マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

強い政治家

政治家の仕事は―― 僕ら有権者の立場からすれば―― 公利公益の確保ですが―― 政治家も人である以上は―― 私利私欲とも決して無縁ではありません。 これら公利公益と私利私欲とを―― 巧い政治家は―― 切り離します。 自分の利益を考えず―― 自分の欲求を抑え―― 自分…

ネット社会が壊したもの

ネット社会が作り上げたものは、いくつもあると思いますが―― ネット社会が壊したものも、いくつかありますよね。 壊したもので―― 看過できないものが、 ――活字の権威 でしょう。 「活字の権威」とは、 ――活字で表された情報を受けたときに感じる情報や情報源…

「それは、そうだろう」なら読まない

新聞や雑誌のコラムなどは―― 基本的には、見出しをみてから、読むか読まないかを決めるものだと思いますが―― その見出しから感じとれる筆者や編者の主張に―― 僕は、いつも着目するようにしています。 その主張が、 (それは、そうだろう) と、すぐに納得で…

“まさか”と思ったら

――人生には3つの坂がある。上り坂、下り坂、そして、“まさか”である。 という話は―― 比較的、年配の人が、結婚式のスピーチなどに取り入れるものとして知られています。 この話―― 僕は、修辞の観点からは、大変に気に入っているのですが―― 少々お説教くさい…

「脇役→主役」の注意点

いつも脇役に徹している人が主役になる話をきくと、 (いいなぁ) と思います。 が―― 一つ注意が必要です。 いつも脇役に徹している人が主役になることと―― 単に脇役が主役になることとは―― 別の話です。 とくに―― 組織の運営の場では―― これらの違いを無視…

「李下に冠を正さず」の「李下」とは?

政治家が収賄などの疑惑をかけられているときに―― 決まって世間で取り沙汰される故事成語に、 ――李下に冠を正さず。 があります。 意味は、 ――誤解を招くような行動はすべできはない。 という戒めです。 この言葉を―― 僕は小学生くらいのときに知りました。 …

「平賀源内」も知らなければ完璧

きょうは、 ――土用の丑の日 ですね。 この日になると―― いつも思い出すことがあります。 …… …… 土用の丑の日には―― うなぎを食べるのがよいとされますが―― このことを最初に唱えたのは―― 江戸期の多能の学者・平賀源内であるといわれています。 本業は本草学…

優れた歌の特徴

優れた歌は―― 次の言葉を予測させません。 例えば、 ♪死にたいくらい…… と唄われたら―― 聴くほうは、 ――死にたいくらいに苦しいのかな? と思うものです。 そこへ、 ♪……つらい と唄うと、 ――やっぱり……。 と、聴く者の興を醒ましてしまいます。 …… …… そうで…

「批判」の2つの意味

――あなたは人の話を批判的にききますか。 と訊かれて、 ――はい。 と答えたところ―― 露骨に嫌な顔をされたことがあります。 10年くらい前のことです。 …… …… まあ―― 無理からぬことですね(笑 …… …… ――批判 というのは―― 元々は、 ――物事を検討し、批評したり…

人生を楽しむ、人生に苛まれる

概して―― 人生を楽しんで生きている者は、周りの人たちに対して寛容で―― 人生に苛まれて生きている者は、周りの人たちに対して狭量です。 ある大病院の院長を長年にわたって務められ―― その後は名誉院長として、その病院に引き続き勤務されていた方がいらっ…

偶然の一致が無数に起きている

意味のある偶然の一致を、 ――シンクロニシティ(synchronicity) と呼びます。 ――共時性 という訳語が用いられることもあります。 このシンクロニシティに超自然的な因果関係を見出そうとするのは―― 当たり前の人情です。 例えば、 ――疎遠となっていた友人…

絶筆の凄み

人は、自分の死期が迫っていることを悟ると、より強く死後のことへ思いを馳せるようです。 ちょうど―― 港の埠頭の先まで近づくと、より強く沖合の方へ思いを馳せたくなるように―― …… …… おとといの『道草日記』で触れた―― 老随筆家の絶筆となったエッセイを―…

死 = 生 (?)

――「いかに死ぬか」は、「いかに生きるか」と同じである。 と、しばしばいわれます。 この命題を―― ふつうに解釈すると、 死 = 生 となって、 (なんのこっちゃ?) と戸惑うのですが―― ここで―― 数学的ないし図形的な発想を取り入れると―― 解釈が容易にな…

それが絶筆ならば

過去を思って書かれたと思われる文章と未来を思って書かれたと思われる文章とでは―― 読み手の気持ちが、ちょっと違ってきます。 過去を思って書かれた文章は―― 何となく、ゆったりとした気持ちで、楽な姿勢で読み進めたいし―― 未来を思って書かれた文章は―― …

「なぜ理想を追わぬ?」の危うさ

理想と現実との板挟みにあって―― 理想を尻目に、現実と奮闘をする人に向かって、 ――なぜ理想を追わぬ? と叱責をすることには―― 危うさが潜みます。 そうやって奮闘をする人の姿勢を―― ただ理想を追わないという理由だけで―― 例えば、理想には目もくれずに、…

「修羅の道」の罪つくり

――修羅の道 というと―― 何だかカッコいい響きがありますが―― その真意は―― かなりカッコわるいといえるでしょう。 …… …… この言葉―― たいていは、仏教でいう六道の一つ、 ――修羅道 を指します。 仏教では―― 命ある者は六つの世界をさまよいつづけると考える…

同情できる“知ったかぶり”

いわゆる知ったかぶりには―― 少なくとも2種類あると考えています。 ひとつは、 ――自分の知識の確かさや豊さに自信をもち、その自信を守ろうとする“知ったかぶり” で―― もうひとつは、 ――当然もっているべき知識がなく、そのことをとっさに隠そうとする“知っ…

詰まらない答えは暗示的に

完全に公平かつ公正で、中立的な発言は―― ぜんぜん面白くないものです。 例えば、 ――男の子の赤ちゃんと女の子の赤ちゃんと、可愛いのはどちら? と訊かれて、 ――どちらも可愛い。 と答えるのは―― たぶん、完全に公平かつ公正で、中立的な発言の典型ですが――…

「役不足」が誤用されるわけ

――役不足 という言葉があります。 ――役目が力量に比べて軽すぎる。 という意味です。 例えば、 ――その仕事は、あの人には役不足だ。 などといいます。 この場合―― 「あの人」は素晴らしい力量の持ち主なので、「その仕事」を任せるのは、もったいない―― とい…

源頼朝の死に方:病死か暗殺か

人は―― よくわかっていることについては―― ホントのことを書いたり、述べたり―― ときには―― ウソのことを書いたり、述べたりするものですが―― よくわかっていないことについては―― ホントのことを書いたり、述べたりするのは、もちろんのこと―― ウソのことさ…

源頼朝の死因(続き

源頼朝が、 糖尿病 → 脳卒中 → 落馬 → 半月ほど臥床 の経過で亡くなったのではない―― とすると―― どんな経過が考えられるのか―― キーワードは、 ――暗殺 です。 つまり、 襲撃 → 落馬 → 負傷 → 半月ほど臥床 の経過で亡くなった―― ということですね。 歴史小…

源頼朝の死因

――源頼朝の最期の様子は詳しく伝わっていない。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 具体的には、 ――死因が、よくわかっていない。 のですね。 数え53歳の年に、相模川の橋供養に出席をし―― その帰り道に、乗っていた馬から落ちて―― 半月ほ…

日本の歴史が僕は好きで(続き

小学校の低学年のときに、 ――歴史上の人物の伝記を読もう。 という宿題が出て―― クラス全員で学校の図書室に向かったことがあります。 洋の東西を問わず、歴史上の人物であれば、誰の伝記でも良かったのですが―― 僕は、どういうわけか遅れて図書室に入ったた…

日本の歴史が僕は好きで

日本の歴史が僕は好きで―― いろいろな本を読み、さまざまな話をきいて―― 史上有名な出来事や人物の多くをそれなりに知っているつもりなのですが―― それでも―― ふとしたことで、まったく知らない出来事や知らない人物にいきあたることが珍しくありません。 例…

「治水工事」ではなく「灌漑工事」

きのう深夜、九州地方の大雨や水害のニュースをテレビでみていて―― 言葉を失いました。 僕が住む東北地方でも、多少の雨は降りましたが―― 身の危険を感じるほどでは、とうていなく―― 被害地域の惨状は、想像することさえできませんでした。 そのニュースをみ…

起業は治水工事のよう

だいたい30歳になるくらいまでに―― 人は、世の中のカネの流れを理解するようになる―― といいます。 それを理解した後で―― 人は、だいたい2通りに分かれるそうです。 一つは―― 既存のカネの流れに巧く分け入って、自分の懐へカネを引き込もうとする人たち―― …

「きょうまで何年」は「きょうから何年」へ

40歳くらいまでは、 ――自分は、きょうまで何年、生きてきたか。 に注意が向くのに対し―― 40歳くらいからは、 ――自分は、きょうから何年、生きていくか。 に注意が向く―― という話を聞いたことがあります。 40歳くらいまでは、「きょうまで何年」に注意が向く…

日本の中間管理職は、なぜ暴走するか

日本の組織では―― 現場を掌握している中間管理職が、時に暴走をして―― 短期的には多大な利益を得るものの―― 中・長期的には多大な損害を被る―― ということが、よくあります。 時には―― 再起不能の損害を被ることも―― 決して珍しくありません。 これは―― 日本…

待ち合わせの相手が遅刻をしたときに

人が怒るときは―― たいていは、自分の思い通りにならないときですが―― そうではなくて―― 自分が、どうしたらよいのかわからないときにも―― 人は怒りを覚えるようです。 例えば―― 待ち合わせの相手が遅刻をしたときに―― 相手から、事前に、どれくらいの遅刻に…

人工知能と人間と、どちらが高度か

いわゆる人工知能は、人間が投げかける問いに答えは出しますが―― その答えになぜなるのかの理由については、何の説明もしません。 答えの理由は―― 人間が自分で考え、見出さなくてはならないのです。 人工知能は答えしか出さないということを―― 僕ら人間は、…