マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

普通の男は

今日の朝7時に、仙台駅で電車に乗って発車を待っていたら―― 若い男女一組が、両脇にミッキーマウスの袋を幾つも抱えて電車に飛び乗ってきた。(は?) と思った。 夜9時の東京駅ならわかる。 昼間、ディズニーランドやディズニーシーで思いっきり遊んだ後、…

14歳じゃない!

中学生だった頃―― 当時、尊敬していた作家さんが、 ――大人だって子供だったときがあったんだ! と、ちょっと息巻いておられたのを、よんだことがある。 たしか御自著のあとがきか何かでのことだった。 御自分が創作した14歳くらいのキャラクターに対し、 ――…

他者との対話に重きを置く

人間の一番やっかいな点は、 ――みたいと思うものしか、みえない。 ということではなかろうか。 自分がみたくないものは―― たとえ、それが目の前に置かれても―― みえなかったりするのである。 人間は過ちを犯す生き物だが―― その根本は、たぶん、 ――みたいと…

芝居ができない女優でも

最近は、ただ美しいだけの女優さんに、ずいぶん寛容になっている。 10年くらい前は違った。 かなり非寛容だった。(芝居ができない女優など、クズだ!) と、本気で思っていた。 それが、(まあ、いいか。許すよ) に変わっている。 歳をとって丸くなったと…

作家・内藤みかさんのこと

『奥さまは官能小説家』という本がある(幻冬社文庫、2004年) タイトルからすると、一見、官能小説風だが―― 実はこれ、エッセイである。 作家・内藤みかさんが、御自分の私生活を赤裸々に綴ったものだ。 この本を書店で最初に手に取ったときは、まず驚いた…

真剣に生きてみる

世の中を、ちょっとでも真剣に生きてみるだけで―― 良いことが起これば、悪いことも起こる―― 悪いことが起これば、良いことも起こる―― そういう人世の真理を、わりと痛切に実感することができる。 本当に―― どちらかだけということは、ないものだ。 良いこと…

暖冬の気持ち悪さ

去年の年の暮れまでは―― そんなに酷い暖冬にはなりそうもないと思っていたが―― 昨日は、春のような暖かさだった。 ――やっぱり暖冬だな。 と思った。 が―― 今朝は寒さで目が覚めた。 気が付くと、毛布が一枚、ベッドから落ちている。 寒さで目が覚めるという…

1人で食事をとっていた

高校時代、昼食は学食でとっていた。 それを、母が嫌がった。 ――なるべく弁当を持っていけ。 という。 弁当を拒んだのは、母のためでもあった。 通学には片道2時間を要した。朝は早くに家を出ねばならなかった。 弁当を拒むことで、母の負担は減った。 それ…

惹かれあった二人が

惹かれあった二人が心を通わせたあと―― いったい、どうなるか。 ここ数年、そういうことを考えている。 話を男女の仲に限るつもりはない。 一般に―― Aという人とBという人とが出会い―― 互いに惹かれ、触れあって―― 魂同士をぶつけたあとで―― いったい何が起…

覆面作家企画2

当サイトの『客間』に頻繁にいかれる方は、すでにお気づきでしょうが―― 先頃、小説にまつわる面白い催し物が開かれました。 覆面作家企画2『わたしは だあれ?』 といいます。 一つのテーマで書かれた作品を集め、書き手のサイトと併せて掲示し―― どの作品…

心脳問題の困難/道草随想

『道草随想』を更新しました。 タイトルは、 ――心脳問題の困難 です。 リンク「道草随想のページ」より御覧になれます。 * 最近、再び心脳問題に関心が向かいつつあります。 といっても―― 以前の僕が好んでいたような神経科学的なアプローチでも―― 理論科学…

小説とは何だろう?

(小説とは何だろう?) と、あらためて考えた。 小説とは、物語を伝える手法の一つである。 文芸的な手法だ。 もちろん―― 実際には、そう単純には割り切れない。 例えば、伝えられようとしている物語が希薄であり、その手法の文芸的側面のみが強調されてい…

人間の縁

僕たち人間は、同じ時代の同じ社会に暮らし、決して浅からぬ縁で結ばれて生きているけれども―― よく考えれば―― お互いのことは、信じられないくらいに知らないままでいる。 いつも職場で一緒になる同僚―― 毎朝、同じ電車で通う同級生―― 頻繁に世間話を交わす…

今年は振り回されなかった

昨日はバレンタイン・デーだった。 今年は久々に誰からもチョコレートをもらわずに終わった。 複雑な気分である。 誤解のないようにいっておくと―― 今年はスケジュールの関係で、単にチョコレートをもらい得る機会に遭遇しなかっただけである。 去年まで義理…

科学の面白さ

科学の面白さは、 ――どこまでが、わかっているか。 にはなく、 ――どこからが、わかっていないか。 にある。 例えば―― ミトコンドリア・イブという概念がある。 ミトコンドリアとは、細胞内部の小器官だ。 独自の遺伝情報をもっている。 その遺伝情報を解析す…

普通に働き、普通に子供を育てる

――どんな人生にも、敬意を払えないことはない。 と、本気で思う。 人は―― 生きていくだけで、大変だ。 ただ生きているだけで、人は腹がへる。 腹がへると、ツラい。 ツラい思いをしないために―― 人は働く。 子を成せば、さらにツラくなる。 腹がへるのは、自…

今年が七回忌に

時の流れは速い。 父が亡くなり―― 今年が七回忌にあたる。 命日は11月なので、法事自体は、だいぶ先の話だが―― 準備はしておかなくてはならない。 今日、お寺さんの御都合を伺った上で、七回忌の法要を、父の命日に営んで頂くように、お願をした。 * よく、…

釈迦の教え

――釈迦の教えは、宗教というよりは、哲学や思想に近い。 と、作家の新井満さんはいう。 その通りと思う。(だから、僕は、仏教にだけは、なじめるんだ) と―― 新井さんというのは―― 去年のNHK紅白歌合戦で話題になった『千の風になって』を書いた作詞・作曲…

人間の直感力

人間の直感力というのは―― 実にスゴいものだと思う。 先日、税務署にいって確定申告に必要な書類を作成し、窓口に提出しようとしたときに―― なぜか、妙にイヤな予感がした。 その予感が、落ち着きのなさにつながり―― 僕は意味もなく書類を作成した机の周囲を…

世捨て人は世を拾う

電車に乗って、ぼおっと窓の外を眺めていると―― 生活上の重大問題も些細に思えるときがある。(ひもじい思いをすることもなく、こうして、ただ座っているだけで、自然の景色の移ろいを眺めることができるのだ。いったい、これ以上の何を望むべきだというのか…

いわゆる捏造問題について

いわゆる『あるある大辞典』の捏造問題について、強く思うのだが―― 原因は高校までの理系教育にある。 現在、高校までの理系教育には深刻な欠陥がある。 ――実験がない。 ということだ。 それらしきものはある。 教科書の写真を実践するような「実験」だ。わ…

ファンタシーと文芸の本質と

――小説 といえば、ファンタシー小説のことであった。 なぜ、「ファンタシー」が「小説」の代名詞になってしまったのか―― 自分でも、よくわからずにいる。 ファンタシー小説以外の小説は、どうも物足りない。 例えば、ミステリ小説などは、読んだあとに必ず、…

白湯を飲んでいる

最近、白湯(さゆ)を飲んでいる。 朝、起きて一杯―― 昼間、食事をとるときに一杯―― 夜、風呂からあがって二、三杯―― 以前はペットボトルのお茶を飲んでいた。 冷たいものだ。 が、去年の秋口あたりから、どうにも体の調子がおかしくなり―― 冷たいペットボト…

物語のヒロインが放つ色気

物語のヒロインが色気を放つためには―― まず、その物語が緊張感で漲(みなぎ)っており―― かつ、その緊張感に、物語のヒロインが相乗しなければならない―― と思っている。 物語が緊張感で漲っているとは―― 簡単にいえば―― 物語の受け手を、何らかの形で切迫…

文芸で茫然自失になったこと

10代の頃に、村上春樹さんの『ノルウェイの森』をよんで、茫然自失となった夜を―― かすかに覚えている。 あの時のような感動を味わうことは、たぶん、もうない。 ちょうど同じ頃―― 現代文の先生が、授業中にポツリと呟かれたことが、忘れられない。 曰く、 ―…

文章の巧拙

俗に、 ――巧い文章、下手な文章 などという。 文章に巧拙があることには、とくに異論もないであろう。 が―― この巧拙を、どうやって判定するかは、大問題である。 ――自分の好きな文章は巧く感じられ、嫌いな文章は下手に感じられる。 という見方があるからだ…

サラサラ雪はフワフワ雪

一昨日の『道草日記』で、 ――暖冬だ! 不吉だ! と騒いだら―― 今朝は、一面の銀世界であった。 いかにも仙台らしいサラサラ雪が舞い積もっている。 何だか、とってもホッとした。 この積もり方なら、寒さが実感できる。 寒さが実感できると安心だ。 不吉を感…

恋する力

――恋する力 というものがあると思っている―― などというと、いぶかる向きもあろう。 ――愛する力 という言い方なら、きいたことがある。 が、 ――恋する力 は、きいたことがない。 一般に、愛は持続的な強い意志だが―― 恋は一過的な淡い情動といってよい。 つ…