マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「失敗が許されない」の深層にある過酷さ

――失敗をしないことが評価される。 というのは―― 一般には、 ――消極的すぎる。 とか、 ――建設的でない。 と否定的にいわれますが―― なかには、 ――決して失敗をしないことが評価される地位ないし役職 というのも存在しているようです。 どのような地位ないし…

妄言は失言とは違う

政治家などが、公の場で、いうべきでないことをいった場合には―― ほぼ必ずといってよいほどに、 ――失言だ。責任をとって身を引け。 などと批判されます。 その批判は、しばしば酷であり、ときに的外れです。 どういうことか―― …… …… そもそも、 ――失言 とは…

魂は実在するといってよい

人の魂は―― その人の体の中に宿っているのではなく―― その人の周りにいて、その人と関わりをもっている人たちの心の中に宿っている―― と考えるならば―― 魂は実在するといってよいでしょう。 もちろん―― その「実在する」といえる魂は―― 自分自身の心の中に宿…

自分のことを深く知ろうと思ったら

自分以外の誰か別の人のことを深く知ろうと思ったら―― その人だけをみるのではなく―― その人とその人の周りにいる人たちとの人間関係をみるのがよい―― といわれますね。 人間を知るには―― 人間関係を通して知るのが一番である―― という考え方です。 というこ…

「カッコいい」とは、どういうことか

人が、 ――カッコいい。 とは、どういうことか―― ときどき真剣に考えます。 現時点での僕の考えは、 ――その人だけが持っている能力や性質が限界にまで発揮されている様子 です。 鍵となる言葉は、 ――その人だけが と、 ――限界にまで との2つです。 あくまで…

「リスクをとれ」は言葉が足らない

――リスクをとれ。 と―― さかんに勧める人がいます。 言葉が足らないと思います。 言葉を惜しまずに―― きちんと言及をするのがよいと思います。 ――リターンに見合ったリスクをとれ。 というように―― …… …… つまり、 “ハイリスク・ハイリターン” か、 “ローリ…

何をいわないか

人の考えを深く探ろうと思ったら―― その人の発言をきくのではなく、その人の行動をみるのがよい―― といわれます。 たしかに、その通りで―― その人の“何をいっているか”は、ほとんど当てにならなくて、“何をしているか”のほうが、ずっと当てになる、と―― 僕も…

権力は、なぜ腐敗するのか

――権力は腐敗する。 といいますね。 19世紀イギリスの歴史家ジョン・アクトンの言葉です。 この言葉、アクトンが差し出した手紙の中の一節だそうで―― そのあとには、さらに有名な次の言葉が続きます。 ――絶対的な権力は絶対的に腐敗する。 …… …… なぜ―― 権力…

「策士、策に溺れる」の矛盾

――策士、策に溺れる。 といいますね。 ――策を弄することに長けている者は、策を弄しすぎて取り返しのつかない失敗をする。 くらいの意味です。 この言葉―― 僕は字義矛盾ではないかと思っています。 どういうことか―― …… …… ――策 は―― 当たり前ですが―― 人が…

結果論を嫌うべきか

何か物事の結果をみて―― その結果を導いた原因や因果関係を推認したり論証したりすることは、 ――結果論 といって―― ひどく嫌われます。 よって―― この結果論を提示する前に、わざわざ自分から、 ――結果論ではあるが―― などと断りを入れる人が―― 最近ずいぶん…

客観は虚構に過ぎないけれど

客観より主観が優先される―― そんな時代に、どうやら、なりつつあるようですね。 たしかに―― 客観という観点は、その実在を原理的には確認できず―― 確認できるのは、あくまで、 ――主観 であって―― それも、 ――自分自身の主観 のみです。 自分以外の誰か別の…

信頼関係の構築・維持の達人

人と信頼関係を築き、それを保つのが巧い人は―― 本音で話すのが巧い人です。 ここでいう「本音で話す」とは、 ――自分が本音で話すだけでなく、相手にも本音で話させる。 ということです。 決して「自分だけが本音」でも「相手だけが本音」でもないのですね。…

点的思考、線的思考、面的思考

思考には、 1) 認知 2) 論証 3) 創造 の3つの階層があると考えられます。 認知は論証の基礎で―― 論証は創造の基礎です。 既知の事実や論理を認知できるから論証ができ―― 既知の論証を未知の論証に活かせるから創造ができるのです。 これら3つの階層…

「カネは人を変える」の別の意味

ふだんは、いたってマトモなのに―― おカネが絡むと途端、マトモでなくなる人がいます。 いわゆる「食べていくのに……」の釈明が通用する程度なら―― まあ、よいのですが―― そうでない場合は―― 例えば、食べていくのには十分なおカネをすでに得ているにもかかわ…

知識を知恵に変える

――考えることが必要だ。 とか、 ――つねに考える習慣を! といわれます。 (たしかに、その通り――) と思うのですが―― では―― 具体的に、何をどうすればよいのか―― それが―― なかなかに、わかりづらいのですよね。 …… …… ――考える。 とは、 ――知識を知恵に変…

日本の老舗企業の挫折の遠因

いわゆる会社では、 ――経営陣は社員の上司ではない。 と考えるのが、よいのではないでしょうか。 上司でなければ、何なのか―― …… …… ――契約相手である。 と考えるのがよいと―― 僕は思っています。 ここでいう「契約」とは、もちろん―― 労使契約のことです。 …

なぜヒーローが公務員なのか

日本の子ども向け特撮番組に詳しい外国人が、 ――なぜヒーローが公務員なのか。 と疑問を抱くことがあるそうです。 (ヒーローが公務員?) と―― 一瞬、合点がいかないのですが―― たしかに―― 主人公が公的機関に属していると考えられる例が少なくはないのです…

良い質問が生まれる条件

良い質問をする能力とは―― とりもなおさず、文脈を的確に把握する能力です。 ここでいう「文脈」は―― きのうの『道草日記』で述べたのと同じ意味で―― すなわち、「時・場所・目的・経緯」を含めた拾い意味での「文脈」です。 もちろん―― 良い質問をするには―…

酷いようで実は面白い質問

いかなる質問にも文脈があります。 ここでいう「文脈」とは、 ――その質問の文が属している文脈 という狭い意味はもちろんのこと、 ――その質問がなされた時・場所・目的・経緯 も含んだ広い意味です。 この文脈が―― 質問をする者とされる者とで共有されない限…

「戦いをやめろ」といいながら

「戦いをやめろ」といいながら、戦いを挑む―― これから戦おうとする者たちに対し、その戦いをやめさせるべく、戦いを挑む―― 例えば―― ある国の大臣が暗愚の元首をそそのかして隣国に侵略戦争を仕掛けようとするのを―― その国の将軍が軍事クーデターを起こし…

日清戦争に歴史的な意義を持たせすぎると

明治維新後の大日本帝国が―― 自衛の大義を掲げ、結果的に朝鮮半島から中国大陸、東南アジアへと侵略を試みた経緯は―― 歴史が伝えるところです。 この一連の経緯の発端となった歴史的事象をどこに見出すか―― 今日、様々な見解が示されているそうですが―― おそ…

業績評価なのか提案評価なのか

――あの人は仕事ができる。 とか、 ――あいつは仕事ができない。 とかいいますが―― 一般的なビジネスの組織において―― 仕事ができる・できないの基準は決して一様ではありません。 仕事の評価の基準には―― 少なくとも2種類あります。 1つは、 ――業績評価 も…

言葉の綾は2つある

――言葉の綾(あや) という語句がありますね。 もともとは、 ――言葉の技巧的な用法 くらいの意味ですが―― 現代の日本語では―― なぜか、ほとんど一つの意味でしか用いられません。 例えば―― 友人を自分の発言で怒らせてしまったときに、 ――まあ、そう怒るなよ…

耐え続けるのではなく、正確に見積もる

AかBか、どちらかに決めたいのだが―― どちらに決めても、甚大な損害が出ると見込まれるために―― どちらにも決められず、宙吊りのような状態が延々と続いていく―― こうした状態に耐え続けることが―― 国家を率いる真のエリートには求められる―― そういう考え…

スポーツの残酷性

スポーツの醍醐味の一つは―― 勝ち負けが明確になることでしょう。 この醍醐味は―― 見方を変えれば―― かなり深刻な欠陥です。 勝者と敗者との明示的な区別は、いかなる理由があろうとも、人の心には過酷であり―― とりわけ敗者には、残酷な区別といわねばなり…

感情に流されずに生きるには

感情に流されずに生きるには、どうしたらよいのか―― ときどき―― 真剣に考えています。 感情は自身の心の内から、自然と湧いてくるものです。 自然と湧いてくるものを―― 湧かないようにするのは、不可能です。 ですから、 ――どうしようもない。 というのが―― …

国家論的性善説・性悪説

――日本国は性善説に立って戦争放棄を憲法で謳っているが、ほとんどの諸外国は性悪説に立っている。 などといわれることがあります。 大まかには、その通りですが―― 表現としては、やや不正確です。 何より、わかりづらい―― ――性善説 や、 ――性悪説 の意味す…

政府のデザインではなく

国のあり方は―― 政府がデザインをするのではなく―― 国民が勝手にワイワイガヤガヤと話し合い、あちこちでトライ&エラーを繰り返していくうちに―― 何となくデザインされていくものでしょう。 政府の仕事は―― それら国民の多種多様な試みを助けること―― さら…

この国の変え方はわかるようになるが……

10代や20代の頃は―― この国は、いくらでも変わるし、変えられる―― と感じておりました。 それが―― 30代を過ぎて40代にさしかかった今―― この国は、そんなには変わらないし、変えられない―― と感じております。 たぶん―― 50代や60代になる頃には―― この国は、…

誰を信用し、誰を信用しないかの判断が

誰を信用し、誰を信用しないかの判断が―― 人の世では、大変に重要ですね。 それと同じくらいに重要なのが―― 誰から信用され、誰から信用されないかの判断―― でしょう。 …… …… 誰かに信用されるには―― まず自分が相手を信用しなければなりません。 が―― いく…