マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

日記

どうすべきだったか

2022年のロシア政府によるウクライナ侵略は―― ロシア政府の最高指導者が、ウクライナ政府の最高指導者の政治生命を奪いに行ったために―― 起こった。 ロシア政府の最高指導者は―― それを奪いに行くべきではなかった。 奪いに行き―― 奪えず―― 国家間の殺し合い…

政治の“殺し合い”から国家間の殺し合いへ

――政治の“殺し合い” は、しばしば、 ――国家間の殺し合い と化す。 ――政治の“殺し合い” の「殺し合い」とは、 ――政治生命の遣り取り を含む。 普通は、 ――命の遣り取り は含まぬ。 が、 ――国家間の殺し合い の「殺し合い」とは、 ――命の遣り取り を指す。 何…

非凡な政治家は――

平凡な政治家は―― 逃げずに戦おうとする。 が―― 非凡な政治家は違う。 できるだけ戦わずに、うまく逃げようとする。 政治の“殺し合い”を避けようとする。 なぜ―― それを避けようとするのか。 …… …… 政治の“殺し合い”は―― しばしば国家間の殺し合いと化すから…

平凡な政治家は――

政治家は―― 政治をわかりやすくするために、 ――殺し合い を厭(いと)わぬ。 それが―― 本物の「命」の遣り取りか、政治家の「政治生命」の遣り取りかは―― 別にして―― …… …… 特に、 ――平凡 たらんとする政治家は、 ――政治に“殺し合い”は必要だ。 と考える。 ―…

政治をわかりやすくする

政治は“殺し合い”が、わかりやすい―― その「殺し合い」で遣り取りをされるのが、本物の「命」か、政治家の「政治生命」かは措くとして―― …… …… つまり、 ――政治では邪魔者の“命”を奪っておけ。簡単なことだ。 というわけである。 これに対し―― 邪魔者と誼(…

政治生命の殺し合い

近代以前までの政治では―― 殺し合いが普通であった。 あるいは、 ――殺し合いが厭(いと)われることはなかった。 というほうが穏当かもしれぬ。 …… …… 現代は少し違う。 少なくとも現代の民主主義の国家では―― 殺し合いは厭われる。 政治に携わっていて―― 誰…

政治は殺し合いが――

政治では殺し合いが、わかりやすい。 なぜか。 それは―― 政治の本態を考えれば、わかる。 …… …… ――政治の本態 とは、 ――社会の利害調整 である。 利益は公正に分配をし―― 損害は公平に分散をする―― その“調整”を試みる者の前に―― 必ず立ちはだかるのが、 ――…

政治史は恐ろしい

政治は、 ――平凡 を旨とする。 よって―― 政治史は、わかりやすい。 裏を返すと、 ――政治史に疎い。 は許されぬ。 わかりやすいことをわからぬままにしておくのは―― 知的誠実さに欠ける態度だ。 とはいえ―― …… …… 政治史は恐ろしい。 近代以前―― 政治の多くは…

政治史を知るのは易しい

文化史は―― 概して非凡の者たちによって紡がれている。 だから―― 難しい。 政治史は違う。 人の世の大多数を占める凡人たちと―― それら凡人たちの総意を汲み取ることに長けた英傑たちによって―― 紡がれている。 だから―― 易しい。 …… …… 凡人たちは――英傑た…

文化史を知るのは難しい

――歴史 といえば―― 普通は、 ――政治史――政治の歴史 である。 これとは別に―― いわゆる、 ――文化史 がある。 ――学術の歴史 ――芸能の歴史 ――産業の歴史 などが、それだ。 …… …… 文化史を知るのは難しい。 なぜか。 それは―― 学術や芸能、産業の歴史は―― 概して…

政治の変革が完結をするところ

歴史を知る上で、 ――凡人たちと非凡の者との垣根 は決して見落としてはならぬ。 が―― それは、あくまで政治史――政治の歴史――に限ったことである。 学術の歴史や芸能の歴史、産業の歴史においては―― その“垣根”は、しばしば軽々と飛び越えられる。 非凡の者が…

凡人たちと非凡の者との垣根

英傑とは、非凡の者であり―― その非凡の者が、凡人たちに働きかけ―― その総意を、自分の意志と同じ速度で、移ろわせる―― と考えている者がいるとすれば―― その者は、 ――凡人たちの総意 の頑強さを―― 少し甘くみすぎている。 凡人たちは人の世の大多数を占め…

英傑の指導性(3)

英傑は、凡人たちの総意の移ろいに、いち早く気づき―― その移ろいの速度よりも十分に大きな速度で―― 自分の意志を移ろわせる。 そうすることで―― 凡人たちの総意の移ろいの先回りをする。 この、 ――先回り が、 ――英傑の指導性 の原理といえる。 この“先回り…

英傑の指導性(2)

価値評価の疑似空間の原点が移ろえば―― その移ろいとは正反対の方向へ―― 自分の意志が移ろうのを感じるはずである。 原点が移ろうということは―― 座標軸が移ろうということだからである。 例えば―― 価値評価の疑似空間が 3 次元とみなす時に―― その原点が、 …

英傑の指導性(1)

価値評価の疑似空間では―― 個の“人の意志”の移ろいは―― 人の世の大多数を占める凡人たちの意志の相加平均を原点とし―― その原点に対する運動として表される。 凡人たちの意志の相加平均は、統計力学の発想によれば、ほとんど移ろわぬとみなせるので―― 個の“…

統計力学の発想

人の意志の性質を表す価値評価の疑似空間は―― 人の意志が、時の経過によって、どのように移ろうかを―― 表すこともできる。 例えば、 ――私の意志は、10代・20代から30代・40代にかけ、時代軸では革新から保守へ移ろい、世界軸では博愛から偏愛へ移ろい、精神…

価値評価の疑似空間

人の世の大多数の凡人たちが形成をする総意――凡人たちの意志の相加平均――は―― 常に原点を漂う―― そのように原点を設ける。 ここでいう「原点」とは―― 人の意志の性質を何本かの軸――価値評価の座標軸――で表すことで得られる疑似空間における―― 原点――各座標が…

凡人たち

人の世の大多数の凡人たちが形成をする総意――凡人たちの意志の相加平均――というものは―― 当然のことながら―― 概して平凡である。 ここでいう、 ――平凡 とは―― 人の意志の性質を何本かの軸――価値評価の座標軸――で表す時に―― いずれも平均の値をとる―― という…

英傑たちの平凡

英傑の条件は凡人たちが握っている。 これに思いが至れば―― 20世紀イギリスの喜劇役者チャールズ・チャップリン(Charles Chaplin)の名言が、よくわかる。 ――One murder makes a villain. Millions a hero.(一人を殺せば悪者で、数百万人を殺せば英傑だ) …

英傑の条件

歴史は、英雄たち――もとい英傑たち――の決断で動く。 が―― 英傑たちは、独り決断を下すのではない。 大多数の凡人たちの、 ――声ならぬ声 を聴き取って―― 決断を下す。 歴史を作るのは凡人たちである。 歴史を知れば―― 凡人たちの総意の形成の傾向がわかる。 …

英傑

知略や武勇、胆力に秀でた者を、 ――英雄 と呼ぶ。 この言葉―― 昨今では使いづらい。 ――雄 が、性別の、 ――雄(おす) も指すからである。 …… …… ――英雄 の字義をみれば―― 普通は男が思い浮かぶ。 女は思い浮かび難い。 とはいえ―― むろん、 ――英雄 の呼称に…

誰が歴史を作るのか

人の世は―― 大多数の凡人たちと僅少数の非凡の者たちとから成る。 いわゆる、 ――英雄 と呼ばれる者たちは―― おそらくは―― その、 ――非凡の者たち の一部である。 一般に、 ――歴史は英雄たちの決断で動く。 と考えられている。 よって、 ――歴史は非凡な者たち…

歴史は――

――相異を小異とし、相同を大同とする。 という意での「相異を捨てて大同に就く」は―― 自分の属さぬ文化圏を知る時だけでなく―― 歴史を知る時にも有用であろう。 ――歴史 とは、 ――社会の過去 である。 その「社会」は―― 自分が籍を置いている社会のこともあれ…

小異、大同

アインシュタイン(Einstein)も『論語』も―― 同じことをいっている。 ――Education is what remains after one has forgotten what one has learned in school.(教育とは学校で習ったことを忘れた後に残っていることである) も、 ――学びて思はざれば則ち罔…

教育の主眼

――思考の視野 の、 ――奥行(おくゆき) を深めるには―― ――意志 を強く、久しく、保つことである。 何の意志か。 ――思考の意志 である。 ――意志 といえば―― 普通、 ――行動の意志 を指す。 むろん、 ――行動の意志 は大事だ。 が―― 今は措く。 今は、 ――思考の…

思考の視野(3)

――思考の視野 は、 ――間口(まぐち) が広ければ、 ――奥行(おくゆき) は深く、 ――間口 が狭ければ、 ――奥行 は浅い。 よって―― 人は誰しも自身の、 ――視野の間口 を広げ、 ――視野の奥行 を深くしたいと願う。 それが、 ――教育 の主眼となる。 よって、 ――…

思考の視野(2)

――思考の視野 には、 ――間口(まぐち) と、 ――奥行(おくゆき) とがある。 一般に、 ――視野の間口 を広くするのは、 ――常識 の豊かさや偏りのなさである。 ――常識 が貧しかったり、偏ったりしていれば、 ――視野の間口 は狭くなる。 また、 ――視野の奥行 を…

思考の視野(1)

織田(おだ)信長(のぶなが)は、 ――愚鈍 ではなかったが、 ――非常識 ではあった。 ――非常識 がゆえに―― 見方によっては、 ――愚鈍 にみえた。 ――愚鈍 ではないが、 ――愚鈍 にみえはする―― それは―― おそらく、 ――思考の視野 の性質による。 …… …… ――思考の…

戦国のうつけ

織田(おだ)信長(のぶなが)の生涯は、本能寺(ほんのうじ)に詰まっている。 その最期の本能寺を取り巻く状況をみれば―― 信長の生涯がわかる。 信長は、 ――乱世の奸雄(かんゆう) ではあるかもしれぬ。 が、 ――治世の能臣(のうしん) ではない。 ――治世…

本能寺(13)

本能寺(ほんのうじ)の変で、相応に重い役回りを演じた部将・斎藤(さいとう)利光(としみつ)の運命は―― にわかには信じ難いほどに数奇である。 主・明智(あけち)光秀(みつひで)は、織田(おだ)信長(のぶなが)を首尾よく討った後―― 中国からの大返…