マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

10冊よむ 対 1冊を10回よむ

 ――本を10冊よんでも頭はよくならなが、1冊の本を10回よんだら少しは頭がよくなるかもしれない。

 という考えがあるそうです。

 どういうことか――

 ……

 ……

 本を10冊よめば――
 そのぶん、幅広い情報に触れられることは間違いありません。

 そうやって得られた情報が記憶として残れば――
 多少なりとも知識は増えるでしょう。

 が――
 知識が増えても――
 それで、

 ――頭がよくなる。

 ということはありません。

 ここでいう「頭がよくなる」とは、

 ――以前は採れなかった考え方が、今では採れるようになっている。

 ということです。

 ……

 ……

 一方――

 1冊の本を10回よめば――
 どうか――

 その1冊の本に書かれてある情報は限定的ではあるものの――
 その限定的な情報は、かなり記憶として残るでしょう。

 つまり――
 限定的ながらも、知識が増えることは間違いありません。

 が――
 それ以上に重要なのは――
 1冊の本を10回よめば、

 ――その本の筆者の考え方が、しぜんと身につく。

 ということです。

 このことは――
 必然的に――
 新しい考え方が身につくことを意味します。

 つまり、

 ――以前は採れなかった筆者の考え方が、今では採れるようになっている。

 ということです。

 これは――
 その筆者の考え方が身につく分、頭がよくなることを意味します。

 よって、

 ――本を10冊よんでも頭はよくならなが、1冊の本を10回よんだら少しは頭がよくなるかもしれない。

 といえるのです。