マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

学術的な説明をするときには

説明すべき内容に虚構と現実とが両方とも含まれている場合には―― 説明は、徹頭徹尾、誠実に行う必要がありますね。 ここでいう「誠実に……」とは、 ――何が虚構で何が現実かをきちんと明示して―― くらいの意味です。 虚構であることをさも現実であるかのように…

「揺れ動き」が共鳴すれば

組織の指導者は―― どうしても理想を掲げたがるものです。 一方―― 組織の構成員は―― とりあえず現実に基づきたがる―― ですから―― 組織は、つねに理想と現実との狭間の中で揺れ動くものですが―― この「揺れ動き」が指導者と構成員との綱引きになってしまっては…

自分のことをより良く見せようと思っても

自分のことをより良く見せようと思っても―― まあ―― 結局は、損をするでしょうね。 より良く見せるのも技術ですから―― センスや経験が、ものをいいます。 そのようなセンスに恵まれていて、かつ、そのような経験を十分に積んでいて、自分をより良く見せる技術…

現実ではなく、虚構を共有できるか

人と人との相性は―― どれくらい現実を共有できるか、ではなくて―― どれくらい虚構を共有できるか、にかかっているのだと感じます。 人と人とが現実を共有するのは、そんなに難しくない―― 例えば、災害時に狭い避難所で「災害」という現実を共有することは、…

「誤差の範囲内」を超えた何か

運・不運は―― 人生では誤差の範囲内であろうと思います。 それは―― 事実認識というよりは―― 夢想願望なのかもしれませんが―― でも―― 人は、(そうであってほしい) と願わずにはいられないのです。 もちろん、わかりますよ―― 実に些細な不運で、命を落として…

ある意味「いいかげん」に生きていないと

ユーモアを感じとるセンスというのは―― 結局は、 ――まあ、それもありか……。 という寛容・受容の精神だと思います。「そもそも、ああいうものは、こうあるべきだ!」という絶対的信念のもとでは―― まず、ユーモアの精神は育たない―― ある意味、 ――いいかげん …

悪趣味のシャツを着ていても

誰かが―― 自分にとって、(ええ~!?) と思えるような悪趣味のシャツを着ていても―― その人が、それを、 ――良い。 と思っているのなら―― その思いは最大限に尊重してあげたいと思うのです。 個人の主観の固有性を例に挙げるまでもなく―― 当人が「良い」と思…

それは本当の幸せではないであろう

知っているからこそ―― 不幸せに感じるということが―― ありますね。 ――あのまま知らなければ、平気だったのに……。 と―― それでも―― 僕は、(知りたい) と思うようでありたいのです。 知ることの不利益を被ってでも―― 知らないことの不利益は避けておきたい――…

中国史の魅力というのは

中国史の魅力というのは―― 何なのでしょうね。 僕ら現代・日本人は、たぶん―― 中国史の小説や入門書・解説書などの類いを、いわゆる国語の漢文的な素養を背景に読んでいるのですが―― そこで語られる歴史上の人物たちの活き活きとした生き様というのは―― どう…

きわめて自然科学的

――AがBであることが証明されれば、Cを行わない。 と、 ――AがBでないことが証明されれば、Cを行う。 とは―― 一見、同じような内容の文章に読めますが―― 自然科学的な見地になじむのは、2つめの文章のほうです。 AがBでないことの証明のほうが、Aが…

映画の完全体

映画の物語の中で―― 主要な登場人物が自分や自分たちの苦悩を―― 語るのと語らないのとでは―― 物語の印象は、がらっと変わってきます。 語るのであれば―― その映画の視点の位置――やや比喩的にいえば、登場人物を演じる俳優からの撮影カメラの距離――が近いと感…

周回遅れなのか、その逆なのか

非常に奥の深いテーマで議論をしているときに―― 議論の相手と噛み合っているのか、噛み合っていないのかが、はっきりしなくなることがあります。 喩えていうならば―― 相手が周回遅れなのか、その逆なのか――あるいは、たしかに同じ周回なのか―― それが、はっ…

本音で話をするということは

本音で話をするということは―― 時にお互いを不用意に傷つけあうことに相当します。 人の本音というものは―― たいていは、その人の利己心や虚栄心の隣にありますから―― つまり―― 本音で話をするということは―― 話し相手の利己心や虚栄心をも受け止めるという…

どこまで責任をとるべきか

いわゆる代議士のような、 ――公人 について、私的なスキャンダルが発覚したときに―― その公人は、どこまで責任を取るべきか―― なかなかに厄介な問題です。 もちろん、公的なスキャンダル――例えば、自身が与る行政裁量権を利用して、自身の政治資金は蓄えたり…

やっぱり、不謹慎

例えば、レストランで―― 隣のテーブルで交わされている会話というのは―― ときに妙に気になってしまうものです。(ええ? いったい何を話してるんだろう?) とか――(そもそも、いったい、どういう人たちなんだろう?) とか―― 聞き耳を立てながらも―― あれこ…

生きるか、死ぬか

人は、いつでも、 ――生きるか、死ぬか。 を明確に意識しているほうが―― よいようです。 生きているものに―― 死は、いつ降りかかってくるか、わからないのですから―― いつでも「生きるか、死ぬか」を明確に意識していれば―― いざというときに、たじろがないで…

そういう舌禍が

どんなに慎重な人でも、うっかり口を滑らせる―― ということはあるでしょうね。 人は、本音のままに発言をしていたら―― たいてい周囲の人たちとは仲良くやっていけません。 いわゆる、 ――舌禍 という名の落とし穴ですね。 この「舌禍」―― 意外に、本音むき出…

怒りを顕わにすることで

怒りを顕わにすることで、得をするというのは―― 基本的には、そんなにないと思うのですよね。 むしろ、損をすることが多い―― にもかかわらず―― 怒りを顕わにする人がいる―― なぜなんでしょうね。 …… …… ひとつの考え方としては―― 損得勘定を越えて怒りを顕わ…

具体的に先鋭化された興味や関心というのは

人前で何か話をするときに―― 聴衆の立場に思いを巡らせるというのは―― とても大切なことです。 そうでなければ―― 話が上滑りしてしまう―― 自分の興味や関心に―― 聴衆がついてこれなくなってしまう―― ところが―― 一口に「聴衆」といっても―― その実は多種多様…

「当然、知っているべき」ではなくて

自分が、当然、知っているべきことというのは―― なまじ、 ――当然、知っているべき―― などと自覚しているがゆえに―― 意外と知りこぼしが多いのですね。 よく知っているようで、あんまり知らなかったり―― 大学の学生が自分の専門分野のことを知っているようで…

知ってはいるけれども、うまく則れないだけかも

ルールを知っているということと―― そのルールに則れるということとは―― まったく別ですね。 ルールに則れるようになるためには、そのルールを単に知っているだけではダメで―― そのルールに則る経験をたくさん積む必要があります。 ですから―― ルールに則れ…

何のために頑張るのか

何のために頑張るのか―― それがハッキリしていないと―― なかなか頑張れないのですね。 仮に、頑張れたとしても、ぜんぜん楽しくない―― ただツラく、苦しいだけ―― だから―― 頑張るときは、何のために頑張りなのか、目的をハッキリさせておくことが大切ですね…

平日の安穏

――平日の安穏 という概念が成り立ちうると―― 僕は思っています。「平日の安穏」とは―― 平日にこそ感じられる安穏のことです。 ただし―― 例えば、平日の忙しい日程の中で、つかの間の休息を味わっているときの安穏ではなくて―― ――平日の通常の忙しい日程にさ…

人は、あえて楽ではない方向へ

人は弱いものです。 すぐに楽な方向に流される―― が―― 楽な方向に流されると―― その後で―― ときに悲惨な結末が待ち受けているものだから―― 気が気でないのです。 ちょうど―― 川で流されていると―― いつの間にか大洋に押し出されてしまったり―― あっという間…

努力は必ず報われる――ただし

努力は必ず報われる―― ただし、自分では思ってもみなかった形で―― そういうものだと―― 僕は思っています。 ときどき、 ――とにかく努力さえしていれば、いつかは成功できるのだ。 と力説する人がいますが―― そんなに甘いものではないと思っています。 たしか…

手に入れてしまえば

真の宝物は自分の心の中でしか輝きません。 決して自分の身の周りで光り輝くことはありません。 大富豪が数多の宝物を蒐集し―― それら宝物を自分の身の周りに、いくら華麗に、いくら荘厳に飾り付けたところで―― それら宝物が本当の意味で光り輝くことはあり…

いつまでも真剣に頑張り続けようと思うのなら

人は―― ゴールが目前に見えていると―― 最後のひと踏ん張りはできますが―― でも―― 本当の意味での頑張りは―― 全くできなくなってしまうように思います。 ゴールが目前に見えていると―― ゴールに駆け込んだ後の安寧に浸る自分を、どうしても思い浮かべてしまう…

欲望を満たすとは

欲望を満たすということを―― バネの喩えで表すと―― それは―― 伸びているバネを自然長に戻すことなのか―― それとも自然長のバネを伸ばすことなのか―― ときどき―― それがわからなくなるのです。 もちろん―― ふつうに考えれば―― 伸びているバネを自然長に戻すこ…

食べたいものを食べ、早く寝て

さっさと片付けようと思っていた仕事が―― なかなか片付かず―― 終わったときには、予定の時間を4~5時間オーバーしていて―― かなりヘコみました。 自分の精神衛生を思えば―― 仕事にかかる時間を正確に見積もることは、とても大切ですね。 そこを読み違えると―…

完全無欠の完璧な……芸と学と

完全無欠の完璧な芸は―― かえって味気ないのかもしれません。 完璧な芸よりは―― むしろ「ほぼ完璧な芸」のほうがよい―― そうした芸の中に潜む欠陥が、かえって抒情を高めうる―― そうした可能性を―― 僕らは、もう少し考えてもよいでしょう。 何といっても―― …