いわゆる社会問題について――
ネット上などで、歯切れのよいコメントを出す方がいます。
いわゆる有名人の方であったり、そうでない方であったりします。
そのような歯切れのよいコメントは――
大きく2種類に分かれます。
その問題にまつわる種々の実情を――
よく知っているからこそのコメントと、よく知らないからこそのコメントとの2種類です。
人の社会は複雑です。
当然そこに生じる問題も複雑です。
そんな問題に歯切れのよいくコメントを出せる人は――
問題の本質を十分に把握しているか、問題の些末しか把握していないかの――
どちらかです。
もちろん――
歯切れのよいコメントを出す人は、たぶん全員が、
――自分は問題の本質を十分に把握している。
と信じているでしょう。
が――
本当に問題の本質を十分に把握できているかどうかは――
すでに問題の本質を十分に把握している他の人々によってのみ、判断できることであって――
当人には、決して判断できないことです。
また――
問題によっては――
現時点では、誰一人、問題の本質を把握していない――
ということもありえます。
歯切れのよいコメントを出そうと思うときには――
その辺の原理を十分に留意しなければなりません。
そして――
誰かに歯切れのよいコメントを求めるときには――
さらに慎重な姿勢が必要です。
――みんなが納得のしやすい単純なコメントを出してくれ。
とか、
――糾弾・擁護どっちつかずの複雑なコメントはやめてくれ。
とかいった要求は――
無責任のそしりを免れません。