マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

虐を楽しめなかったら、ヒトは……

 生物種としてのヒトが、

 ――ただ楽しむためだけに生殖欲求を満たそうとする存在

 であり――
 かつ、

 ――虐を楽しめる存在

 であるがゆえに――
 サディズムマゾヒズムなどの異常性欲が生じた――
 というようなことを――

 きのうまでの『道草日記』で述べました。

 ……

 ……

 では――

 なぜ生物種としてのヒトは、

 ――ただ楽しむためだけに生殖欲求を満たそうとする存在

 であり――
 かつ、

 ――虐を楽しめる存在

 であるのか――

 第一の問いについては――
 おとといの『道草日記』で詳述した通りです。

 簡単にいうと――
 女体の排卵の時期が女体自身にとっても他の個体にとっても感知不能であるがゆえに――
 自分たちの生殖を完遂させやすい時期が不明確であったから――
 です。

 このために――
 生殖行為に目的意識をもつことなく、ただの娯楽として生殖行為に邁進している個体が――
 長い進化の過程で生き残ってきた――
 ということですね。

 第二の問いについては――
 どうでしょうか。

 ……

 ……

 これについても――
 僕は、進化生物学的な発想が有効であると考えています。

 すなわち、

 ――虐を楽しめる個体だけが、自然淘汰に打ち勝って生き残ってこれたから――

 という発想ですね。

 もちろん――
 進化生物学にも色々な考え方があるようですが――

 もっとも常識的な考え方を採れば――

 現生の生物種であるヒトの祖先に、当初は、虐を楽しめる個体などは存在していなかったけれども――
 ある時、突然変異が生じ、そのような個体が誕生した――
 そして、その個体は、思いがけず子孫を数多く残すことに成功した――
 となります。

 ……

 ……

 ヒトは――
 この地球上で今日まで目覚ましい繁殖を遂げてきました。

 全個体数が70億以上――いずれの個体も体長は1m余りで、体重が30~100㎏――
 ほとんど全ての陸地に棲みつき、その生息圏は他の生物種を圧倒している――

 そんな生物種は――
 他にありません。

 そんな繁殖を可能たらしめた性質の1つに、

 ――虐を楽しめる

 があったのではないか、と――
 僕は思うのです。

 ……

 ……

 もし――
 虐を楽しめなかったら――

(ヒトは、こんなに勢いよく繁殖できたかな)
 と――
 僕は疑っています。