ヒトが風邪ウイルスをプール(pool)するキャパシティ(capacity)は、この21世紀前半の現代において、すでに満杯なのか、それとも、まだ余裕があるのか、その点が気になる――
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
結論をいえば、
――どちらもありうる。
です。
すでに満杯になっているとも考えられるし――
まだ余裕があるとも考えられる――
……
……
参考になるのは――
ヒトがヒトになる頃よりも前――つまり、今から 3 万~ 10 万年前――に、どうであったか、でしょう。
この時期――
ヒトは――厳密には、ヒトの祖先は――今日でいうアフリカ大陸のみに生息していて――
ヒト属に含まれる他の生物種たちと共存をしていました。
が――
ある時に、
――人らしい社会性の獲得
を遂げたと考えられます。
この獲得は、ヒト属に含まれる他の生物種には起こらなかった現象で――
この時期に、ヒトは、格段の進化を遂げたと考えられます。
さて――
この頃のヒトについて――
風邪ウイルスをプールするキャパシティを考えてみましょう。
――ヒトの世代が完全に入れ替わる周期
は、おそらくは、
――約 30 年
ないしは、
―― 10 ~ 30 年
です。
一方、
――ヒトの生態の広がりの区域数
は、間違いなく、
――1つ
です。
つまり――
ヒトが風邪ウイルスをプールするキャパシティは、ヒトがヒトになった頃――つまり、だいたい今から 1 万~ 3 万年前――以後と比べると、
―― 3 分の 1 以下
であったはずです。
いいかえると――
ヒトは、今日でいうアフリカ大陸のみで生息をしていた頃に、格段の進化を遂げ、その後、地球上の全域に生態を広げることで、風邪ウイルスをプールするキャパシティを約 3 倍に増やした――
ということです。
ヒトがヒトになった以後のキャパシティは――
今日、知られている風邪ウイルスの種類が
―― 100 ~ 300 種類
であることから――
ヒトがヒトになる以前のキャパシティは――
ざっと、
―― 30 ~ 100 種類
であったと考えられます。
ここで――
あらためて、新種の風邪ウイルスの発生する頻度を考えてみます。
風邪ウイルスに限らず、ウイルスの進化は、ヒトの進化と比べると、段違いの速さです。
よって、新種の風邪ウイルスの発生する頻度は、3 年に 1 回くらいの高頻度であったとしても不思議はありません。
が――
ヒトには免疫がありますので――
新種の風邪ウイルスの候補ウイルスが発生をしても、多くは絶滅に追いやられているはずです。
では――
どういうときに絶滅に追いやられないかというと――
それは、
――ほぼ全ての個体に感染が蔓延をする
ときでしょう。
つまり、
――爆発的な感染
を起こすときです。
この“爆発的な感染”を起こす頻度は――
5月17日の『道草日記』で述べたように、
――ヒトの世代が完全に入れ替わる周期
に依存をしていると考えられます。
よって――
ヒトがヒトになる以前は、
―― 10 ~ 30 年に 1 回
という頻度です。
一方――
ヒトがヒトになった以後は、
―― 30 ~ 100 年に 1 回
という頻度であったはずです。
つまり――
ヒトがヒトになる以前は――
新種の風邪ウイルスは、3 倍の高頻度で発生をしていたにも関わらず、それをプールするキャパシティは 3 分の 1 しかなかったことになります。
しかも――
ヒトがヒトになる以前の期間とヒトがヒトになった以後の期間とを比べたら――
おそらく、ヒトがヒトになる以前の期間のほうが、はるかに長い――
5月18日の『道草日記』で述べたように――
ヒトが、ヒト属に含まれる生物種の1つとして、この地球上に出現をしたのは、だいたい今から 10 万~ 30 万年前と考えられています。
その後、だいたい今から 3 万~ 10 万年前に、“人らしい社会性の獲得”を遂げ――
その後、だいたい今から 1 万~ 3 万年前に、ヒト属の最後の生き残りとして、その生態を地球上の全域に広げたことで――
ヒトはヒトになったと考えられます。
よって――
ヒトが風邪ウイルスをプールするキャパシティは――
少なくともヒトがヒトになる以前は、
――満杯になっていた。
と考えるほうが自然です。
では――
その後は、どうなっているのか――
つまり――
ヒトがヒトになった以後では――
どうなのか――
……
……
それについては――
あす以降に――