賭けに出ても大丈夫そうな人というのは――
リスクやリターンの見積もりが、つねに的確な人です。
一方――
賭けに出たらダメそうな人は――
その見積もりが不的確な人です。
賭けでは――
リスクで損害を被るか、リターンで利益を獲るか――
どちらになるかは、わかりませんが――
見積もりが的確であれば――
どちらに転んでも――
結末は想定内です。
想定内の損害を被っても、想定内の利益を獲っても――
人は、我を失う可能性は、そんなにはありません。
が――
見積もりが不的確であれば――
つまり――
想定外の損害を被ったり、想定外の利益を獲ったりすれば――
人は、我を失う可能性があります。
ひとたび我を失ったら――
よいことは、何もありません。
にもかかわらず――
……
……
ある方が、ボヤいていました。
――賭けに出ても大丈夫そうな人ほど、賭けには出たがらずに、賭けに出たらダメそうな人ほど、賭けに出たがるんだよね。
と――
つまり――
賭けに出て我を失いやすい人ほど、
――我を失ってしまう。
ということです。
……
……
恐ろしい話です。