マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

本当は必要のないもの

僕は10代の頃から、 ――人類社会にとって、本当は必要のないもの に、いたく魅せられています。「本当は必要のないもの」とは何か―― 例えば、娯楽ですね。 プロ・スポーツ産業は、人類社会にとって、欠かすことのできない営みではありません。 スポーツ観戦と…

本棚を整理するのが好きということは

僕は、本棚を整理するのが好きなのですが―― きょうも自分の部屋の本棚を整理しながら―― ふと、(これって、一種の権威主義だよな~) と感じました。 本の紙束の重量感や、幾多の背表紙の質感は、十分に人を圧倒しえます。 昔、どなたかの小説で―― 子が親の…

科学の成熟なくして科学技術の発展は

日本人は、科学(science)と科学技術(technology)とを一緒に考える癖がついています。 それは、歴史的には、致し方のないことでした。 明治初頭、日本人は科学を、科学技術の吸収を目的に、学んできた経緯がありますので―― が―― 科学と科学技術とは厳しく…

教育の原動力は

良い教師とは―― 教えることが、教わることよりも、はるかに簡単であると、わかっている教師です。 教えるということは、能動的で創造的な営みです。 何を教えるか、どの順に教えるか、色々と組み立てることができます。 が―― 教わるということは、受動的で隷…

適切に反論するには

誰かの意見に賛成するのは―― そんなに難しくないのですが―― 誰かの意見に反対するのは―― けっこう難しいことなのです。 適切に反論するには、豊かな語彙が要求されるからです。 反論に用いられる言葉の種類が豊富でないと―― 反論の主旨や根拠が、巧く伝わら…

いつも「引いてみな」

何ごとも、引き際が肝心です。 ――押してダメなら引いてみな。 などといいますが―― その「引いてみな」に気づくべきタイミングというのがあって―― これをつかむのが、なかなかに難しい―― 多くの人が、ベストのタイミングを逃してしまいがちなのです。 とっく…

なかなかに得がたい資質

例えば――天気の良い日に、草原に寝そべって、青空を見上げていたい―― と願望をもったとして―― その願望に、すぐにピトっと浸(ひた)れる人は―― たぶん、何がしかの才能に恵まれている人だと思うのです。 ――それは、どういう才能なのか。 と訊かれたら―― ち…

中学1年生が中学2年生に

中学1年生が中学2年生に敬語で話しかけているのを聞いていると―― なんとも、おかしく感じられるのです。 だって―― 13歳も14歳も同じようなものでしょう。 長幼の序なんて、あったものではない―― が―― 自分が中学生だった頃には、たしかに、そのような秩序…

自信があるということは

――自信 とは―― 過去の自分の決断に一片の後悔も紛れ込んでいないような心理状態をいうのだと思っています。「自信」と「後悔のなさ」とは、表裏一体です。 後悔がないから、自信が生まれる―― 自信があるということは、後悔がない―― 将来の自分に自信を持ちた…

もう少し似ていたら

いわゆる英会話についていうと―― 日本人にとって、いちばん難しいことは―― 日本人同士で、英語で話し合いをすることではないかと思っています。 ただのお喋りではなくて――話し合いです。 何らかの結論を出さなければならないとき―― 結論を出さなければならな…

「人の道」という言葉は

僕は、ときどき、 ――それは人の道に外れる。 なんていったりするのですが―― そのとき、ふと、(さて、「人の道」ってなんだろう?) と考え込むことがあるのです。 もちろん―― 常識的に解釈すれば、「人の道」というのは、たぶん、 ――すべての人に共有されう…

2年前の春が

きょう―― 以前、目にしたことのある業界誌の一部を、ひょんなことから再び目にしたのです。(これ、ずいぶん昔に読んだことあるやつだ~。懐かしい~) と思って―― その業界誌の発行日を確認したら―― なんと、2年前の春でした。(え~、たったの2年?) に…

わかりやすい理解は

わかりやすく理解するということは―― わかりにくいところを無視してしまうことに通じかねません。 例えば、現在の自分を取り巻く状況が、わかりやすく理解できるときに―― それは、その状況を正しく認識し、分析できているとは限らず―― 単に、その状況を矮小…

科学という名の思考の手続きの有効性を

――世の中のことを全て科学で解き明かせないのは自明だから、科学は信じられない。 という考え方があります。 僕は、この考え方を採りません。 なるほど―― たしかに、世の中のことを全て科学(自然科学)で解き明かせないのは自明です。 例えば、人の心と脳と…

買い物は楽しいか

――趣味は買い物 と答える人がいます。 とくに女性に多いように思います。 僕には、よくわからない感覚です。 買い物を楽しいと感じたことはありません。 なぜか―― 買った後で、成否の責任を問われるからです。 その買い物で、得をしたか、損をしたか、あるい…

小説家が物語を紡ぎだすとき

虚構の物語を楽しむには―― それなりの気力や体力が必要なのだと感じます。 虚構の世界や人物を理解し、受け入れ、それらに慣れようとする意志の力―― その意志を持続させる集中力―― その集中力を引き出す体調―― 逆にいうと―― 気力や体力が充実していないとき…

微分・積分のこと

数学には微分・積分という演算がありますが―― これは、とても巧妙に考案された手続きだと感じます。 僕は、この手続きを高校生の頃に習ったのですが―― 習った頃には、その巧妙さに全く気づきませんでした。 気づいたのは、大学に入って、学習塾でアルバイト…

時間の流れの「非対称性」

20年後は、すごく遠くに感じられるのに―― 20年前は、すごく近くに感じられる―― そんな、 ――非対称性 が―― 時間の流れにはあると思うのです。 もちろん―― この「非対称性」は、自身の記憶に根差した主観が醸し出す演出です。 20年前は、きわめて主観的に体験…

人が判断を誤るのは

人が判断を誤るのは―― たいていは、 ――我欲 が絡むときだろうと思います。「我欲」というのは―― 他の人たちはさておき、自分だけは(あるいは、自分たちだけは)どうにかして良い思いをしたい―― という欲求ですね。 僕自身のことを振り返っても、そう思いま…

「和をもって貴しとなす」の「和」とは

相手の主義・主張を本当はよくわかっていないのだけれども―― ときに、ただ微笑んで黙っているだけで、 ――あ、この人は、わかってくれてるんじゃないか。 と誤解させることができます。 もちろん、このような誤解は通常の社会規範に基づけば、けっこう迷惑な…

静脈認証

銀行でキャッシュ・カードを作ったら―― 静脈認証が必要だといわれました。 指の静脈には走行パターン(静脈の血管が指のどの部分を通っているか)があり―― それは個々人によって全く違うのだそうです。 よって―― それらパターンを採取し、データ化して保存し…

おかしみとユーモアと

駅のホームの待合室で、一人、電車を待っていたら―― 二人ずれの男子高校生が僕の斜向かいに座りました。 遅れて―― 一人の若い男性(おそらくは大学生か社会人か)が入ってきて、僕の隣の隣くらいに座りました。 きょうの宮城県地方は強風が吹き荒れていて―― …

自分が日本人であるということを

僕は、自分が日本人であるということを強く意識するようにしています。 とくに英語で日本人でない人と話をするときなどは―― 強く意識するようにしています。 それでも―― ときどき忘れることがあるのですよね、自分が日本人であるということを―― これは、大変…

自分の精神状態をコントロールすることで

去年の震災直後の僕が書いた文章を―― 先日、ふと読み返してみる機会があったのですが――(う~む) と思わず腕組みをしてしまいました。(これは、このときにしか絶対に書けなかった文章だな) と思ったのです。 自分の書く文章のテイストが、そのときの自分…

企業の経営手腕や官庁の統率能力も

20代であろうと60代であろうと、 ――社会に出るなら手に職を持て。 とか、 ――技術を持ってるやつが、強い。 とかといわれます。 反対に、 ――企業の経営手腕や官庁の統率能力は、本当の技術ではない。 とか、 ――「管理職」の「職」は「手に職を持て」の「職」…

その作詞家は本当に女性か

同じ詞をよんでいても―― それが男性によって書かれたものなのか、女性によって書かれたものなのかで、ガラっと印象は変わってきます。 いかにも男性の書きそうな詞が、男性の作者名で発表されれば、 ――なるほどね~。うまいね~。 で済まされてしまうのです…

作り笑いをしようとしない人たちに親近感を抱く

僕は昔から―― 作り笑いをしようとしない人たちを、即座に信じてしまうような癖があります。 幸いなことに―― 詐欺まがいな話をもちかけてくる人たちというのは、たいていは作り笑いをしますから―― おかげで、僕が即座に詐欺に引っかかるようなことは(少なく…

天気図が嵐への本能的恐怖心をやわらげている

くるとわかっている嵐なら、そんなに怖くはないのですが―― くるかどうかがわからない嵐は、けっこう怖いと思うのです。 現代は天気予報の技術が発達し―― すべての嵐の到来を予報できるようになっています。 TVをつけたり、ネットをのぞいたりすれば、いつ、…

いかにして悪意や蔑視を取り除けるのか

ジョークのセンスは―― その真意から、いかにして悪意や蔑視を取り除けるのか――に、かかってくるのだろうと思います。 悪意や蔑視の込められたジョークは―― たとえ、それがどんなに機知に富んだ技巧的なものであっても―― ただの悪口や嫌味になってしまいます…

社会人にとって真に大切なことは

社会人にとって真に大切なことは―― 世界中のどこにいても、世界の中の自分を意識できるかどうか―― だと思っています。 日本の首都圏の霞が関にいても―― 津波で被災した東北地方の沿岸部にいても―― ニューヨークの金融街にいても―― アフリカの山間部にいても―…