政治と闘争とは切っても切れない関係にある。
主には、権力闘争である。
本来、政治とは――
多くの人たちが多少なりとも共通して困っている問題について、それら人々にとって少しでもマシな方法で解決するために、あれこれ知恵を出し合う過程のことである。
が、多くの人たちによって共有されている問題を、通常は、たった一つの方法で解決するわけだから――
その解決策が様々に模索される経過において、必ずや主導権争いが発生する。
これが、権力闘争の源だ。
もし、多くの人たちによって共有される問題が、それら人々の個々の事情に合わせて個別的に解決できるのであれば、権力闘争は発生しない。
それは政治ではないからである。
例えば、
――人間、いかに生きるべきか?
という問題は、多くの人たちに共有されているが、この問題の解決の過程に、通常、政治は関与しない。
この問題は、個人が個別的に解決するものだからである。
政治は、原理的に主導権争いを生む。
それが、権力闘争の形で顕然化し、ときに血なまぐさい諍(いさか)へと発展する。
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昨今の日本の政治情勢は、闘争の色彩を強めている。
今日も、遠藤農相が就任8日で辞任に追い込まれた。
おそらく、闘争の火花のひと光であろう。
政治と闘争とは切ってもきれない関係にある。
厳然たる事実して受け入れねばならない。