マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

シルクロードの本道

 ――草原の道

 ――オアシスの道

 ――海の道

 の三種のシルクロード(Silk Road)のうち、

 ――草原の道

 だけが、紀元前 2,000 年より前に開かれていた――

 

 そう考えられるのは――

 ユーラシア大草原の東西で、互いに似た様式の考古学的遺物が数多く見つかっているからである。

 

 むろん――

 それらの発見を、

 ――偶然

 で片づけることはできる。

 

 が――

 もし、そうとしないのなら――

 ユーラシア大草原の東西に人々の行き来があったと考えるしかない。

 

 そうした観点でみると、

 ――草原の道

 は理に適っている。

 

 この“道”は、ほぼ同緯度に開かれている。

 つまり、ユーラシア大草原の東西を最短距離で結んでいる。

 

 ――オアシスの道

 や、

 ――海の道

 は、低緯度の方へ遠回りをしている。

 

 加えて――

 

 紀元前 3,000 年くらいには――

 ユーラシア大草原の西部で、

 ――騎馬遊牧

 が始まっていたと考えられる。

 

 ――草原の道

 は、馬での移動に都合が良い。

 馬に草を食ませ続けられるからである。

 

 以上を踏まえると――

 三種のシルクロードのうち、本道は、

 ――草原の道

 と考えられる。

 

 19世紀に地理学者リヒトホーフェン(Richthofen)が着目をした、

 ――オアシスの道

 は――

 実は脇道であった。

 

 『随に――』