職業研究者に――
実験や観察に依る検証が可能か不可能かが判らぬような仮説も数多く立てるような余裕を与えるには――
どうすれば、よいか。
……
……
――サバティカル(sabbatical)
の徹底――
が解決策の1つである。
――サバティカル
とは――
簡単にいえば、
――理由が問われぬ長期有給休暇
である。
ラテン語の、
――安息日(sabbaticus)
に由来をする。
――安息日
とは、
――旧約聖書
で、
――6日間連続で働いた後の働かない日
を指す。
この、
――サバティカル
を職業研究者に与える――
例えば――
6年連続で業績を上げ続けた者は――
その後1年間は、業績を全く挙げなくても良い――
と取り決めることである。
あるいは――
この際、思い切って、
――10年連続なら、サバティカル3年間――
などと取り決めても――
良いのではないか。
……
……
そうした長期有給休暇を活かすことで――
職業研究者は、自由に仮説を立てられる――
実験や観察に依る検証が可能か否か――
といった世事から解き放たれ――
思う存分に仮説を立てられる――
その過程で――
――“検証可能な科学”の境界
を行ったり来たり出来るに違いない。
むろん――
職業研究者の地位を保ち続けながら――
である。
そのようにして、
――“検証可能な科学”の境界
を行ったり来たり出来れば――
職業研究者によって営まれる、
――検証可能な科学
にも、十分な活力が齎(もたら)され得る――
――科学の淀み
に嵌(はま)る者は――
著しく減るのではないか。
……
……
『随に――』