マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「愛国」「憂国」「救国」の危うさ

――国が滅ぶ。 と、僕がいうときに―― それには、 ――「国」という約束事に従って暮らしている人たちの生命や財産の多くが失われる。 という意味を込めている、と―― きのうの『道草日記』で述べました。 よって、僕は、「国が滅ぶ」という表現を、できるだけ使…

「国が滅ぶ」という表現

――国の指導者が気分の共鳴に十分に気をつけないと、国が滅ぶかもしれない。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… この、 ――国が滅ぶ。 という表現―― 僕は―― できるだけ使わないようにしています。 なぜか―― 人によって受け止め方が様々…

気分の共鳴に最も気をつけてほしいのは

――気分は共鳴しやすい。 という警句について―― とりわけ、 ――共同体の雰囲気は、その共同体に属する一部の人たちの間で共鳴している気分に支配されやすい。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 そして、 ――気分の共鳴に最も気をつけてほしい…

気分は共鳴しやすい

――気分は、隠微で持続的な感情であるために、当人の言動などに多発的で多面的な変化をもたらす。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 一方、 ――情動は、顕著で突発的な感情であるために、当人の言動などに一時的で一面的な変化しかもたらさ…

情動より気分が重要な2つめの理由

――情動と気分とでは、気分のほうが注意を要する。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 なぜなら、 ――気分のほうが、わかりづらいからだ。 と―― …… …… 実際には―― もう一つ理由があります。 それは、 ――気分は、行動や発言はもちろん、感覚や…

情動と気分――注意すべきは?

――人の感情は、情動と気分とに分けられる。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… 情動と気分とのうちに―― より注意を要するのは―― どちらでしょうか。 …… …… 僕は、 ――気分 のほうだと思っています。 なぜか―― …… …… 気分は―― 情動より…

驕慢→謙譲、無垢な楽観→老練な悲観

人は―― 概して、 ――無垢な楽観 を抱き、 ――驕慢 に生きようとし―― やがて―― 様々な挫折を重ねていって―― しだいに、 ――老練な悲観 を抱き、 ――謙譲 に生きるようになる、と―― 僕は考えています。 きのうの『道草日記』で、 ――驕慢 や、 ――無垢の楽観 は、生…

ヒトをヒトたらしめる最大の特徴?

――不自然らしい自然が存在しうる。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 つまり、 ――実際には、自分の恣意は及んでいないのに、及んだかのように思い込みうる。 ということです。 …… …… この人の性質は、 (案外、ヒトという生物種を最も特徴…

不自然らしい自然が存在しうる

一見、 ――不自然 のように思える自然―― というのがあります。 直感的には不自然――つまり、自分の恣意が及んだよう――に思えるのだけれども―― 実際には、違う―― という事例です。 典型例は―― 医療における偽薬効果です。 薬効成分のない薬(偽薬)を服用したに…

本音と建前との乖離が酷くなるのは

西欧では、“不自然の建前”を“自然の本音”に合わせ―― 日本では、“自然の本音”を“不自然の建前”に合わせる―― という傾向があるらしい―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 が―― そう述べたあとで、 (ちょっと違うかもしれない) と思いまし…

建前→本音? 本音→建前?

感情労働で問題になってくるのは―― 乖離しがちな、 ――建前 と、 ――本音 とを―― 職務上、常に一致させることが求められる点です。 建前と本音とを一致させるには―― 2通りのやり方しかありません。 ――建前を本音に合わせる。 か、 ――本音を建前に合わせる。 …

感情労働の難しさ

感情の制御は、常に後手を踏む―― という話を―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… 感情の制御で先手を打つことができないという事実が―― 感情労働をより難しくしていることは、間違いありません。 が―― ほかにも―― 感情労働を難しくしている事実があ…

感情の制御はモグラ叩き

――肉体労働 とか、 ――頭脳労働 とかといいますね。 主に体を使って働くことを「肉体労働」、主に頭を使って働くことを「頭脳労働」といいます。 わかりやすい分類です。 古くから知られています。 ところが―― 20世紀後半頃から、こうした「肉体・頭脳」の二…

水に流しても、消えない

いわゆる、 ――水に流す。 といういい方は―― すでに自分の心の内にある負の感情を、 ――なかったことにする。 ということだ、と―― きのうの『道草日記』で述べました。 この国で生まれた、 ――恣意の及ぼし方の技巧 の1つである、と―― …… …… たしかに―― 技巧の…

「水に流す」の不自然

人にとって―― いちばん身近な、 ――自然 は何か―― …… …… それは、 ――自分の感情 です。 “自分の感情”が“自然”である―― ということは―― 自分の感情には、 ――恣意 を及ぼすことができない―― ということです。 どんなに強く意志をもっていても―― 自分の感情を変…

政治の自然

――政治 といいますと―― 自然・不自然の話とは無縁のようですが―― 実際には―― そんなことはなく―― どの国の政権も―― のっぴきならない自然と、常に対峙しています。 どんな自然か―― …… …… ――世論 という自然です。 世論は―― 国民の多数派の意見や態度、判断で…

ただ自然を礼賛していてはいけない

たまに―― 自分の周囲に恣意を及ぼそうとするのをいっさい放棄している人を―― みかけます。 ひたすら流れに身を任せ―― ただ成り行きをみているだけ―― 来る者を拒まず―― 去る者は追わず―― そういう人です。 …… …… そういう人をこそ、 ――自然愛好家 と呼ぶのが…

「自然に親しむ」とは「○○を疎む」ということ

現代人は―― ふつうに生活をしていると―― ほぼ「必ず」といってよいほどに、 ――自然 を忘れます。 ――不自然 で身の回りを固めてしまう―― もちろん―― 実際に自分の身の回りを不自然だけで固めることなど、とうてい不可能なのですが―― それでも―― 不自然で固め…

「当然」は「自然」や「天然」とは違う

――自然 や、 ――天然 と似てはいるけれども―― 意味は違う言葉に、 ――当然 があります。 ――道徳的ないし論理的に考えたら、誰が考えても同じ結論になる様子 をいいます。 …… …… 「当然」は―― 「自然」や「天然」とは明らかに異質の言葉です。 その異質性は―― …

「天然」と「自然」と――「天然」の「天」の意味

――自然 と似ている言葉に、 ――天然 がありますね。 意味は、 ――人為が及ばず、自然のままであること です。 そのような意味ですから―― 「天然」と「自然」とは―― ほぼ同じ意味といってよいのですが―― では―― なぜ「天然」という言葉があり―― 今も幅広く使わ…

不自然に自然を求める

――自然に不自然を求める。 と―― きのうの『道草日記』で述べました。 ――自然に不自然を求めるのが人である。 と―― …… …… では―― その反対―― つまり、 ――不自然に自然を求める。 は、どうでしょうか。 これは、 ――恣意的に自然を求める。 ということを意味し…

自然に不自然を求める

何でもかんでも―― 自然を礼賛し、不自然を忌避するような風潮が、ありますが―― …… …… 人として生きる以上は―― 不自然は―― 必要なのです。 人類は―― 自分たちの周囲に恣意を及ぼすことによって、今日まで生き延びてきました。 つまり―― 人類は―― 不自然の“防…

恋は自然、愛は不自然

自然と不自然とを分かつものは、 ――恣意 である―― ということを―― この『道草日記』で連日、述べてきました。 …… …… 自然と不自然とを“恣意”で分かとうとするときに―― いろいろと面白いことがみえてきます。 例えば―― 病気は、 ――自然 です。 自然の一部であ…

不自然の堤防、自然の堤防

――人工は自然に含まれる。 ということを―― 今年に入って、『道草日記』で繰り返し述べています。 …… …… ここで、 ――人工 や、 ――自然 ――不自然 あるいは、 ――恣意 の4つの概念を―― 河川の堤防を例にとって―― 整理しておきましょう。 河川は―― 素直に考えれ…

恣意なしでは生きられなかった

本来、自然である事物を、 ――自然とはみなさない。 というのが―― ヒトの恣意の典型的な発現です。 もちろん―― この、 ――自然の否定 以外にも―― ヒトの恣意は、様々な形で発言をしますが、 ――自然の否定 ほどに典型的な発現は―― そうはないと思います。 本来…

他者の意志が自然では困る

脳はヒトの体の一部であり、ヒトの体は自然の一部であるから―― 例えば―― 僕にとって、あなたの意志は自然であり、あなたにとって、僕の意志は自然である―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 つまり、 ――他者の意志は自然である。 というこ…

「自然⊃人工」なれど「自然⊃恣意」ならず

――自然と人工とは相いれない。 ということ―― すなわち、 自然 ↔ 人工 という図式を―― 多くの人が―― 何となく前提にしているかと思います。 …… …… ここ数日の『道草日記』で、僕が前提にしている図式は、 自然 ⊃ 人工 です。 すなわち、 ――自然は人工を含む。…

ちゃんと忘れているだろうか

――自然 の対義語は、 ――恣意 かもしれない―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… そんなふうに思い始めると―― 自然に関わる様々な概念が―― 何だか味わいを増します。 例えば、 ――自然保護 です。 これは、 ――人類の恣意を自制すること…

「自然」の対義語を探す

「自然」とは、 ――自分の意志が及ばぬ事物の全般 であり―― 「不自然」とは、 ――自分の意志が及ぶ事物 である―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… 「自然」には、「不自然」という言葉以外に、対義語はない―― ということを―― この『…

自然と不自然とを分かつのは

――「自然」に対義語はない。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 ――「人工」は「自然」の対義語ではない。 と―― …… …… では、 ――自然 とは何でしょうか。 …… …… 僕は、 ――自分の意志が及ばぬ事物の全般 であると考えています。 あくまでも、…