マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「姫の虎退治」

一昨日の参院選後のTV報道などで初めて耳にしたのだが、 ――姫の虎退治 というフレーズは、何ともいえぬ余韻を引く。「姫」というのは、岡山選挙区に立候補していた民主党新人の姫井由美子氏のこと――「虎」というのは、同じく岡山選挙区に立候補していた自民…

歴史的敗北

――歴史的敗北 といわれている。 昨日の参院選挙の結果だ。 与党・自民党は改選議席が64で、獲得議席は37である。 非改選議席と合わせて83――参院の第一党の座からは滑り落ち、同じく与党の公明党と合わせても、過半数には届かない。 今後、厳しい政権運営を迫…

投票日前の世論調査は必要か?

今日は参院選の投票日だが―― 重要な選挙の度に思うことがある。 それは、 ――投票日前の世論調査は有害ではないか。 ということである。 投票日前の世論調査というのは、例えば、 ――もし、今日が投票日だったら、どの政党に投票しますか? といった類いのもの…

ウソが人を救済する

二十代の頃は、宗教の眉唾なところが、どうにも許せなかった。 ――全知全能なる神は―― とか、 ――天地創造の頃より―― とかいった言い回しは、ただただ不快な定型句にすぎなかった。(「全知全能」って、「何者かが、たしかに全知全能である」ってことは、どう…

恋の冒険

三十歳を過ぎたからであろうか―― ――アバンチュール という言葉が―― 何となく魅惑的に思えてきた。 語感ではない―― 語意が、である。 ネットの辞書によると、 ――冒険、とくに恋の冒険―― とある。 フランス語だ。(なるほどね) と思う。 * 恋は、いつであっ…

負けたら解散せよ

参議院選挙が、今度の日曜日に迫っている。 各種機関が伝えるところによれば―― 有権者の安倍政権をみつめる目には厳しいものがあるらしく―― 自民党の大敗を印象づけるような報道が目立つ。 そうした情勢を受け―― 政府・与党は、選挙後の安倍首相の進退問題に…

清純派女優への、男の思いやり

一般に―― 男が、 ――清純派女優の裏情事 というコンセプトに、どのようなスタンスをとるかは―― 興味深い。 それによって、男の精神的老成度が推し量れそうだからである。 少年は、かかるコンセプトを、心底、嫌う。 ――うへ、やだ~! と嫌悪する。 生理的に受…

学問を有用に

学問の限界というのは、そのまま―― 事実の確実性や論理の蓋然性の限界でもある。 世の中の出来事の多くは、事実か否かの判断が難しい―― また、世の中の出来事の多くは、すぐには論理が通用しない。 だから―― 学問を知らない者のほうが、よく知っている者より…

小説を書くのに適した精神状態

小説を書くのに適した精神状態というのがある。 どちらかというと―― 餓(かつ)えた状態が望ましい。 精神が餓えた状態である。 欲求が満たされえない状態―― 些細な不運に見舞われた状態―― あらゆる決断が裏目に出る状態―― 要するに、(なんだよ、ちくしょう…

そういうことではない

――物書きをやっています。 と、僕がいうと、 ――ははあ、一獲千金を狙ってるわけですな。 とかいう人がある。(そういう人とは、たぶん、生涯わかりあえないな) と思う。 そういうことでは、ないのだ。 例えば―― 毎日、ご飯を食べなかったら、生きていけない…

少女こそ冒険に出よ!

少年が冒険に出る物語は嫌いである。 そういう物語が、さも定番然として、世間に広く受け入れられている現状にも、辟易としている。 だからといって、どうということではないけれど―― どうせ、人の好みは、それぞれである。 * 僕が、冒険に出る少年の物語を…

死が甘美となるための

死が甘美となるための条件を探っている。 何が死に陶酔をもたらすのか? * 現実の死が甘美であるわけがない。 死に陶酔がもたらされるなら―― それは、虚構においてのみであろう。 この「虚構」の中には―― 現実が虚構と錯覚される場合も含まれる。 だから―― …

陳腐な物言いにも

昨夜、仕事の関係で来客があった。 仕事というのは、本業の文筆ではなく、副業の診療のほうである。 だから、医師として応対した。 先方の目的は、薬剤のPRであった。 ――ぜひ我が社の薬剤を! というものである。 それ自体は、珍しいことではない。 珍しかっ…

時計を買いかえた

部屋の壁に掛けていた時計が動かなくなったので―― 新しいものを買ってきた。 昨夕のことである。 今回、壊れた時計は、白いプラスチックに囲まれた至極単純なデザインで―― その単純さが気に入って、13年前に買ってきたものである。 新たに買い求めた時計は、…

慄然の根源

昨日の新潟県中越沖地震が盛んに報道されている。 TVなどで当地の状況を垣間みるに、(人生、一寸先は闇だな) と慄然せざるをえない。 僕は、たまたま仙台に暮らしていたので、今日は幸いにも昨日以前と変わらぬ生活が送れているわけだが―― もし、震源地に…

赤ん坊というのは

昨日の『道草日記』で触れた姪のSアキだが―― 持って生まれた性質は、 ――さでぃすてぃっく だけではないようである。 僕が抱きかかえるのに疲れて絨毯の上に寝かせると―― ひとりでに俯せになって匍匐(ほふく)前進を始める。 なかなかに逞しい女の子である…

せっかくなので

妹夫婦には子が二人ある。上は4歳の男の子で、下は0歳の女の子だ。 僕にとっては、それぞれ甥、姪となる。 このうち、4歳の甥については、3年くらい前の『道草日記』で触れた。 たしか、 ――ご飯粒大王 と命名したはずである。 ご飯粒を顔にベタベタつけなが…

余計なことを口走らずに

タクシーに乗って、窓の外を眺めていたら―― 向こう側から、女子高生が歩いてきた。 髪が黒く、サラリと伸びて―― 手足は長く、腰回りは細身で―― 純白のブラウスに、臙脂(えんじ)のネクタイが色濃く映えていた。 僕は、こういう女の子のネクタイ姿に目がない…

どうにもならない

大学に入る1、2年前のこと―― 当時30代くらいに男性から、 ――人間というのは、どうにも接しにくい。 という話をきき―― どうしようもなく憂鬱な気分になったことがある。 ――例えば、会社などで、休憩中にお茶を入れてくれたOLに、たまたま何かの拍子で御礼をい…

人の非合理性

人に深みを与えるのは、その人の性質に含まれる非合理性の要素であろう、と思っている。 合理主義では片付けられない何か、のことだ。 最も端的な例は、 ――医者の不養生 であろう。 あるいは、 ――科学者なのに黒魔術に凝っている。 とか、 ――銀行員なのにプ…

心は分化している

歳をとっていくにつれ―― なぜか対人関係が難しくなる。 ――ウマがあう、あわない―― といった問題が―― どうにも無視できなくなってくる。 10代の頃は、そうではなかった。 誰とでも仲良くできるような気がしていた。 30代の今でも―― 僕自身は、少なくとも初対…

容易には、わかりあえない

ときどき―― 人と人とが、わかりあうのは、実は、そんなに難しいことではない、と思うことがある。 双方に、わかりあおうとする意志がありさえすれば―― 意外に容易に、わかりあえてしまうのではないか、と―― 幻想かもしれない。 いや―― 幻想であろう。 一般に…

日本語の洗練の証

日本語の特徴は、何であろう? しばしば指摘されることは、主語が省略されるということである。 例えば、日本の中学1年生が、 ―― I have a pen. といった英文を訳させられるときに、 ――私はペンを持っています。 が正解だと知らされて、一瞬、首を傾げること…

CDラジカセの怪

夕方、自宅の部屋にいて、ふと気が付くと―― CDラジカセの電源が入っている―― 入れた覚えはないのに―― しかも、なぜかカセット・モードになっている―― ここ何年もカセット・テープで聴いたことがなかったのに―― 何となく気持ちが悪くなって―― とりあえず、電…

タクシーの運転手さんには

副業先の計らいでタクシーを利用することが多いのだが―― タクシーの運転手さんには、色々な人がいる。 今日は、よくお喋(しゃべ)りをする人だった。 50代ないし60代の男性で、地元の訛(なまり)の強い人であった。 とにかく、よく喋る。 ――今朝は4時に起…

僕が自由に小説を書くと

僕が自由に小説を書くと、すごく読むのが難しくなる。 3日ほど前にも、ちょっと書いてはみたのだが―― たしかに、その通り―― 読むのが、かなり難しい小説になる。 ふだんは理屈っぽい随筆ばかりを書いているからなのか―― 自由に小説を書くときには、直感に頼…

携帯電話を解約しても

携帯電話を解約しても、電話器は手元に残しておく人が、増えているそうである。 電話器の多機能化が進み、手帳や目覚まし時計代わりに便利だから、というのが理由らしいが、(それだけじゃないだろう) と思う。 よく考えると―― 携帯電話ほど、毎日、長時間…

久間発言の非

久間防衛相の辞任が発表され、一日が経過した。 久間氏は、なぜ職を辞さねばならなかったのか――今月末に参院選を控えた今、僕ら有権者は、事の次第を正しく理解したほうがよい。 まずは久間発言の主旨である。 ――アメリカ軍によって、広島や長崎に原子爆弾が…

人間の攻撃性について

人間の攻撃性について―― もう、ずいぶん前から色々に考えている。 考えているというよりは―― もてあましているというのが現状であった。 人間が、今の地球上において、これまでに、どの生物種もなしえなかったような凄まじい繁栄を、こともなげに謳歌できて…

別政界の奥行き

僕が小説に込めたいことは、別世界の奥行きである。 キーワードが2つあるのだ。 ――別世界 と、 ――奥行き とである。「別世界」というのは「異世界」といってもよい。 ――あ、これは僕らの世界の話ではないな。 と感じさせるような世界である。「奥行き」とい…