マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

小説のウソ

――ウソの小説はつまらない。 という話を―― よくききますが―― この、 ――ウソの小説 と、 ――小説のウソ とを―― 混同してはいけません。 「小説のウソ」には―― 注意が必要です。 …… …… ――小説の意義は、「虚構」という名のウソを使って何かを伝えることにある。…

10冊よむ 対 1冊を10回よむ

――本を10冊よんでも頭はよくならなが、1冊の本を10回よんだら少しは頭がよくなるかもしれない。 という考えがあるそうです。 どういうことか―― …… …… 本を10冊よめば―― そのぶん、幅広い情報に触れられることは間違いありません。 そうやって得られた情報が…

どちらの政治力も期待したから

民主主義国家において―― いわゆる政治力には、少なくとも2つあって―― 1つは、 ――不特定多数の部外者から幅広く支持を集める力 であり―― もう1つは、 ――特定少数の部内者から篤く信頼を取りつける力 である―― といわれています。 ここでいう「不特定多数の…

保守 対 リベラル ?

――リベラル という言葉は―― 今日、少なくとも、討論の場では――あるいは、政治を語る文脈の上では―― あまり用いないほうがよいようです。 この言葉―― もちろん、英語で「自由な」などを意味する「liberal」に相当するものですが―― もともとは、国家の権力に制…

政治家の生業は討論といわれる理由

討論を一進一退とするには―― 討論の対立軸に二律背反をもちこむだけではなくて―― (A)(B)双方の主張のしやすさ・しにくさを拮抗させる必要がある―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 このことを説明するために―― わざわざ、 (A) 朝食…

討論を一進一退とするには

討論を論理的に噛み合わせるには―― 討論の対立軸に、 ――二律背反 をもちこむことが有効である―― ということを―― きのうまでの『道草日記』で述べました。 が―― もちろん―― ただ二律背反であればよいということでもありません。 二律背反の主張(A)(B)につ…

二律背反が“論理の組み合い”を必然とする

討論が―― 討論として成り立つには、 ――二律背反 が必要である―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 互いに二律背反の立場で討論をすれば―― 感情の投げ合いとはなりにくく、むしろ、論理の組み合いにならざるをえないからです。 …… …… この“…

討論の初歩的ポイント――○○○○

討論は―― テーマが二律背反でなければ―― きちんとは成り立ちません。 つまり―― その討論の中で―― 一方が ――朝食にはパンがよい。 と主張する場合には―― もう一方は、 ――朝食にはご飯がよい。 と主張するのではなくて―― 必ず、 ――朝食にはパンがよいのではな…

選挙は戦争ではない

――選挙は戦争だ。 という人たちがいますけれど―― …… …… (いや、違うでしょ) と―― 僕は思います。 戦争は―― なんだかんだいって―― 結局は、 ――人と人とが殺し合う喧嘩 です。 例えば―― 戦争に討論の機会などは微塵もありません。 一方―― 選挙は―― なんだか…

喧嘩はするが討論はしない?

討論を生業(なりわい)にする人は、 ――討論はするが喧嘩はしない。 の規範を大切にするのがよい―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… たまに、 ――喧嘩はするが討論はしない。 という人をみかけます。 これは―― よいことではありませ…

討論はするが喧嘩はしない

議論を生業(なりわい)にする人は、 ――討論はするが喧嘩はしない。 の規範を―― 大切にする必要があります。 もし―― この規範がなくなれば、 討論を生業にする = 喧嘩を生業にする となってしまうからです。 これは大変です。 喧嘩は、少なくとも真っ当な生…

恋にまつわる最も大切なこと

恋の歌を、 ――何、当たり前のことを! といってバカにする人がいます。 あるいは―― 恋の物語を、 ――お決まりのパターンだ。 といって見下す人がいます。 たしかに―― それは、“当たり前”の歌であったり、“お決まり”の物語であったりします。 が―― 僕は首を傾…

生殖機能と生殖欲求とは、おそらく

この1か月ほど―― 『道草日記』では、 ――恋 から始まって、 ――死 へと話が移り―― ついには、 ――餓 ――滅 へと話は広がりましたが―― 結局―― もっともいいたかったことは、 恋 ≒ 生殖欲求 の図式です。 この図式について―― きょうまで、あまり言及してこなかっ…

「生老病死」よりも広い視野で

人として暮らす以上―― 避けることのできない苦悩は、 ――生老病死 の四字熟語で―― 言い習わされていますね。 死:死ぬこと 老:老いること 病:病むこと 死:死ぬこと です。 …… …… この「生老病死」よりも、 ――餓恋死滅(がれんしめつ) のほうが―― 僕には、…

死や恋に意味を求めたがるわけ

ヒトの存続や本能に関わる4分割表、 存続の本能 存続の停止 個としてのヒト 餓 死 種としてのヒト 恋 滅 を眺めていて―― やはり気になるのは―― (なぜ右上と左下だけのか) ということです。 つまり、 (人は、なぜ餓や滅は、それほどには気にせず、死や恋…

滅を思え?

生物種としてのヒトの存続や本能に関わる4分割表、 存続の本能 存続の停止 個としてのヒト 餓 死 種としてのヒト 恋 滅 を―― 4日前の『道草日記』以降―― 繰り返しお示ししています。 …… …… ――死を思え。 という言葉がありますね。 もとはラテン語で、 ――Me…

恋 vs 愛 = 餓 vs ?

――餓(うえ) と、 ――恋(こい) との比較について―― きのうの『道草日記』で触れました。 …… …… 一方―― 先月上旬以来―― 僕は―― この『道草日記』で、 ――恋は情動であり、愛は意思である。 ということを―― 繰り返し述べています。 ここで―― 素朴な疑問として…

餓(うえ)と恋(こい)との比較

生物種としてのヒトの存続や本能に関わる4分割表、 存続の本能 存続の停止 個としてのヒト 餓 死 種としてのヒト 恋 滅 を―― おとといの『道草日記』でお示ししました。 …… …… この4分割表をみていると―― さまざまな疑問が湧いてきます。 第一には―― きの…

なぜ死や恋だけなのか

――死 や、 ――恋 の概念と並んで、 ――餓 や、 ――滅 の概念についても―― きのうの『道草日記』で述べました。 存続の本能 存続の停止 個としてのヒト 餓 死 種としてのヒト 恋 滅 の4分割表もお示ししました。 一方―― おとといの『道草日記』では、 ――死 と、…

死と恋との共通点

――死 と、 ――恋 とでは―― 決定的な違いが、少なくとも2つある―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 ――体験可能性の有無 と、 ――体験頻度の有無 との2つです。 が―― 違う点を指摘する前に―― 同じ点を指摘するべきでした。 ――死 と、 ――恋 …

死と恋と――決定的な違い

――死 も、 ――恋 も―― 人にとって抜き差しならない観念であることは―― 3日前の『道草日記』で述べました。 どういう意味での「抜き差しならない」かというと、 ――そのことについて、ひとたび考え、悩み始めたら、容易には抜け出せない。 という意味です。 い…

死顔に恋慕を募らせる

死や恋を、 死を意識する ⇒ 恋が激しくなる 恋が激しくならない ⇒ 死を意識しない に適(かな)う描き方で扱うと―― 物語は強固な現実感を放ち―― そうでない描き方―― つまり、 死を意識する ⇒ 恋が激しくならない 死を意識しない ⇒ 恋が激しくなる 死を意識し…

死や恋が奇抜な虚構感を放つとき

恋 ≒ 生殖欲求 の図式を導入すると、 ――死 と、 ――恋 とが結び付く―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 …… …… 「死」も「恋」も―― 人にとっては、抜き差しならない観念ですが―― それは―― 古今東西あらゆる物語の中で―― これら2つの観念が…

死と恋とを結ぶもの

危機感覚が強まる ⇒ 恋が激しくなる 恋が激しくならない ⇒ 危機感覚が強まらない という2つの命題を―― きのうの『道草日記』で述べました。 ここでいう「危機感覚が強まる」とは、 ――自身の個体の生存が脅かされているという感覚が強まる。 ということです…

恋が激しくなるとき、ならないとき

危機感覚が強まると―― 人は、 ――生殖欲求が強まる。 と考えられています。 人は―― 個体の生存が脅かされていることを感じとれれば―― 生物種であるヒトとして、何とか子孫を残そうと本能的に躍起になるため―― と説明されます。 以上を単純に記述すると、 危機…

生殖欲求は低俗か高尚か

恋 ≒ 生殖欲求 の図式のもとで、 ――恋は体の触れ合いを度外視できない。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 思いっきり簡単にいってしまえば、 ――恋は体のこと―― ということです。 …… …… この言葉―― 見方によっては―― 恋のことを低め、体の…

恋は体の触れ合いを度外視できない

――恋は、心の作用ではなく、体の反応である。 ということを―― この『道草日記』で繰り返し述べておりますが―― このことの真意は、 恋 ≒ 生殖欲求 の図式を踏まえると―― わりと具体的に、わかってきます。 …… …… まず―― 指摘しておきたいことは―― 生物種には―…

恋と“恋のクセ”とを混同してはいけない

――恋は、理想の人物像を見出そうとする心の働きだ。 という主張をみました。 ――どうしても理想を追い求めすぎてしまうので、キリがない。 とも―― …… …… この主張は―― 僕にいわせると、 ――恋の本質を見落としている。 となります。 ――どうしても理想を追い求…

恋の本質がみえなくなるとき

――恋に恋をする。 という表現がありますね。 だいたいは―― まだ本格的な恋を経験していないような若い人が、 ――私も早く恋がしたい。 と乞い願ったり、 ――恋って、きっと素晴らしい! と思い込んだりすることを指します。 が―― …… …… もし、 恋 ≒ 生殖欲求 …

現実の恋、虚構の恋

恋には、 ――現実の恋 と、 ――虚構の恋 とがある―― といったら―― ――何のこっちゃ? と訝(いぶか)る向きは―― 少なくないでしょう。 ――「現実の恋」も「虚構の恋」も、言葉の意味としては、あまりにも曖昧で、よくわからない。 との批判も集まりやすい―― …… ……