マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

風邪ウイルスはヒトの進化に寄与をしているか

 ヒトは、度重なるウイルス感染によって、脳の機能の一部が繰り返しアップ・グレードをされたことで、

 ――人らしい社会性の獲得

 を遂げたのではないか――

 ということを――

 きのうの『道草日記』で述べました。

 

 もちろん――

 これは僕の空想であり――

 今のところ、いかなる学術的根拠も見出せません。

 

 が――

 ウイルスがヒトの進化に何らかの寄与をしているのかもしれない可能性を具現してはいます。

 

 以上は――

 ウイルス全般についていえることです。

 

 では――

 風邪ウイルスについては、どうか――

 

 4日前の『道草日記』で――

 僕は――

 ヒトと風邪ウイルスとの関係を考え始めました。

 

 風邪ウイルスについては、

 (進化への寄与は、ほとんどないのではないか)

 と、僕は考えています。

 

 理由は、

 (ヒトの免疫をずいぶん活性化させているようだから――)

 です。

 

 ウイルスが生物種の進化に対し、何らかの影響を及ぼすには――

 その生物種の個体の生殖細胞に、ウイルスのもたらす遺伝情報が入り込まねばなりません。

 

 つまり――

 ウイルスが生殖細胞に感染をしないといけない――

 

 ――生殖細胞

 とは、次の世代に遺伝情報を伝える細胞のことです。

 具体的には、卵細胞や精細胞です。

 

 生殖細胞への感染は簡単に起こることではありません。

 

 生殖細胞がウイルスから余計な遺伝情報を注ぎ込まれたら――

 生殖細胞が正常に働かなくなり――

 次の世代が生まれてこなくなるかもしれません。

 

 それは、生物種にとっては、

 ――種の保存

 という観点から、実に深刻な危機です。

 

 よって――

 いかなる生物種も――

 生殖細胞への感染は、簡単には許しません。

 

 個体を形作っている普通の細胞――体細胞――に感染をすることは許しても――

 生殖細胞に感染をすることは許さない仕組みを備えているのです。

 

 その際たるものが免疫といってよいでしょう。

 個体の中に侵入したウイルスをできるだけ早く個体の外へ排してしまう仕組みです。

 

 生殖細胞に感染を起こすウイルスは――

 そうした仕組みを潜り抜けるはずです。

 

 当然――

 免疫の働きからも逃れるでしょう。

 

 風邪ウイルスは――

 明らかに免疫の働きから逃れることができていません。

 

 ヒトが風邪にかかって風邪の症状を覚えるのは――

 風邪ウイルスに対し、ヒトの免疫が反応をしているからです。

 

 よって――

 風邪ウイルスがヒトの生殖細胞に感染をしうるとは、ちょっと思えません。

 

 つまり――

 風邪ウイルスがヒトの進化に何らかの寄与をしているかもしれない可能性は、

 ――ほぼ、ない。

 といってよいでしょう。