反戦も平和も――
結婚も交際も――
人が心の中に作り出す観念の一つですから――
他者と共有することは――
容易ではありません。
ここでいう「共有」とは――
反戦や平和なら、
――不特定多数の人々に対する世論形成
を意味し――
結婚や交際なら、
――特定の一人の異性に対する口説き落とし
を意味します。
どちらも容易な共有でないことに変わりはないのですが――
……
……
世間では――
一般に――
反戦や平和の共有のほうが高尚で意義が深く――
結婚や交際の共有のほうが低俗で意義に乏しい――
ということが――
安易な前提となっているように感じます。
もちろん――
反戦や平和は不特定多数の人々に働きかける観念で――
結婚や交際は特定の一人の異性に働きかける観念ですから――
ことの成否がもたらす顛末の規模は比べものにならないのですが――
どちらの観念の共有も、
――容易でない。
という点では全く同じであり――
違うのは、
――規模だけである。
という点は――
もう少し幅広く認識されるのがよいと感じます。