非常に奥の深いテーマで議論をしているときに――
議論の相手と噛み合っているのか、噛み合っていないのかが、はっきりしなくなることがあります。
喩えていうならば――
相手が周回遅れなのか、その逆なのか――あるいは、たしかに同じ周回なのか――
それが、はっきりしなくなる――
「非常に奥の深い議論」というものは――
いわばトラック・レースみたいものです。
同じところをグルグルと回っているような不毛さから完全に自由になることは難しい――
たぶん――
実際に、同じところをグルグルと回っているのです。
残念ながら――
人の知性は、元来そんなに逞しくはありませんので……。
それだけに――
「非常に奥の深い議論」をしているときというのは――
慎重に判断する必要があります――その議論の相手が、同じ周回なのか、1周回分ほど遅れているのか、あるいは、1周回分ほど先をいっているのか――
難しい判断ですが――
避けては通れない判断です。