――物書きをやっています。
と、僕がいうと、
――ははあ、一獲千金を狙ってるわけですな。
とかいう人がある。
(そういう人とは、たぶん、生涯わかりあえないな)
と思う。
そういうことでは、ないのだ。
例えば――
毎日、ご飯を食べなかったら、生きていけないように――
例えば――
毎晩、眠らなかったら、生きていけないように――
例えば――
毎朝、排泄をしなかったら、生きていけないように――
ある日、突然、書くことをやめたら――
生きていけなくなるようなのだ。
世の中には、そういう人間もいるのである。
なぜかは、わからない。
肥大した自我を手なずけるには――
それより他に、方法がないのかもしれない。
が――
なぜ、自我が肥大したのかといえば――
それは、物書きをやっているからであり――
だから――
結局、
――卵が先か、鶏が先か。
という話になる。
分析をしても始まらない。
まずは――
そうした現状認識が必須と思う。