マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

心理学は観察に徹するしかないのか(6)

――吊り橋 の“実験”を―― 精確な意味で、 ――実験 と、するには―― どうすれば、よいのか。 …… …… ――心理の本態 に―― 間接の介入ではなく―― 直接の介入をすればよい。 被験者らの体の一部――おそらくは脳の一部――に何らかの、 ――異常 を起こし、 ――吊り橋 の環境…

心理学は観察に徹するしかないのか(5)

青年期ないし中年期の男性の被験者らが、 ――吊り橋 の環境の“異常”性によって齎(もたら)される緊張感のため―― 一般に「美しい」と見做されやすい妙齢の女性に対し、恋愛感情を抱きやすくなった―― との結論が得られた実験は―― 精確には、 ――実験 ではない。…

心理学は観察に徹するしかないのか(4)

実験心理学では、 ――体に異常を起こす。 という発想ではなく、 ――体が置かれる環境に異常を起こす。 という発想が用いられる。 例えば、どんな“異常”か。 …… …… 有名な例として、 ――吊り橋 が挙げられる。 高さが何十メートルもあり、かつ人が渡る度に、よく…

心理学は観察に徹するしかないのか(3)

実験心理学に動物実験が幅広く行われるような状況は―― つまり、今日の医学生物学の諸分野で普通に認められているような状況は―― おそらくは、来ぬ。 心理学において―― 動物実験での代替が成されうる、ということは―― 動物が扱う言語を人も十分に扱えるように…

心理学は観察に徹するしかないのか(2)

実験心理学には、 ――倫理的な観点から人体実験は行えぬ。動物実験で代替をするしかない。 という問題がある。 そして―― 動物実験には、 ――動物が扱う言語をいかに扱うか。 との問題がある。 さらにいえば―― 動物が扱う言語を人が扱えるようになったとして―― …

心理学は観察に徹するしかないのか(1)

心理学では実験ができぬ――観察に徹するしかない―― と述べると―― 当然ながら―― 異論が噴出をする。 ――心理学でも実験は行う。「実験心理学」という分野があることを知らぬのか。 という指弾である。 …… …… たしかに―― 実験心理学は在る。 自然科学の一分野と…

精神医学の弱み

心理学の強みは―― そのまま精神医学の弱みとなる。 ――精神の意義 に正面から向き合いやすい、というのが―― 心理学の強みである一方―― ともすれば、 ――精神の意義 に正面から向き合いにくい―― というのが―― 精神医学の弱みである。 …… …… 精神医学では、 ――自…

心理学の強み

心理学に弱みがあれば―― 当然のことながら―― 強みもある。 それは、 ――精神の意義 に正面から向き合いやすい―― ということだ。 …… …… ――精神の意義 それは―― 心理学では、 ――心理の本態 と呼ぶべきかもしれぬ。 ――心理の本態 とは、 ――心理の正常の在り方 で…

心理学の弱み

精神医学の強みは―― そのまま心理学の弱みとなる。 ――自然に起こっている異常 と、 ――正常 とを比べることによって、 ――疑似的に実験が行える。 というのが―― 精神医学の強みである一方―― そのような“実験”が行えぬ―― というのが―― 心理学の弱みである。 た…

精神医学の強み

精神医学では、 ――精神の病 の“異常”を通し、 ――精神 の“正常”に思いを馳せることで、 ――精神の意義 を見究める。 ――異常 に着目をすることによって疑似的に実験が行えるという意味で―― 精神医学の研究手法は強力だ。 …… …… ――疑似的に実験が行える。 とは、…

ひとたび“精神の病”が治せるようになれば?

心理学では、 ――精神 を通して、 ――精神の意義 を見究めようとするのに対し―― 精神医学では、 ――精神の病 を通して、 ――精神の意義 を見究めようとする。 ここに―― 根本的な違いを認めようとする考えもある。 ――精神の意義 を見究める目的である。 何のため…

ただ診ているだけでは――

精神医学の発想は判りにくい。 たしかに、そうだ。 が―― これは―― 精神医学に限ったことではない。 医学全般にいえることである。 …… …… 古来―― 医学は、 ――異常 に着目をしてきた。 ――病 や、 ――怪我 の奇異性・変異性に目を奪われ―― その“異常”をいかに“正…

精神医学の発想は判りにくい

心理学では、 ――精神 を通して、 ――精神の意義 を見究め―― 精神医学では、 ――精神の病 を通して、 ――精神の意義 を見究める―― と、いえる。 …… …… 心理学の発想は判りやすい。 精神の在り方に正面から向き合い―― 観察を重ね、時に実験を行い―― 精神の何たる…

心理学と精神医学と――

――精神の意義 を見究めることが―― 精神医学や心理学の営みの本質の一つである。 が―― 精神医学と心理学とでは―― その見究め方が異なる。 心理学では、 ――精神 を司る原理を直接的に探ろうとする。 ――精神 に関わる現象について―― 数多く観察を重ね、時に実験…

精神医学や心理学の営みの本質

精神医学や心理学は―― 自然科学の王道ではない。 自然科学では―― 仮説を立て―― その仮説の妥当性の検証を実験や観察の結果を踏まえて行う。 精神医学や心理学では―― こうした流儀を必ずしも必要とはせぬ。 むろん―― 精神医学や心理学にも―― 実験や観察に基盤…

τ (t) は“気分”と深く関わっているかもしれぬ

精神医学の見地からは―― 情報理論・通信理論での、 ――「絶対温度」に相当をする概念 τ (t) にも―― 相応の意義が見出せるのではないか。 …… …… 例えば―― τ (t) は、 ――気分 と深く関わっているかもしれぬ。 ――気分 とは、 ――感情 の一部である。 ――感情 は―― …

精神医学の見地から――

情報理論・通信理論で、 ――「絶対温度」に相当をする概念 τ (t) というものには―― 何らかの意義を見出せるのか。 それとも―― 見出せぬのか。 …… …… 自然科学的には、なかなか見出せぬであろう。 少なくとも物理学、化学、生物学の見地からは、 ――少なくとも2…

ε (t) や τ (t) は考えぬほうがよいか

運動や知覚に―― 情報理論・通信理論での、 ――「エネルギー(energy)」に相当をする概念 ε (t) と、 ――「絶対温度」に相当をする概念 τ (t) とを持ち込むと―― τ_A_(t) = τ_P_(t) であれば、 Δ ε_A_(t) + Δ ε_P_(t) = 0 ⇔ Δ S_A_(t) + Δ S_P_(t) = 0 であり――…

運動や知覚に ε (t) や τ (t) を持ち込むと――

――“身体の内部に溜まる全エントロピー(entropy)” S (t) は、 S (t) = ∫ q (x; t)(− ln p (x, s; t))dx で表せるのであった。 ただし―― q (x; t) は、身体の持ち主が、身体の外部における状態について、主観的に見積もる確率であり―― x は、身体の外部に…

仮定の多すぎる理論へ、あえて――

仮定の多すぎる理論は、科学理論としては、認められ難い。 それを承知で―― あえて―― 情報理論・通信理論での、 ――「エネルギー(energy)」に相当をする概念 と、 ――「絶対温度」に相当をする概念 とを設えよう。 前者を ε で、後者を τ で表す。 いずれも時…

“自由エネルギー”の発想に寄せて“精神の意義”を考えるならば――

熱力学・統計力学では―― 自由エネルギー(free energy)という概念が導入をされた。 等式、 F (t) = U (t) − T S (t) で定義をされている。 ここで―― t は時刻であり―― F (t) は、ある自然界の部分における状態の自由エネルギーであり―― U (t) は、その状態…

定義のやりにくさは同じ

情報理論・通信理論でも―― 熱力学・統計力学と同じように、 ――エネルギー(energy) に相当をする概念には、示量性および不変性があり、 ――エントロピー(entropy) に相当をする概念には、示量性はあるが、不変性はなく、 ――絶対温度 に相当をする概念には…

情報理論・通信理論での「エネルギー」「エントロピー」「絶対温度」

熱力学・統計力学では、 ――示量性 や、 ――不変性 が考察の手がかりとなる。 ――エネルギー(energy) には示量性があり、 ――絶対温度 には示量性がない。 ――エネルギー には不変性があり、 ――絶対温度 には不変性がない。 ちなみに、 ――エントロピー(entropy…

不変性

熱力学・統計力学では、 ――絶対温度 より、 ――エネルギー(energy) のほうが定義が明瞭であるように―― 情報理論・通信理論でも、 ――「絶対温度」に相当をする概念 より、 ――「エネルギー」に相当をする概念 のほうが定義は明瞭になりそうなのか。 …… …… こ…

示量性

熱力学・統計力学では、 ――絶対温度 より、 ――エネルギー(energy) のほうが定義が明瞭であるように―― 情報理論・通信理論でも、 ――「絶対温度」に相当をする概念 より、 ――「エネルギー」に相当をする概念 のほうが定義は明瞭になりそうなのか。 …… …… こ…

情報理論・通信理論でも同じなのか

熱力学・統計力学で―― 議論の前提に据えたくなるのは―― 断然、 ――エントロピー(entropy) のほうであって、 ――絶対温度 のほうではない―― といえる。 それくらい、 ――エントロピー の定義は明瞭で、 ――絶対温度 の定義は曖昧だ。 では―― 情報理論・通信理論…

「絶対温度」より「エントロピー」――

――情報理論・通信理論のエントロピー(entropy)にとっての「絶対温度」とは、いかなる概念か。 という問いは―― 実は、 ――情報理論・通信理論のエントロピーにとっての「エネルギー(energy)」とは、いかなる概念か。 という問いと―― 表裏一体である。 熱力…

情報理論・通信理論のエントロピーにとっての「絶対温度」とは?

熱力学・統計力学のエントロピー(entropy)にとっての、 ――散逸構造(dissipative structure) のような概念が―― 情報理論・通信理論のエントロピーにとっても存在をしうるのか。 存在をするとしたら―― それは、どのような“構造”なのか。 …… …… この問いに…

情報理論・通信理論のエントロピーにとっての「散逸構造」

――散逸構造(dissipative structure) の概念は―― 20世紀ベルギーの理論化学者・物理学者イリヤ・プリゴジン(Ilya Prigogine)によって提唱をされた。 その概念が関わる理論によって―― プリゴジンは、1977年にノーベル化学賞を受けている。 ――散逸構造 の概…

精確には「掃き出す」ではなく――

身体には―― 熱力学・統計力学のエントロピー(entropy)であろうと―― 情報理論・通信理論のエントロピーであろうと―― エントロピーを掃き出す機能がある―― といえる。 が―― この「掃き出す」という表記は―― 精確ではない。 精確には、 ――増えにくくする。 で…