2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧
作家の司馬遼太郎さんは、明治の日本国家を念頭に、 ――東大(東京帝国大学)は西欧文明の配電盤であった。 と指摘されていますが―― この比喩は、実に巧みであったと感じます。 実は「配電盤」と似たような言葉に「分電盤」という言葉がありまして―― 僕は、そ…
一見、非難に値するような無責任な行動を採った人でも―― 必ず、その人なりの言い分というものがあるはずで―― その言い分を聞かない限りは―― 容赦なく非難することはできないのですね。 ここでいう「言い分を聞く」とは―― 決して温情を示すことではありません…
慣れていないことばかりをやっていると―― 時が経つのは本当に遅いのですね。 なかなか時が経っていかない―― 経っていくようには感じられない―― ですから―― 時が経つのを遅く感じるためだけに―― 自分が不慣れなことに挑戦する人たちも―― 世の中には少なからず…
書くのが苦手な人は、話すのが得意で―― 話すのが苦手な人は、書くのが得意で―― たいていは、どちらかなのですよね。 どちらも得意という人は―― そうはいないものです。 人の思索の出力経路というものは―― たぶん一種類ないし一系統なのでしょうね。 その経路…
自分の見ているものを、 ――美しい。 と感じるためには―― そのように感じるための準備が必要です。 その準備とは何か―― 例えば―― その審美の基準を十分に研ぎ澄ませていなければならない―― ――嗚呼、美しい! と随喜する人は―― そう感じるための準備を滞りなく…
言葉とは―― 第一義的には、人の声帯で発せられる音であり―― 音である以上―― 言葉は、現れては消えていく現象であり―― それは―― 何ら形らしきものを有しません。 もちろん、文字に置き換えられることで―― どうにか形らしきものを有するようにはなりますが―― …
人の話を聞くということは―― 多少の比喩表現を使うのなら―― その人の心に、自分の心を重ね合わせることです。 具体的には、どういうことか―― その人の心の動きを追体験することです。 例えば―― その人が喜んでいれば、一緒に喜んであげ―― その人が怒っていれ…
別れの挨拶の「さようなら」は―― 何とも不思議な言葉です。 この言葉の原形は、おそらくは「左様ならば」―― つまり、 ――そうであるならば なのでしょうけれども―― では、(その「そうであるならば」というのは、いったいどうなっていたら、「そうであるなら…
――学と芸と ということを―― もう何年も考え込んでいるのですが―― 学というのは、学問・科学のことですね。 英語でいえば「science」です。 芸というのは、芸術・技術のことです。 英語でいえば「art」―― 学や芸の利点・欠点を一つひとつ挙げていったら、きり…
誰かに仕事を頼まれたときに―― 頼まれた仕事に、すぐに取り掛かるのは―― たとえ、自分が一刻も早く肩の荷をおろしたいためだけであったとしも―― その仕事を頼んだ人には、なぜか深く感謝されるのですね。 なぜならば―― 仕事を頼む人のほうも、頼まれる人と同…
組織の構成員は―― 本来、自分の所属する組織が大きかろうと小さかろうと―― つねに組織全体の役割や責任、あるいは利益や損害を考えなければならないものですが―― それは、建前にすぎません。 残念ながら―― 組織の構成員の全てが、そのような視点を獲得するこ…
話が合うとか合わないとかいいますが―― それは―― 例えば、 ――お互いに話したいことの内容が合致しやすいか否か。 とかいう意味ではなくて―― 単に、 ――お互いに話を合わせようとする意志があるか否か。 の問題であると思うのです。 大切なのは―― お互いに話を…
僕は右利きですが―― 携帯電話を持つのは左手です。 メールを打つときも、通話に出るときも―― 主に左手で操作しています。 が―― ごくたまに―― 左手が塞がっていて―― 右手で操作することがあるのです――とくに通話に出るときに―― 面白いことに―― 右手で持って通…
相手が怒っているときに―― なぜ怒っているかの理由がわからなければ、(なに怒ってんだ!) と―― こちらも怒りたくなるのですが―― もし―― なぜ怒っているかの理由がわかれば、(なんだ、そういうことか……) と―― 怒る気は失せるものです。 目の前で相手に怒…
ひとたび文芸に入れ込んでしまったら―― 文章を書くには、エネルギーが必要です。 どんなに決まりきった公式文書を記すときでさえ―― 充実した気力や体力が必要です。 なぜ必要なのか―― おそらくは―― どんな文章も、 ――文芸作品である。 とみてしまうからでし…
学問を教えるときに―― その厳しさだけならば、誰にでも教えられます。 面白さをこそ、教えなければなりません。 が―― それは、そんなに簡単なことではありません。 実践が伴っていなければ―― おそらくは無理なのです。 マラソンの苦しさなら、誰にでも教えら…
――独創性 というのは―― 少し間違えれば独善や狂気に陥るもので―― 本来、大変に危ういものです。 最初から独創性を狙って何かを創っても―― まあ、よいことはない―― その良さが他者に理解され、評価されるのは―― ちょっと期待できないのです。 ――なんだ気味が…
たまに西欧人と話をして――(あれ?) と思うことは、 ――彼らの夜は異様に短い。 ということです。 ここでいう「夜が短い」というのは―― 例えば、仕事から帰り―― 家族とご飯を食べたら、あとは寝るだけ―― みたいな生活だからですよ。 TVをみたり、晩酌したり…
道具というものは―― たいていは、その使用目的がハッキリとわかっているものです。 例えば―― ハサミの使用目的は、ハッキリとわかっています。 その目的は、おそらくハサミが発明された当初と今日とで、そんなに大きな違いはないでしょう。 が―― たまに、使…
苦境というものは―― 決して安易に逃げてはいけませんね。 安易に逃げようと思ったら、必ず逃げ損ねる―― 例えば、“泥沼”という苦境に陥ったときに―― 安易に逃げようと思ったりすると、その“泥沼”の“岸辺”から遠ざかるほうに逃げてしまったりする―― ――え? な…
本の題名は―― その本に書かれている事柄と必ずしも関わっている必要はない―― とする考え方があるそうです。 例えば―― 人体の構造についての入門書に、 ――自動販売機の夕暮れ という題名が付けられていたとします。 そして―― 題名を付けたほうは、付けた理由…
――感情的 という言葉は―― 通常、否定的な意味合いで用いられることが、ほとんどですが―― やっぱり―― それは人の世では、少なくともある程度は、理にかなったことで―― 感情的になって良いことというのは―― たぶん、ほとんどないと思うのです。 人は、いったん…
誰かに、 ――あなたは、どういう人ですか。 と訊かれて―― たった一言、 ――○○です。 と答えるのは―― 一見、簡単なようで―― 実は、かなりの勇気がいることでしょう。 例えば、 ――△△さんは、お仕事は何をされています? と訊かれ、 ――作家です。 と答えるのは―― …
――食欲の秋 といいますが―― 僕にとっては、 ――食欲の冬 ですね。 秋よりも冬のほうが、断然、食べてしまいます。 いくらたくさん食べても、全く罪悪感を覚えないで済む季節―― とでもいいますか……。 やっぱり―― 冬は寒いですからね。 十分に栄養を取って―― 消…
きょう―― ある薬剤について、 ――「ひれつせい」が証明された。 という話を聞きまして、(え? 卑劣性? 薬剤の卑劣性って、なんだ?) と勘ぐりました。 正しくは「非劣性(ひれっせい)」――「劣っているわけではないということ」だったようで―― つまり―― そ…
学問の世界では―― 100年前の大問題が、今では些細な問題になっていて―― 逆に、100年前の些細な問題が、今では大問題になっていて―― ということがあります。 ということは―― 今の些細な問題は、100年後の大問題になっていて―― 今の大問題が、100年後の些細な…
夢想は、現実と繋(つな)がっているから面白いのであって―― もし、現実と全く繋がっていないことがハッキリしたら―― そんなに面白くはないのですね。 例えば、 ――宝くじで5億円が当たったらどうしよう? という夢想は―― 本当にその宝くじ券を買っている人が…
あっという間に2月になって―― ちょっとホっとしています。 1月の仙台は―― 寒い日や荒れた天候が目立ち――(このまま、ずっとこんな天気が続くのかよ) などと気の迷いを感じ始めておりました。 が―― そんな1月が終わり、2月になって―― カレンダーがめくれ…