マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2017-01-01から1年間の記事一覧

人が礼を尽くす姿は

人が礼を尽くす姿は―― 常に、それなりに美しいものと感じますが―― とりわけ―― 見返りを求めずに、ただ、ひたすらに礼を尽くす姿は―― 無条件に、 ――美しい と感じます。 返礼があろうと、なかろうと―― 無視をされようが、されまいが―― ただ、ひたすらに礼を尽…

小説は語り、随筆は質す

すぐれた小説は、 ――語り続ける。 のに対し―― すぐれた随筆は、 ――質(ただ)し続ける。 と感じます。 つまり、 ――AはBをした。CはDをした。…… というように、述べ続けているのが小説で、 ――AがBなのをどう思うか。CがDなのをどう思うか。…… という…

「数学」は誤訳

――数学 という言葉は―― 勉強の教科名としても学術の分野名としても―― なかなかに使いづらい言葉だと感じます。 おそらくは―― 英語の「mathematics」ないしドイツ語の「Mathematik」の訳語であったのだろうと想像しますが―― これら言葉には、共通の起源とみな…

数理は自然界を司っているか

主に物理学の研究成果から、 ――自然界は数理的に記述できる。 ということが―― 経験的に知られています。 このことは―― 一般に、 ――数理は自然界を司(つかさど)っている。 と解釈されますが―― 一方で、 ――そうではないのではないか。 と懸念されてもいます…

資質か環境か――「環境」と考えたがる理由

人の能力は持って生まれた資質(遺伝)と生まれ育った環境(家庭・学校)との双方に依る―― という考え方が―― 今日の主流かと思いますが―― なかには―― 今日でも、 ――持って生まれた資質には依らず、生まれ育った環境だけに依る。 と考えたがる人たちがいるそ…

歴史は「暗記科目」でも「考える科目」でもなく

歴史を、 ――考える科目 にしようという機運が―― 高まっているとききます。 けっこうなことです。 歴史を「暗記科目」と理解したがゆえに歴史嫌いになった人たちを―― 何人も知っています。 が、 ――言うは易く、行うは難し です。 歴史は暗記科目ではないとい…

体は小さいほうがいいかも

僕は、どちらかというと、体の大きなほうで―― 20代の頃は―― 良くいえば、 ――巨漢 悪くいえば、 ――デブ でした。 が―― とくに体が大きくて損をしたということはなく―― (べつにデブでもいいよ) と思って生きてきましたが―― …… …… きのう―― 新幹線に乗ってい…

流行する顔立ちというのは

以前にも、どこかで書いたことなのですが―― ここ何年か―― デビューしたてのはずのモデルさんや俳優さんの顔をみて、 (あ、懐かしい) と感じることが増えたのです。 先日も―― ある10代後半のモデルさんの顔をみて、 (あ、この人の顔、1990年代の何かのドラ…

勧善懲悪が廃れない理由

悪玉が善玉になって―― 善玉が悪玉になっていく物語―― これこそ、 ――身も蓋もないリアリティ という気がします。 現実の人間の世界が―― そうであるからです。 悪人が悪人であり続け―― 善人が善人であり続ける―― そんなことは―― 現実の人間の世界では―― 決して…

救いようのない物語が子ども向けである理由

子ども向けの昔ばなしの中には―― たまに、 ――救いようのない物語 が混じっています。 登場人物たちが延々と争っている話―― 登場人物たちが次々と殺されていく話―― (なんで、そんな話を、わざわざ子ども向けにするのかなあ) と訝りたくなるのですが―― …… ………

「恋」は「乞い」、「愛」は「逢い」

――恋と愛との違いは何か。 といった問いに―― 人は、20代も半ばを過ぎると―― 興味を抱くようになります。 …… …… 恋とは何か―― 愛とは何か―― …… …… 恋や愛の本質は―― それらを、 ――恋 や、 ――愛 と書いているうちは―― なかなかみえてきません。 が、 ――乞い や…

理の“枠”を歪めて情の“淵”に沈む

――人は、戦争を知るために、戦争を起こし、戦争の実際を体験しておく必要がある。 という命題を見聞きして、 ――そんなバカな! と思う向きは―― 決して珍しくないと思うのですが、 ――人は、恋愛を知るために、恋愛を始め、恋愛の実際を体験しておく必要がある…

恋愛も戦争も

恋愛も戦争も―― 根底にあるのは―― 人の情と理とのせめぎあいです。 ――あの人と一緒にいたい! という情と、 ――実際に一緒にいようとしたら、どうなるか。 という理とのせめぎあいが恋愛ですし―― ――あの国を懲らしめてやる! という情と、 ――実際に懲らしめよ…

短所で苦しんでいるときには

個人でも、組織でも、 ――短所を直そうとして、長所を消してしまう。 ということが―― よくあるのですよね。 短所は長所のすぐそばにあるか―― もしくは―― 長所の裏面が短所であったりするものですから―― 短所をいじれば―― 必然的に―― 長所もいじられることにな…

私小説の対義語――「公小説」

私小説の対義語として、 ――公小説 という概念が成り立ちうるのではないか、と―― 考えています。 私小説というのは―― 作家が、自分や自分の私生活を素材にして書きますが―― 作家にとって自分や自分の私生活は選びようがないために―― 私小説は作りこみようがな…

白黒灰をハッキリつける

――白黒をハッキリつける。 といいますが―― これとは別に―― 僕は、 ――白黒灰をハッキリつける。 という考え方が成り立つと思っています。 …… …… 白黒をハッキリつけることと―― 白黒灰をハッキリつけることとは―― 別ものです。 また―― 白黒をハッキリつけない…

自分の娘や息子を素材にしてまで

“陰惨・暗鬱な恋”や“狂騒・怨讐の愛”を物語の主題に据えるには―― それなりの釈明をしなければならない―― という話を―― きのうの『道草日記』で述べました。 以上の主張は―― 以下の問いへの答えを探る上で―― 僕なりに辿りついた足がかりです。 その問いとは――…

陰惨・暗鬱な恋、狂騒・怨讐の愛

恋にも愛にも二面性がある―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 恋には、 “爽快・明朗な恋” と、 “陰惨・暗鬱な恋” とがあり―― 愛には、 “安寧・慈恩の愛” と、 “狂騒・怨讐の愛” とがある、と―― …… …… これら2つの恋と2つの愛のうち―― …

恋にも愛にも二面性はある

恋には、 ――爽快・明朗な恋 と、 ――陰惨・暗鬱な恋 との―― 少なくとも2種類があります。 一般に、 ――恋は愛に移ろう。 と考えられますが―― これら2種類の恋のうち、 ――安寧・慈恩の愛 へ移ろいやすいのは―― “爽快・明朗な恋”のほうであり、 ――狂騒・怨讐の…

恋の“山道”を下ったら

――今の恋が最高だ。 と思っている人ほど―― (実は浮気に走りやすいのではないか) と―― 僕は思っています。 ――ひょっとすると、次の恋はもっと良いかもしれない。 などと―― 考えかねないからです。 逆に、 ――今の恋は、せいぜい2番目か3番目で、最高の恋は…

観念の共有は容易でない

反戦も平和も―― 結婚も交際も―― 人が心の中に作り出す観念の一つですから―― 他者と共有することは―― 容易ではありません。 ここでいう「共有」とは―― 反戦や平和なら、 ――不特定多数の人々に対する世論形成 を意味し―― 結婚や交際なら、 ――特定の一人の異性…

「恋愛を知っている」とは?

――恋愛を知っている。 とは―― どういう意味でしょうか。 …… …… もう少し厳密にいいますと、 ――恋愛を知っている。 と、 ――恋愛を知らない。 との違いは何か―― ということです。 その違いは―― 単に、 ――誰かに恋愛感情を抱いた経験の有無 ではありません。 お…

恋愛と結婚とで違うのは“タイプ”ではなく“〇〇〇”

――恋愛と結婚とで好みのタイプが違っていた。 と嘆いている人の話をききました。 その人は―― 先ごろ失恋をしたばかりで―― 交際をしていた相手は―― 恋愛対象になる異性と結婚対象になる異性とが―― まったく異なっていたのだそうです。 …… …… そういう話―― よ…

“適任の人”を見抜くのは不可能

役職に見合った力量でないことを、 ――力不足 といい―― 力量に見合った役職でないことを、 ――役不足 といいますね。 一般に―― 力不足の人は―― 自分の力不足を覆い隠すことは、とうていできません。 が―― 役不足の人は―― 自分の役不足をきれいに覆い隠すことが…

忖度の良し悪しの根幹

――忖度 というと―― 何だか酷くニュアンスの悪い言葉として認識され始めましたが―― 当然ながら、「忖度」それ自体は、 ――他者の心をおしはかって配慮すること という意味の言葉であり―― あくまでも中立的なニュアンスです。 よって、「忖度」には、 ――良い忖…

空欄補充型のテストの弊害

4年後に始まる予定の大学入学共通テストについて―― おととい―― その問題の具体例が公表されました。 色々と確認してみたのですが―― (よく考えたな~) と―― 思わず唸ってしまうような問題が目立ちしました。 きのうの『道草日記』で―― 日本の学校教育が ――…

この国の学校教育は、なぜ暗記偏重なのか

この国の学校教育は、 ――暗記偏重だ。 と―― よく指摘されますが―― 暗記偏重が明らかに問題なのは―― 高校教育であって―― 中学校教育であれば―― 明らかに問題とはいいきれず―― また―― 小学校教育であれば―― むしろ、ある程度はやむを得ないと思います。 よって…

再起不能の失敗の多くに共通する理由

失敗から学ぶことで―― 人は、新たな視点や広い視野を獲得し―― 以後の言動が変わるものです。 失敗から学ぶことの核心は―― 当然ながら―― その失敗の理由にあります。 なぜ失敗に至ったのか―― その原因ですね。 が―― …… …… 残念ながら―― 世の中には、 ――理由が…

「なぜ勉強するのか」の2つの答え

――なぜ勉強するのか。 の問いの答えには―― 大きく分けて2種類があります。 1つは、 (A) 勉強をすれば得をするからだ。 で―― もう1つは、 (B) 勉強をしなければ損をするからだ。 です。 これら2つの答え―― 似ているようで、まったく異なります。 (A…

流行語に力がなくなった理由

――流行語に力がなくなってきた。 といわれ始めて―― 何年か経ちます。 ――今年の流行語は「○○」です! とアナウンスされても、 ――え? 何、それ? とか、 ――なんで、それが? といった否定的ないし懐疑的な反応が珍しくなくなってきた―― ということです。 こう…