マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

人間を2つに分ける(11)

日本語では、 人間 = 身 = 心 + 体 である、と―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… ――心身問題 という問題があります。 哲学の伝統的な問題で―― 心と体との関係性を論じます。 英語では、 ――Mind-body problem と表記します。 英語の「body」は…

人間を2つに分ける(10)

人間を心と体との2つに分けることは―― 古今東西を問わず、常になされてきたことですが―― その際に、 ――心 や、 ――体 の定義が微妙に変遷していることには―― 注意が必要でしょう。 以下―― 日本語に限って述べますと―― ――心 とは―― 当初は、 ――情 のことであ…

人間を2つに分ける(9)

人間を心と体との2つに分ける話で―― 必ず思い浮かぶのが、 ――健全な精神は健全な肉体に宿る。 の慣用句です。 僕が子どもであった1980年代は―― 学校の偉い先生などが、運動会の挨拶などで、引用していました。 今日では―― この慣用句は誤用であることが広く…

人間を2つに分ける(8)

カルロス・ゴーンさんの逮捕劇で―― ずいぶん話がそれました。 この辺で、 ――人間を2つに分ける の話に戻りましょう。 …… …… 人間を心と体とに分けるという発想は―― 一見ごく当たり前の分け方です。 ――バランスのとれた絶妙な分け方である。 とみなす向きも…

後継の実態は半継半断

後継者問題が難しいのは―― 実は、 ――後継の難しさ でもあります。 誰が後継をするのかに世間の耳目は集まりがちですが―― 実際には―― どんな風に後継をするのかが、それ以上の問題なのです。 あらかじめ後継をさせようとする側は、 ――後継 を、 ――これまでの…

民主主義制度への懸念

歴史上―― 権力の集中に成功した人物が直面した問題は後継者問題であり―― その後継者問題を解決する最も有効な発想が、 ――民主主義 ではないか―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べましたが―― …… …… 実は、 ――最も有効な発想 というのは―― ちょっと…

後継者問題に最適な体制

人類の歴史を振り返ると―― 権力の集中に成功した人物たちの多くが―― 退き際を放棄しているようにみえる―― ということ―― そして―― その理由は、 ――後継者問題 にあるようだ―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… こと後継者問題に限っ…

退き際の放棄の理由――後継者問題

権力の集中に成功した人物には―― 少なくとも、この国の歴史では―― いずれも引き際がない――退き際を放棄しているようにみえる―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… では―― 他の国の歴史では、どうか―― …… …… ネットで軽く調べてみまし…

退き際の放棄

――退き際は難しい。 ということを―― おとといの『道草日記』以降―― 繰り返し述べています。 …… …… どれくらい難しいかを体感しようと思って―― 試みに―― この国の歴史で―― 権力の集中に成功した人物の退き際を―― いろいろと調べてみました。 ここでいう、 ――…

退き際の実学はあったか――美学ではなくて

カルロス・ゴーンさんの逮捕劇に触発されて―― いわゆる、 ――退き際 について―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… この“退き際”については、 ――美学よりも実学を―― といった主旨で―― 2年前の5月6日の『道草日記』に書きました。 すなわち、 ――美…

一連の逮捕劇の根っこにあるのは

きょうも『人間を2つに分ける』の話の続きを述べるつもりでしたが―― きのうの夕方に飛び込んできた、 ――カルロス・ゴーン、逮捕! のニュースが―― ちょっと衝撃的でしたので―― きょうは―― そのことについて―― …… …… 一報を知ったとき―― 真っ先に思い浮かべ…

人間を2つに分ける(7)

人間の体は、 ――袋 であり―― 人間の心は、 ――網 である―― ということを―― 4日前から―― この『道草日記』で繰り返し述べています。 …… …… たしかに―― 人間の体は“袋”で、心は“網”だと―― 僕は思っていますが―― それら“袋”や“網”は―― ふつうの袋や網とは、ちょ…

人間を2つに分ける(6)

人間を2つに分けるとすると―― ふつうに考えれば―― それは、 ――心と体 に分けるのが自然であり―― その際―― 人間の体は、 ――袋 であり―― 人間の心は、 ――網 である―― ということを―― ここ数日の『道草日記』で述べています。 こう述べると、 ――心身二元論です…

人間を2つに分ける(5)

人間の体は、 ――袋 である、と―― きのうの『道草日記』で述べました。 きょうは―― 人間の心について―― …… …… 人間の心は、 ――網 です。 言葉という“働き”によって繋がっています。 網は―― 網の結び目が1つだけあっても、網とはならないように―― 人間の心は―…

人間を2つに分ける(4)

人間(にんげん)の存在を考えるときに、 ――袋の体、網の心 ということを思う、と―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… 人間の体は、 ――袋 です。 皮膚という“かわ”からできています。 袋の中身の過半は水です。 だいたい37℃くらいの温度に保たれて…

人間を2つに分ける(3)

人間(にんげん)を2つに分けるとき―― 最もオーソドックスな分け方は、 ――心と体 に分けることである―― ということを―― おとといの『道草日記』で述べました。 ――心が体に宿って初めて人間である。 あるいは、 ――体が心を宿して初めて人間である。 というこ…

人間を2つに分ける(2)

人間(にんげん)を2つに分ける仕方には、 ――心と体 以外に、 ――男と女 や、 ――大人と子ども もある―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… ――男と女 に分けるのは、 ――人間は男だけでも女だけでも子孫を残せない。 ということに留意…

人間を2つに分ける(1)

――ヒト と記せば―― それは生物種としてのヒトであり、 ――人 と記せば―― それは社会的存在としての人であるのですが―― あえて「ヒト」と「人」との区別をつけたくないときには―― 僕は、 ――人間(にんげん) と呼ぶことにしています。 あくまで僕が使っている…

ヒト・人への観点を交叉させる

生物種としてのヒトの欲求には、 ――摂食欲求 ――睡眠欲求 ――排泄欲求 などの“生物的ないし生理的な欲求”と、 ――承認欲求 ――支配欲求 ――所蔵欲求 などの“社会的ないし心理的な欲求”とがある―― ということを―― 先月5日の『道草日記』で述べました。 …… …… 4日…

ヒトの闘争欲求がわからない政治家は

――政治とは社会の利害調整である。 ということを―― この『道草日記』では、たびたび述べていますが―― たまに―― 政治家でありながら、“社会の利害調整”に全く無頓着な人――あるいは、無頓着であるようにみえる人――をみかけます。 そういう政治家が外国の政治家…

ヒトの闘争欲求が政治に課すこと

生物種としてのヒトには、 ――闘争欲求 があり―― それが人の営みの全般に強い影響力を及ぼしている―― と考えることができます。 …… …… 人の営みの具体例として、 ――政治 を挙げましょう。 しばしば、 ――政治とは社会の利害調整である。 といわれますが―― その…

逃走か闘争か――ヒトが選ぶのは?

生物種としてのヒトに、 ――闘 や―― その派生である、 ――虐 を楽しめる性質があることは―― 生物種としてのヒトが、社会的ないし心理的な欲求の一つとして、 ――闘争欲求 を備えていることの表れであろう―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 …

闘も虐も欲求の一種

生物種としてのヒトが―― この地球上に、他に類をみない繁栄を築き上げえたのは、 ――闘 や、 ――虐 を楽しめる性質があるからだ―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… たしかに―― そう述べましたが―― もちろん、 ――闘 と、 ――虐 とを―― …

ヒトは闘も楽しむ

――虐 を楽しめなかったら―― 生物種としてのヒトは―― 今日のような繁栄は築けなかったであろう―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… 実は、 ――虐 以外にも―― ヒトは、あることを楽しめるから―― 今日のような繁栄を築けた、と―― 僕は考…

虐を楽しめなかったら、ヒトは……

生物種としてのヒトが、 ――ただ楽しむためだけに生殖欲求を満たそうとする存在 であり―― かつ、 ――虐を楽しめる存在 であるがゆえに―― サディズムやマゾヒズムなどの異常性欲が生じた―― というようなことを―― きのうまでの『道草日記』で述べました。 …… …… …

ヒトは虐を楽しめてしまう

生物種としてのヒトが、自身の生殖欲求を満たそうとするのは、 ――生殖を完遂させるため―― ではなく、 ――楽しむため―― である―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… 人類の対抗文化の中で―― サディズムやマゾヒズムの異常心理が生まれ…

ヒトは生殖欲求だけを満たそうとする

サディズムやマゾヒズムが生じるわけは、 ――生物種としてのヒトは、実際の生殖に結びつかなくても、生殖欲求だけは満たそうとする。 という命題の延長にある―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… この命題を―― きのうの僕は、ことも…

サディズム・マゾヒズムが生じるわけ

サディズムやマゾヒズムの心理が、なぜ生じるのか―― この問いに答えるのは―― けっこう大変です。 人によっては、 ――そんなの、答えようがないよ! と匙を投げるかもしれません。 ――手がかりをどこに求めたらよいかさえ、わからない。 と―― …… …… たしかに―― …

サディズム・マゾヒズムは性欲の異常心理か

――サディズムは加虐性欲であり、マゾヒズムは被虐性欲である。 というのが―― サディズム・マゾヒズムの常識論である―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 その前提は、 ――サディズムでは、“客体の被虐”は“主体の加虐”に起因し、マゾヒズム…

サディズム・マゾヒズムの常識論

――サディズムの本態は加虐性欲といわれているが、実は被虐性欲ではないか。 との疑念があることを―― きのうの『道草日記』で述べました。 もちろん―― 常識的には、 ――サディズムは加虐性欲であり、マゾヒズムは被虐性欲である。 と考えられます。 が―― これ…