きょうは、
――土用の丑の日
ですね。
この日になると――
いつも思い出すことがあります。
……
……
土用の丑の日には――
うなぎを食べるのがよいとされますが――
このことを最初に唱えたのは――
江戸期の多能の学者・平賀源内であるといわれています。
本業は本草学(アジアで発達した医薬の学問)であったようですが――
医者としてはもちろん、地質学者や蘭学者、あるいは、発明家や文芸家としても、活動をした学者です。
……
……
大学生の頃――
土用の丑の日に――
酒席で――
次のような場面に遭遇しました。
友人が、別の友人に、
――「土用・丑の日に、うなぎを食べよう」と最初にいった人、誰だか知ってる?
と訊かれ、
――いや。オレ、そういう知識、ぜんぜんないから……。
と首を横に振ったところ、
――平賀源内だよ。それくらい知っとけや!
と茶化されて――
その友人は、
――え~? 平賀源内? あちゃ~!
と天を仰いだのですね。
曰く、
――「平賀源内」も知らなければ完璧だった。
と――
……
……
知識を誇ることの愚かさを――
これほどユーモアたっぷりに指摘した事例は――
他に知りません。