マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「ノルマ」が仕事をダメにする

――ノルマ という言葉をきくと―― たいていの人は、嫌な印象をもつと思います。 僕もそうです。 このカタカナ語―― ロシア語で「規範」や「規定量」を意味する 「 Норма」という言葉に由来しているのだそうです。 太平洋戦争(大東亜戦争)の後―― ソビエト連邦…

上限のない目標か下限のある目標か

世の中の仕事の多くは―― 上限のない目標を追いかけるか―― 下限のある目標に追われるかの―― どちらかでしょう。 上限のない目標を追いかけるのは―― 利益獲得型ないし利益追求型の仕事といえます。 一般的な企業活動や学術研究などが、これに当たります。 下限…

勝負の流れを変えるものは何か

勝負の流れを変えるものは何か―― ずばり、 ――後悔 です。 ――あの時、セオリー通りにやっていれば……。 とか、 ――あの場面は、もう少し慎重にいくべきだった。 とか―― 勝敗が決まる前――勝負の最中に―― はからずも抱いてしまう後悔の念―― その感情が、無意識の…

「小異を捨てて大同につく」の危険

――小異を捨てて大同につく。 という言葉がありますね。 ――小さな相違点は無視をして、大きな一致点で合意をする。 くらいの意味です。 政治の場などで何か現実的な判断を迫られたときには―― ぜひとも必要とされる発想でしょう。 が―― この発想―― 危険な面も…

フォローワーの納得には2種類ある

チームワークのよいチームでは―― フォローワーの大多数が、リーダーの指示に納得をしています。 リーダーの役割というのは―― 少なくとも一義的には―― フォローワーの大多数の納得が得られる指示を出すところまでであり―― その指示の結果が吉と出るか凶と出る…

温厚と厚顔とは

温厚と厚顔とは紛らわしいのだそうです。 20代の頃に―― 年配の男性のことを評して、 「いやぁ、あの御方は、すごく温厚ですね」 といったら―― 「あの人は、たんに厚顔なだけだよ」 と返されたことがありました。 冗談だと思って、 「ええ~?」 と笑ってみせ…

中国人にイライラしてしまったけれど

そんなに混んでいない電車に乗っていたら―― 近くの席から、やかましい話し声が聞こえてきました。 中国人のようでした。 顔立ちは明らかに東洋系でしたから―― 間違いないでしょう。 年配の男女2人と中年の男女2人の4人連れ――たぶん家族です。 大きなカバ…

賭けに出て我を失いやすい人ほど

賭けに出ても大丈夫そうな人というのは―― リスクやリターンの見積もりが、つねに的確な人です。 一方―― 賭けに出たらダメそうな人は―― その見積もりが不的確な人です。 賭けでは―― リスクで損害を被るか、リターンで利益を獲るか―― どちらになるかは、わかり…

水墨画で日本シリーズを

雪舟や宮本武蔵の水墨画をみに―― 仙台市博物館へ行ってきました。 特別展です。 岡山県立美術館の所蔵する作品群が貸与されたそうです。 僕は、水墨画を―― 決して嫌ってはおりませんが―― でも―― 水墨画をみて―― いつも思うのは―― (いかにも“過去”が先立って…

単純で素朴な疑問を軽視する過ち

単純で素朴な疑問ほど、知的好奇心を呼び起こす―― ということがあります。 なぜか―― 単純で素朴な疑問ほど―― 物事の本質を突いているものだからです。 本質を突いているので―― 答えが簡単にはみつからない―― 様々な答えが提起されては、棄却・忘却されていく…

大自然への憧憬や崇拝とは違う

大自然の営みに比べれば、人の心の悩みなどは取るに足らない―― といった言い方が、ときに、なされますが―― それは―― 決して大自然への憧憬や崇拝に基づいているのではなく―― もっと決定的な力関係の差が―― 前提となっています。 …… …… そのような力関係を―― …

誰かを評価することに秀でたければ

誰かを評価するということは―― 誰かに評価されるということです。 どんな人をどんなふうに評価したかによって―― 自分自身も評価の対象となる―― ということです。 どんな人を良いとし、どんな人を悪いとしたか―― その結論や結論に至る過程に―― 自分自身の人間…

中庸の真逆を代償性に求める

発言に偏りや過不足がなく、行動に極端な逸脱がなく、全体的に釣り合いがとれている様を、 ――中庸 といいますが―― 現代の日本社会では―― その中庸ではなく、中庸の真逆が、もてはやされる傾向にあります。 すなわち―― 発言に偏りや過不足があり、行動に極端…

フルーツ・フォンデュからチョコレートを取り出して

優れたチョコレート製造者を称えるチョコレート賞というのがあって―― その選考委員会が―― あるとき、 ――フルーツ・フォンデュに用いるチョコレート・ソースを巧みに開発したパティシエにチョコレート賞が授与される。 と発表したところ、 ――フルーツ・フォン…

“あっても使わない”の秘訣

おカネは、 “あったら使っちゃう” ものであると―― 一般には考えられていますが―― なかには―― 億単位の年収があるにも関わらず―― 平均的な年収の人たちと同じように暮らしながら、日々、節約に努められる人たちもいるのだそうです。 そういう人たちは、“あっ…

こういう人柄だから、ああいう芝居に

俳優さんは―― 人柄が芝居の質に少なからず反映されるように思います。 …… …… ふた昔ほど前―― 芸達者と評判の俳優さんが―― “少壮の息子を殺され、嘆き悲しむ父親”の役を演じたことがありました。 その父親の嘆き方が、なんとも軽かったのです。 もちろん―― 芸…

自分の“好き勝手”は自覚しにくい

いろいろとシガラミのある人ほど、自由に生きようとし―― ほとんどシガラミのない人ほど、不自由に生きようとする―― そんな傾向が―― あるような気がします。 生まれながらに背負っているものが多い人ほど―― それらを背負ったままに、どうにかして自分のやりた…

インサイダーをカッコいいと思うには

「インサイダー」「アウトサイダー」というと―― 何となくスタイリッシュですが―― 「部内者」「部外者」というと―― どことなく野暮ったいですね。 まあ―― どちらも同じ意味ですが―― …… …… せっかくなので―― 以下、スタイリッシュなほうの呼称を用います。 …… …

強者は弱者の戦法を採るべきではない

勝負事では―― 強者は、つねに強者らしく振る舞うのがよいでしょう。 強者が弱者に対し、弱者が採るべき戦法に徹することは―― 賢明とはいえません。 弱者が変に勇気づけられ、実力以上の力を発揮するかもしれません。 ただし―― 弱者は、つねに弱者らしく振る…

「半分もある」か「半分しかない」か

――どんな資質がリーダーに向いているか。 の問いに明確に答えるのは―― なかなかに難しいのですが、 ――リーダーに向いているか否か。 の判別だけでしたら―― そんなに難しくはありません。 例えば―― …… …… いま―― コップに水が、なみなみと注がれてあってほし…

トップはボトムを育てるが

組織が良い状態を保つには―― ときにトップ・ダウンで機能し、ときにボトム・アップで機能するようでないと―― なりません。 いつでもトップ・ダウン、あるいは、いつでもボトム・アップというのでは―― 組織は硬直し、機能は劣化します。 トップとボトムとが相…

学びを全力で楽しんだ者にこそ

学びの本分は―― 本来、楽しむことであり―― 例えば―― 勉強は、伝統のある名門大学や就職に有利な学部に進学するためではなく―― また―― 学問は、権威のある学術賞を授与されたり、学界の要職に就いたりするためではなく―― いずれも―― 学びを楽しんだ結果、副次…

時代の流れは心の移ろい

時代の流れは心の移ろいなのですね。 その時代を生きる多数派の人々の―― 心の移ろいです。 その人々の心が移ろうから―― 時代が流れる―― その移ろいが早ければ早いほどに―― 時代の流れは速くなる―― …… …… もし、あなたが―― その多数派の一人であって―― かつ――…

寛大で高潔で誠実な悪でもよい

勧善懲悪の物語では―― 悪役は、たんなる引き立て役ではありません。 もう一つの主役――準主役―― といってよいでしょう。 一般に―― 勧善懲悪の物語の悪役は―― ひどく残忍であったり―― ひどく俗物であったり―― ひどく卑怯であったりするものですが―― 別に―― ひ…

「許したふりをする」とか「許したつもりになる」とか

誰かに許されることのほうが、誰かを許すことよりも、難しい―― というのは―― きのうの『道草日記』で述べた通りですが―― 許すことだって―― そんなに簡単ではありません。 例えば―― 子どもを交通事故で亡くした親は―― その事故の加害者を、簡単には許せません…

“許されること”の難しさ

誰かを許すことと―― 誰かに許されることと―― どちらも、かなり難しいことではありますが―― 強いていえば―― “許されること”のほうが、より難しいでしょうね。 以下は―― 中学生の頃に、海外の作家のエッセイか何かで読んだ話です。 あれから30年くらい経ってい…

イライラの感情は

イライラの感情は―― 伝染しやすいのですよね。 とくに―― いつも几帳面に誠意を尽くそうとする人たちの間で―― 伝染しやすい―― そういう人たちが集まっているところで―― 誰かが苛立ち始めると―― イライラの感情は―― あっという間に蔓延します。 …… …… が―― い…

“オンリーワン”の2つの意味

――“ナンバーワン”より“オンリーワン” という考え方は―― ときどき、やり玉に挙げられます。 ――自己研鑽の意義をないがしろにするものである。 というのが―― その趣旨です。 すなわち、「“ナンバーワン”より“オンリーワン”」の考え方は、 ――この世界では誰もが…

少し若返った気分

眼鏡を、中学生の頃から、ずっとかけているのですが―― 先日―― 7年ぶりだか9年ぶりだかで―― 眼鏡のレンズを変えました。 そして―― その眼鏡を、けさ、かけ始めたのですが―― 眼鏡のレンズを変える時は―― 毎度のことながら―― 今回も違和感がたっぷりでして―― …

聴診器は聴こえが悪くなるのではなく

医師になって10年くらい経った頃に―― 「聴診器は、いつごろ買い換えるのがいいんですか」 と―― 20年ほど先輩の医師に訊いたことがあります。 聴診器は―― 電子仕掛けの特殊な製品を除けば―― とてもシンプルな造りをしていまして―― 簡単には壊れそうにないもの…