惹かれあった二人が心を通わせたあと――
いったい、どうなるか。
ここ数年、そういうことを考えている。
話を男女の仲に限るつもりはない。
一般に――
Aという人とBという人とが出会い――
互いに惹かれ、触れあって――
魂同士をぶつけたあとで――
いったい何が起こるだろうか。
ビリヤードの玉を思い浮かべて頂きたい。
左手前から中央に進む玉と、右手前から中央に進む玉とが、中央でぶつかりあう。
玉の重さが同じなら、左手前から進んだ玉は左奥へ進み、右手前から進んだ玉は右奥へ進む。
――これと同じことが、人でも起こるだろう。
と、いいたいわけである。
人と人とが惹かれあうのは、類似点があるからだろう。
が、類似点だけではない。
どんな人同士にも、明確な相違点はあるものだ。
つまり、魂同士が近づくわけは、類似点である。
そして、魂同士が遠ざかっていくわけは、相違点である。
いや――
ちょっと軽率にまとめ上げすぎたかもしれない。
もう少し実態は複雑であろう。
が――
人と人との交流には――
ビリヤードの様相が、かいまみえる。