マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

詞、アイドル

シンガーソングライターに向かって、 ――あの詞は、どういう意味なのですか? と訊くことは愚の骨頂だ、という見方がある。 ――詞には意味などない。 との考えに立脚した見方だ。 詞の良さは、書き手も読み手も、自分の思いを自由に込められるところにある。 …

なんとも儚い

都市部で心臓発作の男性死亡率が上昇しているそうである。 今日のネットのニュースが伝えている。 この手のニュースには注意が必要だ。 一見、わかりやすい内容だけに、その意味を正確に掴むのは難しい。 おそらく、近年の治療技術の発達に伴って減少してい…

文章の書き方、読み方

――文章とは一気に書き上げるものである。 という見方がある。 小説にせよ、随筆にせよ、評論にせよ、一気に書き上げた作品こそが真の良作たりうる――という見方である。 僕も以前は、そう思っていた。 が、最近、(どうも違うな) と思い始めている。 何度も…

男が女を小説に書く

男が女を小説に書く―― わけても一人称で書く―― その意義は、はたして、どこにあるのか―― いささか気になっている。 男が女を小説に書く――しかも一人称で書く――とは―― つまるところ、 ――男が女に化ける。 ということである。 紙と筆とが醸し出す虚構世界での…

自由に

どうも風邪をひいたらしい。 僕にとっては、季節外れの風邪である。 7月に風邪をひくことは滅多にない。 梅雨が長引いたせいか。 ここ1、2週間、涼しすぎる日が不規則に続いた。 あるいは―― 日頃の行いが悪いからか。「目隠し」だの「ブルマ」だの「猥褻」だ…

「御苦労様」の誤用

今日、ネットでニュースをみていたら――「御苦労様」の誤用が目立つようになっているとのことである。 一般に、 ――御苦労様でした。 は目上の人には用いず、 ――お疲れ様でした。 を用いることになっているが―― 最近では誤って目上の人に用いるケースが増えて…

色気と猥褻と

――色気と猥褻(わいせつ)とを混同してはならない。 という話をきいた。(ああ、その通りだ) と思った。 たしかに―― 色気と猥褻とは別物だ。 似てはいるかもしれないが―― 厳に峻別すべきである。 どういうことか。 例えば―― 女優が淫らな濡れ場を演(や)る…

17にもなってブルマなんか……

いつのことだったか、すっかり忘れてしまったのだが―― たぶん、まだ僕が高校生のときである。 不登校の女子高生が、TVのインタビューに答え、学校に行かない理由をブッキラボウに説明していた。 曰く、 ――17にもなってブルマなんか、はきたくないから―― とい…

目隠しの少女剣士の「卑怯」

昨日の『道草日記』に関連して―― 何をもって卑怯とすべきなのかを、今、考えている。 例えば―― 老剣士が少女剣士に稽古をつけるような場面を考えよう。 老剣士は男である。 老剣士は、少女剣士に目隠しをさせ、自分は目隠しをせず、木刀を手に、少女剣士と相…

卑怯、礼讃!

「卑怯」という言葉はありがたい。 実に、ありがたい。 勘違いをしないでいただきたい。 別に卑怯を、ありがたがっているのではない。 卑怯はよくない。 道義的によくない。 が―― 僕は卑怯が好きである。 虚構の世界の卑怯が好きである。 どうしようもなく好…

宗教の条件

JR岡山駅から南東に徒歩で20分ほどいったところに、蔭凉寺がある。 5年前、ここで父の葬儀を執り行った。 以来、父の供養の節目ごとに、ここのお世話になっている。 3日ほど前に、御挨拶に伺った。 住職さんと副住職さんとが丁寧に迎えて下さった。 このお二…

恋は勘違い

恋は勘違いで始まると考えている。 この場合―― どちらかが勘違いをしなければ、事態はバッドエンドで終わる。「失恋」という名のバッドエンドだ。 また―― どちらも勘違いをしていれば、事態はハッピーエンドで終わる。 とりあえずのハッピーエンドだ。カッコ…

帰ってきました

予定が変わり、昨日の夜に帰ってきました。 1日分、早まったのですね。 それでも、3泊ほど家をあけていたことになります。 * 僕は家を3日もあけると不安になります。(家が無くなっていたらどうしよう?) という不安です。 幻想小説ではないので、まさか、…

帰りは水曜日の夜の予定

『道草日記』をお読みいただき、ありがとうございます。 * ちょっと二日酔い気味です。 実は昨夜、結構のんでおりまして―― で―― 今朝、ボーとした頭で電車に乗ったのですが―― ボーとしていたからか―― 実に美しい女性をみかけまして―― 多分、陸上部か何かの…

小説の『あとがき』は

小説の『あとがき』は、よまない人が多いようなのだが―― 実際は、どうなのだろう? もちろん、作者が著名な場合は、この限りではないと思う。 著名というだけで、人は、それなりの興味を抱く。 問題は、それほど著名ではない場合だ。 むしろ、無名の場合―― …

寝苦しい夜に

中学の頃―― 僕はボーイ・スカウトのメンバーだった。 毎年、夏になると、指導者や仲間たちと一緒に、毎週のように野営していた。 野営というのは、テント暮らしである。 疲れきった体をテントの底に沈める心地よさが、印象に残った。 あるとき――野宿をするこ…

戦争、人間

――戦争は儲かる。 という。 事実だろう。 第一次世界大戦や朝鮮戦争が日本にもたらした好景気を引き合いに出すまでもない。 戦争は物を破壊する。 物が破壊されるから、物が補充される。 物が補充されるためには、物が作られねばならぬ。 物が作られれば、カ…

歴史は語るもの

末尾の言葉が清々しい。 ――日本よ、いつまでも平和で穏やかな国であれ。 とある。 作家・半藤一利さんの言葉だ。『昭和史――戦後篇1945-1989』(平凡社、2006年)による。 半藤さんには歴史家の風格がある。『昭和史ーー戦後篇』の前篇『昭和史1926-1945』…

老いの「かわいさ」

元気なお年寄りが急に老け込む時期――というのがある。 例えば、80歳頃までは壮年の印象が強かったのに、83、4をすぎて、急に体が小さくなって弱々しくなった印象を受けることがある。 老いとは、徐々にやってくるものではないらしい。 そういえば、 ――病は気…

女子高生の二人組

最近、朝、同じ電車に乗り合わせる二人組がいる。 女子高生の二人組だ。 着ている制服が同じ―― 持っているカバンが同じ―― 髪型や体型も似ており、どちらも、それなりに美しいのだが―― この二人、微妙な意味で好対照である。 一人は、端正な顔つきで、黒髪は…

個人競技の気楽さ

サッカーのワールドカップに見慣れた目で、テニスのウインブルドンをみると――個人競技の良さが浮き彫りになる。 あくまでもTV観戦の話ではあるが―― 個人競技の良さは、気楽さにあると思っている。 理由は明らかで―― チームという要素がないからだ。 いや、個…

父の愛したユーモア

5年前に亡くなった父は―― 家でTVをみていて、おかしなところで笑う人だった。 例えば、宇宙活劇の娯楽映画をみていて、巨大な珍獣同士を格闘させるシーンが出てきたところで、笑ったことがある。 正確には、格闘に敗れて殺された珍獣の飼い主が、その死を悼…

帰るべき家を失う

――大人になる。 とは、帰るべき家を失うことだと思っている。 幼心に感じた家の安らぎを、捨て去ることだと思っている。 僕は18で家を出た。 家を出るまでは、よく、 ――家に帰ったら―― と呟いていた。 例えば、学校で何か思わしくないことがあると、 ――家に…

官能小説は無理だ

――僕に官能小説は無理だと思っている。 などと書くと、 ――何いってんの! と糾弾されそうだ。 僕の本性を知っている人に、である。 たしかに、僕の本性は、あまり上品ではない。自分の小説に猥褻(わいせつ)を書き込むくらいは平気である。 むしろ、喜んで…

チームに溶け込む大切さを軽視する傾向

サッカーの中田英寿選手が引退を発表した。 昨夜のことだそうである。 どちらかといえば、イヤな選手だった。 もちろん、すばらしい選手だったとは思う。実績は申し分ない。 が、あくまで日本人選手としての実績だ。世界基準でみたら頭抜けているわけではな…

理科の教科書が難化?

先ほど、中学の理科の教科書をみていたら、 ――ドルトン や、 ――アボガドロ といった科学者たちの名前が載っていた。 ちょっと驚いた。 教科書が難化していると、いえなくもないからである。 易化することはあっても難化することはない――それが教科書だと思っ…

女性の中の「女」性

女性の中の「女(おんな)」性―― これほど厄介なものはない。 だから、僕は恋が嫌いなのだ。 * 何の話か。 ――男にとって、「女性」と「女」とは別物だ。 という話である。 * 男が女性の中に「女」を見出すとき―― 男は女性の人間性を消去する。 男にとって…

もう一度、政策通の雄姿を

今朝から東京に来ている。 上野駅近辺で所用を済ませ、池袋経由で新宿へ――とある会合に出席するためである。 お世話になっている作家さんが私的に開催されている会合に、である。 その後、皆で居酒屋へ向かい―― 一次会、二次会と経て―― 深夜の山手線で、池袋…