いわゆる忖度は――
今年3月23日の『道草日記』で述べた通り――
対等な個人同士で行う分には、何ら問題はありませんが――
組織の中で、明確な上下関係や依存関係にある構成員同士で行う場合には、大いに問題があります。
責任の所在が曖昧になるからです。
これは――
あくまで組織論として問題なのであって――
倫理的ないし道徳的に問題なのかといわれれば――
判断は困難でしょう。
おそらく、大した問題とはなりません。
よって――
例えば――
この国で、有力な政治家の本音を幹部級の官僚らが忖度した結果、何か重大な政治案件が決着した場合には――
そこに――
ふつうの意味での倫理的ないし道徳的な問題を指摘することは、できません。
もちろん、法的な問題を指摘することも、できません。
が――
組織論としての問題を指摘することはできます。
つまり――
有力な政治家と幹部級の官僚らが結託して、責任の所在を曖昧にしたままで、何か重大な政治案件が決着した場合に――
そのように責任の所在を曖昧にするような組織の政府で、はたして問題はないのか――
という指摘です。
これは――
有権者である国民が総意として判断を下すことです。
その判断は――
その“有力な政治家”が立候補をする選挙によってしか――
下されえません。