どうも風邪をひいたらしい。
僕にとっては、季節外れの風邪である。
7月に風邪をひくことは滅多にない。
梅雨が長引いたせいか。
ここ1、2週間、涼しすぎる日が不規則に続いた。
あるいは――
日頃の行いが悪いからか。
「目隠し」だの「ブルマ」だの「猥褻」だのと、好き勝手に書いていたからな。
*
――自由に書く。
ということの難しさが、骨身にしみてきた。
「自由に」という体裁が、いかに難しいか。
一見、簡単にみえて、全くそうではない。
ともすれば、すぐに型にハマってしまう。
むしろ、無意識の内に型にハマる不自由を希求しているかのようだ。
型にハマっても、気にならぬうちはよい。
が――
一旦、気になってしまうと、どうにもならぬ。
何とか型から抜け出そうと、暴れたくなる。
それが、かえって「自由に」を妨げる。
皮肉なものだ。
型というのは、何も文体や構成だけではない。
題材も含む。
型破りの題材が、ときに文体や構成をも深化させる。
誰もが扱う題材ばかりを扱っていては、進歩はない。
とはいえ――
(いくら何でも、これはヤバいだろう!)
という題材がある。意外に、たくさんある。
「自由に」がテーマの『道草日記』でも――
扱い難い題材は、あるものだ。
傍目には、いかにも好き勝手に書いているようかもしれぬが――
「自由に」とは、結局は、特定の枠内での「自由に」なのだろう。