――あの人は仕事ができる。
とか、
――あいつは仕事ができない。
とかいいますが――
一般的なビジネスの組織において――
仕事ができる・できないの基準は決して一様ではありません。
仕事の評価の基準には――
少なくとも2種類あります。
1つは、
――業績評価
もう1つは、
――提案評価
です。
業績評価とは、その組織の持ち場で、いかに努力を重ねて業績を挙げたか、という基準です。
提案評価とは、その組織の頂点の方に向かって、いかに有意義な提案を行ったか、という基準です。
当たり前ですが――
いくら業績評価が高くても――
それだけを理由に、その人を組織の頂点に近づける意味はありません。
提案評価の高い人をこそ、組織の頂点に近づける必要があります。
が――
業績評価は、既知の結果に基づいていて――
提案評価は、未知の展望に依っています。
提案評価の高い人を、組織の頂点に近づけた後で――
実は、その人の行う提案には実効性が乏しかった――
ということが明確に判明すれば――
その人を組織の頂点に近づける意味はありません。
……
……
一般的なビジネスの組織に身を置く場合に、
――仕事ができる。
の「できる」は、どちらを意味しているのか――「業績評価が高い」なのか、「提案評価が高い」なのか――を十分に吟味する必要があります。
業績評価は高いが提案評価の低い人を、提案評価が高いと勘違いしたら――
とんでもないことになりますし――
提案評価は高いが業績評価の低い人を、提案評価が低いと勘違いしたら――
もったいないことになります。