マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

“わびの心”の学び時

たいていの美意識や価値観は―― できるだけ子どものうちから学び始めるのがよいと思いますが―― 例外もあります。 たとえば、 ――わびの心 です。 いわゆる「わび」は、 ――侘び と書いて、 ――貧しさや乏しさの中に美しさを見出そうとする意識 くらいの意味です…

「忖度」は何が問題なのか

いわゆる忖度は―― 今年3月23日の『道草日記』で述べた通り―― 対等な個人同士で行う分には、何ら問題はありませんが―― 組織の中で、明確な上下関係や依存関係にある構成員同士で行う場合には、大いに問題があります。 責任の所在が曖昧になるからです。 これ…

客の入りの悪い物件を探す理由

テナントが1~3年おきにコロコロと変わっているところを知っています。 仙台市街地にある小規模ビルの1階です。 10年以上前から―― カフェやレストラン、ラーメン屋さん、居酒屋さんなどが、入れ代り立ち代り入っているのですが―― どうも長続きしません。 …

自分がリーダー向きかを知る方法

自分がリーダー向きかどうかを―― 簡単に見分ける方法があるそうです。 どんな方法か―― 皆さん、おわかりですか。 …… …… それは、 ――自分は人が好きか。 と問うこと―― だそうです。 リーダーは人を扱いますから、 ――人が好きでないと務まらない。 ということ…

転職に向いているからといって

――転職に向いている人は、暗黙の了解をいち早く察知する人である。 という考え方があるそうです。 (たしかに、そうだろうな) と思います。 新たな職場へ確実になじむには―― その職場で共有されている“暗黙の了解”をいち早く察知し、受容する必要があるから…

会話が詰まらない人、面白い人

会話が詰まらない人は―― 自分の知っていることを話題に選びます。 一方―― 会話が面白い人は―― 自分の知らないことを話題に選びます。 つまり―― 会話が詰まらない人は―― 自分の知識や情報を持ち寄ろうとするのに対し―― 会話が面白い人は―― 自分の興味や関心を…

センスは意志である

――センスは意志である。 と―― 僕は考えています。 ふつう、「センス」というと、 ――ある分野における天性の判断力 くらいの意味ですね。 例えば、 ――彼には野球のセンスがある。 といえば、 ――彼は野球選手としての天性の判断力がある。 という意味になりま…

「彼には哲学がない」の真意

ある人が、ある人を指して、 ――彼には哲学がない。 と批判するのを耳にしたことがあります。 今から25年ほど前のことです。 そのときは、 (「哲学がない」って、いったい、どういう意味だろう?) と首をひねったものですが―― その後、何年か経って―― 哲学…

量が先か、質が先か

仕事には、 ――量 と、 ――質 という―― 少なくとも2つの要素があるように思います。 優れた仕事とは―― 理想論的には―― その量と質とが、ともに優れているものですが―― 現実論的には―― まず量を確保するか、あるいは、まず質を確保するかして―― そののちに、も…

営業マンの身なりや持ち物は気にしない

身なりや持ち物がみすぼらしい営業マンは―― なかなか業績を上げることができない―― という話をききました。 顧客が―― そのみすぼらしい身なりや持ち物を目にして、 ――この人で大丈夫かな。 と不安になって―― 商品等の購入を惜しむようになる―― ということで…

「当たり前」か「みっともない」か

いつも控えめで慎ましいと評判の人が―― 3年、5年、10年と経つうちに―― しだいに驕り高ぶって振る舞うようになり―― 評判はガタ落ちした―― という話を聞きました。 (あんなに評判が良かったのに、なんで?) と思って―― ちょっと調べてみたところ―― その人…

先人の知恵から真に学ぶべきこと

――先人の知恵に学ばなければならない。 とは―― よくいわれますが―― この言葉を―― 額面通りの意味に受け取ってはいけません。 もちろん―― 人は皆、先人の知恵に学ばなければならないのですが―― そこから真に学ぶべきは何か―― それを―― 誤解してはなりません。…

道徳に正解はないか

――道徳には正解がない。 と、よくいわれますが―― この言葉―― 誤解をしてはいけません。 ――正解がない というのは―― あくまで、 ――万人にとっての正解がない あるいは、 ――児童や生徒に押し付けてよい正解がない という意味であって、 ――自分なりの正解もない…

上半期一番の明るいニュース(?)

きのうの夕方6時半ころ―― 仙台行きの電車に乗って―― プロ野球・楽天イーグルスの試合を手元のネット端末でチェックしたところ―― イーグルスが 0-5 でリードを許していました。 初回に5点を失ったようです。 野球で5点は大差ですから、 (こりゃぁ、きょ…

専制主義国家を転覆させる正当性

いわゆる民主主義国家に、専制主義国家を解放する正当性は――例えば、独裁者が専制主義的に支配している国家を解放する正当性は――あるといえるか―― そんな議論を―― 10年ほど前に―― 僕より半周りほど若いアメリカ人の男性と―― したことがあります。 彼の主張は…

議論が得意な人は操られやすい

議論が得意な人は―― 議論で誰かを説得することに長けています。 それはそれで、よいのですが―― 実は―― それだけではありません。 議論が得意な人は―― 概して傾聴能力の高い人です。 よって―― 実は、議論で誰かを説得することだけでなく、誰かに説得されるこ…

戦時の格差是正

戦前・戦中生まれの人で―― 高等教育を受けていて、深い教養を身につけている人が―― ときに、誰かを口汚く罵ったり、唐突に乱暴な所作をみせたりすることがあって―― (なんでなんだろう?) と思うことがあります。 この“捻じれ”は―― 興味深いことに―― 戦後生…

夢の兵器

いわゆる核兵器の抑止力は、 ――攻撃は最大の防御である。 の原理に依っていると考えられます。 この抑止力が―― 20世紀中頃からの核兵器の開発競争によって、偶発的かつ不可避的に確立された概念であり―― それなりの実効性を備えていそうな概念であることを――…

表舞台の真ん中か端っこか

人には、表舞台で輝く人と、そうでない人とがいます。 そして―― 同じ表舞台で輝く人にも―― 表舞台の真ん中で輝く人と端っこで輝く人とがいます。 真ん中で輝く人は―― 個性の強い人です。 何事も自分に固有の手法や様式を持っていて、濃厚な存在感があって―― …

体力だけでなく気力の衰えにも備えて

人の体力は―― 年齢を重ねるごとに衰えるものですが―― 衰えるのは体力だけではありませんよね。 気力も衰えます。 気力の衰えとは―― 具体的には―― 他者への配慮ができなくなったり―― 感情や雰囲気に流されやすくなったり―― 気の利いたことがいえなくなったり―…

“認識の空中戦”は危険である

――自分の身の周りにある具体的な事物のみに関心を払って暮らすのがよい。 という考え方があります。 一見、狭量で偏屈な発想ですが―― そうではなくて―― この考え方の本質は、 ――“認識の空中戦”は危険である。 との警告です。 すなわち、 ――自分の身の周りか…

理想的な選挙

民主主義の政治において―― 選挙は言葉を踏まえます。 有権者は、候補者らの演説や討論の言葉を聞き、投票先を選びます。 が―― 政治は本来、言葉だけではありません。 結果も重要です。 政治における結果とは―― 法律や政策の決定および施行です。 よって―― 民…

政治に奇策は向かない

いわゆる有識者と呼ばれる人たちの中には―― 政治の世界に対し、ときどき、 ――奇策 を提案する人がいます。 アイディアとしては面白く、 (巧いこと考えるな~) と感心させられることが少なくないのですが―― 同時に、 (よりによって政治の世界に提案しなく…

狂っている考えの何が狂っているのか

非常に奇妙で狂っているとしか思えない考えであっても―― その考えの筋を、理屈に従って、順次、辿っていくと、 ――そんなに狂ってはいないな。 と感じられることが―― 多々あります。 では―― なぜ、その考えが奇妙で狂っていると思えたのか―― 実は―― その考え…

「独裁者は自分に都合の良い情報しか信じない」は本当か

――独裁者は自分に都合の良い情報しか信じない。 といわれます。 たしかに、そうであろう、と―― 僕も思いますが―― (「独裁者であるから、自分に都合の良い情報しか信じない」というわけではない) とも思っています。 (因果関係は、たぶん逆だろう) と―― …

数字を追うな。仕事を追え

――数字を追うな。仕事を追え。 と―― ビジネスの世界では、よくいわれます。 ここでいう「数字を追うな」とは、 ――ビジネスの収益を少しでも増やすために汲々としてはならない。 であり、「仕事を追え」とは、 ――ビジネスの状況を少しでも良くするべく努力は…

理想的な正論の掲げ方

理想的な正論を掲げて他者に迷惑をかけたり負担を強いたりするのは―― 人として、できる限り避けたほうがよいでしょう。 なぜか―― そうした迷惑や負担が快く受け入れられる可能性は―― きわめて低いからです。 …… …… そもそも―― 理想的な正論というものは―― そ…

真実を話していないとは限らない

何か重大な問題があって―― それについて何人かの関係者がいて―― それら関係者の証言の内容が随所で食い違っているようなときに―― 人は、 ――誰かが真実を話していない。 などといったりするものですが―― 実際には―― 必ずしも、そうとは限らないのですね。 …… …

対話のための対話よりも悪いこと

――対話のための対話は、するべきではない。 という話を―― よくききます。 たしかに、その通りですよね。 対話のための対話をしていると―― 最終的には―― 人は、何のために対話をしていたのかも、わからなくなります。 ですから―― 対話のための対話というのは…

まず経済、次に外交

経済でつまずいた為政者が―― 外交に活路を見出すのは、よくあることですが―― この方針転換は理に適っているといえます。 外交は―― 基本的には、交渉国の為政者やその周辺の外交官たちと向かい合う営みです。 相手にするのは、為政者や外交官たちといった個々…