マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

読まなかった小説ほど心に残る

平日には、通勤・通学客で賑わう駅が―― 休日には、ひっそりと静まり返っている―― そんな光景を目の当たりにすると―― 何か空想を巡らせたくなります。 以下は―― 僕が高校生の頃に聞きかじった話です。 * ある東欧の街で―― 朝―― いつものように駅の構内に入っ…

鈍感は悪いか、敏感は善いか

例えば―― 上り坂が苦なのではなくて―― 下り坂が楽なのではなくて―― 下り坂から上り坂に変わるときが苦なのです。 あるいは―― 上り坂から下り坂に変わるときが楽―― …… …… 人は、変化に敏感です。 変化がなければ―― 人は、鈍感です。 ずっと上り坂を登っていれ…

人が不安を最も強く感じるとき

世の中には―― 自分が知らなくてよい現実などは、たぶん一つもないと思いますが―― 知ってしまったら、途端、不安に苛まれ、耐えられなくなる―― というような現実は―― たぶん、いくらでもあることでしょう。 現実をどこまで知るのがよいのか、という問題は―― …

あえてゾンザイに言葉を使う

着想力や発想力に優れている人たちは―― 言葉の使い方が、わりとゾンザイです。 言葉の使い方に気をとられていると―― 持ち前の着想力や発想力を十分に発揮できないからでしょう。 後先を考えずに、思いつくままに言葉を紡ぎ出していく―― そうしないと―― 自分…

真の悪者は自分が正義と思っているか

――真の悪者(わるもの)は自分が正義と思っている。 という考え方があります。 かなり説得力のある考え方で―― 僕自身も、つい最近まで、 (たぶん、そうだろう) と思っていました。 が―― きょうになって、 (どうも違うのではないか) と思い始めました。 …

「そんな夢、下らないから……」の真意

国内有数の進学校から―― 日本を代表する大学へと進み―― やがて―― 世界に名だたる教育機関に留学して―― 世界に冠たる研究機関に就職し、華々しい研究者生活をスタートさせる―― そんな夢を語る中学生が、もし、いたとしたら―― 多くの人たちが、 ――へえ~! ス…

理想的なオモチャ

オモチャを誰かに与えられて遊ぶのと―― オモチャを自分で探して――あるいは、自分で作って――遊ぶのとでは―― “遊び”の度合いが違うように思います。 オモチャを与えられる時のほうが、オモチャを探したり作ったりする時と比べて、“遊び”の度合いが低くなるよう…

世界の秘密、社会の秘密

――世界の秘密 というと―― なんだか荘厳で、神秘的で、ワクワクしますが、 ――社会の秘密 というと―― なんだか醜悪で、世俗的で、ゲンナリします。 例えば―― 賢くて好奇心に満ちた子供に、 ――これから世界の秘密を教えてあげよう。 というと―― 目をクリクリと…

「学校教育は役立たない」は本当か

――世の中に出たら、正解のある問題は存在しない。正解のある問題に取り組むのは、学校を卒業するまでだ。 とは―― 多くの人々が繰り返し見聞きしてきたフレーズであろうと思います。 このことをもって、 ――世の中に出たら、学校で教わることは何の役にも立た…

リーダー論で最も大切なこと

リーダー論というのがありますね。 どんなリーダーが、チームのパフォーマンスを最大限に高めうるのか―― という議論のことです。 先日、このリーダー論について、 ――世の中には様々なリーダー論があるが、ほとんどの場合、真に論じられるべきことが論じられ…

ケンカ上手は仲直り上手

どんな世界にも、 ――ケンカ上手 と呼ばれる人たちがいます。 ケンカ上手の人たちは―― 避けられるケンカと避けられないケンカとをしっかりと見極め―― 適切なタイミングで、ケンカを売ったり買ったりする―― また、ひとたびケンカを始めたら、決して負けること…

何をやっても巧くいかないときに

何をやっても巧くいかないときに―― それでも、目の前のことを一つひとつ頑張って片付けていこうとすると―― どうしてもイライラしてしまうものです。 よって―― そういうときには―― あえて、目の前のことを頑張って片付けようとはしないのが、よいのかもしれま…

ダジャレは冗談の本質

ありがちなダジャレを上手に口にする人が―― ときどき、います。 ダジャレというのは、なかなかに奥が深くて―― 冗談に不慣れな人が、下手に口にすると、周囲を白けさせるだけなのですが―― 冗談に慣れた人が、上手に口にすると、ときに何ともいえないおかしみ…

政治への関心の持ち方は2つ

政治への関心の持ち方には、少なくとも2つあるといえるでしょう。 有権者としての関心の持ち方と政治家としての関心の持ち方との2つです。 政治とは、社会の利害調整です。 社会の利益をどのように分配するか―― 社会の損害をどのように分散するか―― それを…

政治の流血を避けるために

先頃の国民投票の結果―― 欧州連合からの離脱が決まったイギリスで―― 離脱が決まってから―― ネット上で、 ――欧州連合とは何か。 といった語句の検索頻度が急上昇したのだそうです。 ――え? 今さら? と、国の内外で失笑を買ったことは―― 想像に難くありません…

二重の意味で心が素直

誰かに、 ――最近、なんだか元気が出ないよ~。 と、オンラインで愚痴をこぼし―― その“誰か”から、 ――何いってるの、元気、出しなよ。 と、オンラインで笑顔の画像が送られてきて―― ――うん。ありがとう。なんだか元気、出てきた。 と、返事ができるような人は…

外交が上手なら内政は下手、内政が上手なら外交は下手

国の政治は、内政と外交とに分けられますね。 一般に―― 内政の上手な政治家は、外交が下手であり―― 外交が上手な政治家は、内政が下手です。 その理由は、 ――政(まつりごと) が、 ――祭り事 であった歴史的経緯を思えば―― よくわかります。 今日では、祭政…

政治は“政”であって“祭り事”ではない

――政 と書いて、 ――まつりごと と読みますね。 ――祭り事 に由来すると考えられています。 太古の昔に祭祀の主催者と政治の権力者とが同一であった頃の名残りでしょう。 その頃は、祭政一致が当たり前であったのです。 が―― 今日では、祭政分離が原則とされて…

人間をリアルに理解する

人間をリアルに理解する、とは―― 簡単にいえば、 ――人間は、理性だけでなく、感情でも動くということを熟知する。 ということです。 人間が理性だけで動くのなら―― 人間の行動は、常に合理的で、予測可能であるはずです。 が―― 実際には、人間は理性だけでは…

完全に恋人か夫婦だと思った

ある晴れた夏の日に、電車に乗っていたら―― わりと混んできまして―― 満員というほどではないにせよ―― とりあえず座席に空いている様子はなく―― 通路には多くの乗客が立っていました。 ふと―― 向かいの長イスに目をやると―― 30歳前後の男女が―― 身を寄せ合う…

“行う者”と“表す者”との境界を越えるなら

世の中には、 “行う者” と、 “表す者” とがいます。 “行う者”は、世の中が回っていくのに欠かせない営みに、直に関与する者であり―― “表す者”は、世の中が回っていくさまに思いを馳せ、何事かを表現する者です。 “行う者”の具体例には、実業家や政治家や技術…

どんな女性に惚れるか惚れ直すか

男が―― 10代で惚れた女性に30代で再会し、20年の時を越えて惚れ直す―― ということは―― 何となく、ありそうだと思っていますが―― 10代で惚れた女性がタイムスリップをしてきて―― 10代で惚れたときのままの女性に30代で再会し、文字通り20年の時を越えて惚れ直…

美しいものを本気で守ろうと思ったら

美しいものを美しいままに取っておきたいという感情と―― 美しいものを醜く汚してしまいたいという感情とは―― 一見、相反するようで―― 実は、そんなには違わないのではないか、と―― 思うことがあります。 どちらの感情にも―― その根底には、美しさへの関心が…

「イギリスとヨーロッパ」が良くない理由

イギリス人の中には、 ――イギリスとヨーロッパ という表現を好む人がいるそうです。 これが、 ――けしからん! と非難されることも少なくないのだとか―― その理由は、僕ら日本人にも覚えがあります。 この話を日本に置き換えてみると―― 「イギリスとヨーロッ…

“わかる力”より“わからない力”

世の中の物事は、たぶん全てが、そうであろうと思うのですが―― 何か物事を極めようと思ったら、 ――わかる力 よりも、 ――わからない力 のほうが、ずっと大切なのですね。 「わかる力」とは、 ――「そうか、なるほど! ○○とは、こういうものか」と理解をし、納…

若さゆえの乱行の防ぎ方

10代や20代の若いうちに―― 世の中の矛盾や非情、あるいは、自分の非才や凡庸を察知して―― いわゆる、 ――生きづらさ に気づき、思い悩み―― その結果、 ――私が世の中を変えてやる! とか、 ――こんな自分を変えてみせる! と意気込む話は、よく聞くのですが―― …

それ、たぶん口説かれていた

30歳前後の男性が―― 親しくしているらしい女性から、 「私、もう誰とも付き合えないと思う。でも、何とか頑張って付き合える人を探していきたいんだよね。どうしたらいいと思う?」 と相談を持ちかけられて、 ――いや~、女性というのは、どうして、そんなに…

不寛容な人たちは、なぜ不寛容なのか

人に好き嫌いがあるのは仕方がなく―― 嫌いなものを拒絶しようとしたり、排除しようとしたりする気持ちも、また仕方がないのですが―― その気持ちを、ぐっとこらえて―― 自分が嫌いなものに、いかに寛容になれるかが―― その人の心の大きさを示すといえるでしょ…

痛ましい

慣れぬ異国の地に滞在し―― カフェで夕食をとりながら、ホッと一息をついているときに―― いきなり武装集団が乱入してきて―― 目の前で店員や他の客に危害を加え始めても―― たぶん―― すぐには状況を飲み込めないと思います。 (え? なに? どういうこと?) と…

歯切れのよいコメントには2種類ある

いわゆる社会問題について―― ネット上などで、歯切れのよいコメントを出す方がいます。 いわゆる有名人の方であったり、そうでない方であったりします。 そのような歯切れのよいコメントは―― 大きく2種類に分かれます。 その問題にまつわる種々の実情を―― …