙台の街を歩いていたら―― カレーライスが食べたくなって、(よし! あそこのお店で食べてみよう!) と思い定め―― 30分ほど歩いて、出向いてみたら―― 休業中であった。 ――リニューアル・オープン の予定が告知されていた。(明日のリニューアルより、…

自民党の総裁選が

自民党の総裁選が始まった。 各種報道機関が、こぞって取り上げている。 が、この総裁選を、各種報道機関は、いかに伝えるべきか―― よく考えると、なかなかに悩ましい問題である。 総裁選というのは、自民党のトップを決める選挙である。 いうなれば、自民党…

結論の価値を決めるもの

鏡と絵との違いについて論じたエッセイを、読んだことがある。 たぶん、高校の頃であった。(鏡と絵だ? 何いってやがる、全然違うものじゃないか!) などと不審に思って読み進めていくと―― なるほど、たしかに両者は全く違うものだが―― では、具体的に、ど…

「公私の区別をつける」とは

――公私の区別をつける。 という。 普通の言い回しだ。 とくに珍しくもない。 が、この言葉の意味するところを深く考察してみると―― マトモな感覚の持ち主であれば皆、ギリギリの葛藤に辿り着くであろう。「公私の区別をつける」とは何か? まず、「公」と「…

内憂か外患か

政治家の仕事を2つに分けるとしたら―― 内政と外交とになろう。 ところが、困ったことに―― たいていの場合、内政の巧い人は外交が下手で、外交の巧い人は内政が下手である。 両方とも巧い政治家を、僕は知らない。 みたことも、きいたこともない。 もちろん、…

自由民主党の大失態

安倍氏の辞意表明は、本人の体調不良によるところが大きいそうだ。 官邸の周辺が、そう洩らしているらしい。 事実―― 安倍氏は入院したとの報道が、今日あった。 医師の見立ては、 ――機能性胃腸障害 だそうである。「機能性」というのは「器質性」の対義語と…

安倍に近衛や東条の影をみる

今日の安倍氏の辞意表明については―― 今さら論じる気にもなれない。 強いていえば、 ――お粗末 の一言に尽きる。 辞意表明が「お粗末」というよりも―― 政権首班としての資質がお粗末である、ということだ。 安倍氏の資質については、就任当初から、否定的にみ…

脱日本型を志すリーダーは

組織を統御する際に、 ――まず結論ありき。 では、人々は納得しない。 大切なのは、 ――なぜ、その結論に至るのか。 というプロセスだ。 このプロセスを軽視する人に、組織の統御は無理である。 組織を統御する者は、常に以下の3つのステップを経ねばならない…

次に備えればよい

秋になった。 毎年、この季節になると、自分の来し方を振り返る。 たぶん、誕生日を9月に迎えるからである。 三十路に入ってからの習慣となった。 * 十代の頃の僕は、作家になりたいと思いつつ、 ――まあ、ムリだろうから―― ということで―― 科学者になろうと…

高校教育に重要なこと

9回無死2塁から3塁線に送りバントを決められる高校生も―― 動く斜面台を転がる小球の運動方程式を立てられる高校生も―― どちらも、高校生としては、実に見事な技術をもっているのだが―― 世間では、概して―― 運動方程式を立てられる高校生のほうが、送りバント…

人生も同じである

仙台では―― 数日前まで、涼しい日々が続いたので―― 夏物の半分をタンスの奥に、しまいこんだ。 そうしたら―― この暑さである。 ただ突っ立っているだけでも―― 汗が吹き出てくる。 台風が真夏の暑気を連れ戻してきた形だ。 夏の熱気が、なお、しばらく続いて…

救いがあるとすれば

戦記物の書籍をよんでいると―― 否が応でも認めざるをえない事実にいきあたる。 それは、 ――ヒトの体には、戦争の雰囲気を自然に欲してしまう情動の基盤が、遺伝子レベルで組み込まれている。 ということだ。 戦記物の書籍に描かれる兵士たちの熱い息づかい――…

汗がジトっと

今日の宮城県は異様に暑い。 単に暑いのではなく―― 蒸し暑いという感じである。 台風が向かってきているせいだろうか。 数日前は、異様に寒かったので、(やれやれ――今年の夏も、これで終わりか) などと思って厚手のシャツに切り換えたのだが―― 失敗であっ…

ヒトの体を物理で

今、 ――ヒトの体を物理で説明できるか? ということについて、少し考えている。「物理」というのは「物理学の初歩」くらいの意味で、―― いわゆる「高校物理」を想定している。 ただし―― 厳密な意味での高校物理は、微分・積分を用いた説明を省くので―― そう…

男が男をやめて、女も女をやめて

男女のことは―― どうあがいてみても―― とうてい制御されうるものではない。 男が女を欲するときも―― 女が男を容れるときも―― そこに―― 何か明確な原理があるわけではない。 いや―― 原理はあるかもしれないが―― いや―― たぶん、あるに違いないが―― それは―― …

政治と闘争とは

政治と闘争とは切っても切れない関係にある。 主には、権力闘争である。 本来、政治とは―― 多くの人たちが多少なりとも共通して困っている問題について、それら人々にとって少しでもマシな方法で解決するために、あれこれ知恵を出し合う過程のことである。 …

森富さんのこと

報道によると―― 森富さんが亡くなった。 森さんは解剖学者で、文豪・森鴎外の孫にあたる。「富」は「Tom」を漢字表記したもので、鴎外直々の命名であったらしい。 森さんは僕の先輩だ。 同じ東北大学を、森さんは1944年に卒業され、僕は2000年に卒業した。 …

唄は物悲しいものがよい

何か唄を聴こうとすると―― なぜか必ず物悲しい唄を選んでしまう。 なんとなく唄を聴いていて、(あ、いいな) と思うのは―― なぜか、いつも物悲しい唄である。 カラオケなどで歌いやすいような―― 元気いっぱいの唄などは―― 何度も聴いてもピンとこない。 最…