マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「逃れがたい死」と「抗いがたい死」と

中高年に向けられた歌にも―― 青少年に向けられた歌にも、 ――死 を意識したものが―― 少なからずあります。 これら2つの歌で語られる“死”には―― 決定的な違いがあります。 中高年に語られる“死”は、 ――逃れがたい死 つまり―― 人の一生の儚さです。 これに対し…

「さようなら」よりは「ありがとう」

きのう―― 街中を歩いていたら、 ――2015, Merci! 2016, Bonjour! と書かれた看板のようなものが―― 目に入ってきました。 たしか、フランス語の「ありがとう」が「Merci(メルシー)」で、「こんにちは」が「Bonjour(ボンジュール)」のはずですから―― たぶん…

後ろ姿から男女を高率にいい当てるには

大学で教鞭を執っていた父が、 ――最近の若い連中は、後ろ姿を見ただけでは、男か女かわからない。 といっていたのは―― 今から30年くらい前――僕が小学生か中学生の頃です。 その父は、おととし13回忌が終わり―― 僕は、当時の父と似たような年齢になっています…

カタカナ語は、うってつけの遊び道具

日本人はカタカナ語に弱いと思うのです。 例えば、 ――エビデンス という言葉があります。 英語の「evidence」に由来していると考えられますが―― この「evidence」に―― なぜか「エビデンス」というカタカナ語をあてて、標準的な訳語である「根拠」をあてよう…

心の中が覗けるから、体に魅力が宿りうる

僕は、女性の体をみて―― いつも、 (美しいなぁ) と感じ入っていることが多いのですが―― そんな僕でも―― やっぱり最後は、どうしても―― その女性の顔に関心が向かうのですね。 (今どんな表情をしているのだろう?) と―― そして―― その表情から読みとろう…

恋愛物質

愛と恋との違いについて―― 今日、 ――愛は心の作用であり、恋は脳の反応である。 と考えられています。 こうした考えを強力に支持する状況証拠がありまして―― それが、 ――恋愛物質 の存在です。 脳は無数の神経細胞が集まって形づくられています。 それら神経…

「美男・美女」や「醜男・醜女」といった発想から抜け出さないと

恋愛の物語では、 ――主役はモテず、相手役はモテる。 という鉄則があるように思います。 主役がモテて、相手役がモテなかったら―― 物語として成立し難いといえます。 当然ですよね。 まったくモテない相手役に惹かれる主役が、やたらとモテていたら―― 物語の…

矮小で非力な“悪”を懲らしめたって

いわゆる勧善懲悪の物語では、 ――“悪”は十分に巨大で強力でなくてはならない。 というのが鉄則とされます。 そうでないと、物語の魅力が半減してしまう、と―― それは、そうですよね。 “悪”が矮小で非力であっては、どんなに素晴らしい“善”でも、惹き立てよう…

モテない理由はモテる理由より……

世の中には―― モテそうでモテない人と―― モテなさそうでモテる人と―― がいますね。 あるとき―― ふと、 (いったい、どちらが多いんだろう?) と疑問に思って―― 少し考えてみたことがあります。 一見すると―― モテそうでモテない人のほうが、モテなさそうで…

主人公が女性だと

主人公が女性の物語は―― 難しい―― そう思います。 主人公が男性の物語―― あるいは―― 準主人公が女性の物語は―― そこまで難しくはない―― 理由は―― 主人公が女性だと―― その主人公の女性に、ありとあらゆることが期待されてしまうからです。 …… …… 「ありとあ…

「美しい」の話は、本当は、しないほうがよい

僕は、しばしば好んで「美しい」の話をするのですが―― 「美しい」の話は、本当は、しないほうがよいのですよね。 普遍性に乏しいからです。 例えば―― Aさんの「美しい」とBさんの「美しい」とは、かなり高い確率で合致しない、といわれています。 ある人は…

小柄で華奢で童顔なのに、目つきだけが異様に鋭い

例えば―― 小柄で華奢で童顔なのに、目つきだけが異様に鋭いという女性が―― たまにいて―― その鋭い目つきに、 ――美しさ を見出す男が―― 少なからず、います―― 目つきだけに着目したら、とうてい「美しい」とはいえないくらいの、苛烈な鋭さなのに―― 不思議で…

美は乱調に宿るか

――美は乱調に宿る。 などといいますが―― 皆さんは、そう思われますか。 僕は、思いません。 (「美は乱調に宿る」とみなせば、真理を見落とすことになる) と、僕は考えています。 * ――美は乱調にあり とは、瀬戸内寂聴さんの伝記小説のタイトルです。 大正…

愛ではなく、恋を知っているかどうか

女性にとって―― 愛を知らない男と恋を知らない男と―― いったい、どちらが恐ろしいのか―― 僕は―― 恋を知らない男のほうが、ずっと恐ろしいと思っています。 愛を知らない男は―― 例えば、人柄が冷たかったり、何となく余所余所(よそよそ)しかったり、どこと…

恋に熟達した男

たいていの男は―― 恋を知り、恋を習い、恋に通じ―― やがて、恋によって女性と繋がることを覚えます。 が―― 恋は脆い――決して長続きはしないものです。 恋の脆さを知って―― 男は、恋に厭き、恋を忘れ、恋を嫌うようになります。 そして―― 恋によってではなく…

「美しくあろう」と思ったら

もし、人が、 ――よし! 美しくあろう! と思ったら―― 本当に美しくなれるものでしょうか。 もちろん―― この場合の「美しさ」とは―― 若くて綺麗な女性が持っている「美しさ」ばかりではなくて、 ――人としての美しさ です。 僕は―― もし、人が本気で「美しくあ…

人の考えを推し量る上での着眼点

人は、しばしば発言と行動とが相関をしません。 ときに―― 発言とは無関係に行動をし―― 行動とは無関係に発言をします。 よって―― 誰か気になる人がいたとして―― その人の考えを推し量りたくなったときには―― その人の発言を聞いてはいけません。 その人の行…

見られているから美しいのか

美しい人は―― いつも誰かに見られているものですが―― 美しいから、いつも見られているのか―― いつも見られているから、美しいのか―― それが―― 時々わからなくなります。 ここでいう「美しい」とは―― 若くて綺麗な女性の美しさのことばかりではありませんよ。…

「ディスる」は恥ずかしいか

――ディスる。 という俗語が定着していますね。 ――(相手を)軽蔑した上で、罵(ののし)ったり貶(けな)したりする。 くらいの意味です。 語源は、英語の俗語の ―― diss(dis) と、いわれています。 この言葉は、英語の「disrespect」の短縮形で―― 意味は…

「紙おむつと缶ビール」の話の出所

客の意外な動向の例として、よく言及されるのが、 ――紙おむつと缶ビール の組み合わせです。 小売店のレジの記録から、紙おむつを買う客は、同時にビールも買う傾向にあることがわかったために―― 紙おむつと缶ビールとを並べて陳列したら、売り上げが伸びた―…

そんなに「教育」を嫌わなくたって……

「教育」という言葉が嫌いな人は、少なくないようですね。 かの福沢諭吉は、 ――「education」の訳語として「教育」は不適切である。 と主張し、「教育」を嫌ったそうです。 英語の「education」には「外から働きかけて能力を引き出す」という意味があるから…

どっかで見たことある“絵”だぞ

僕は、女性が主人公のSFやファンタジーが好きで―― ですから―― 今月18日に公開予定の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のことが、ちょっと気になっています――主人公が、どうやら女性のようなので―― この女性、名前を「レイ」といって―― 旧作の主要登場人…

おカネがあることによる不幸せというのも

おカネがあると―― 自由が広がりますよね。 色々な物が買えたり、色々な事が体験できたり―― 色々な物を着れて、色々な物を食べれて、色々な所に住める―― 場合によっては、人を惹きつけることも、人を従えることもできる―― おカネがあれば―― 人は、様々な裁量…

“複雑”だから“単純”へ

賢い人は単純に生きている―― といわれますが―― (ちょっと違うんじゃないかな) と思っています。 よく考えてみますと―― 幼い子どもは皆、単純に生きています――食べて、寝て、起きて、遊んで、また食べて―― 生きる以外のことには何ら関心をもっていないよう…

月曜の朝なので

先週から風邪をひいておりまして―― 通勤中もマスクをつけています。 僕は日頃ずっとメガネをかけているのですが―― 冬の季節に屋外でマスクをつけていると、メガネが呼気のせいでくもるのですね。 なので―― メガネを外します。 けさも、そうでした。 そうしま…

抑えがたい感情のほとばしりがあるから

先月13日にフランス・パリで起きた同時多発テロ事件で―― 34歳のフランス人ジャーナリストのアントワーヌ・レリスさんは、奥様を殺害されました。 レリスさんは、生後1年5か月の息子さんと2人きりになりました。 その思いを―― レリスさんはソーシャル・ネ…

「男は信用できない」とか「女は信用ならない」とか

――男は信用できない。 と、女はいい、 ――女は信用ならない。 と、男はいう―― これらの言だけを見聞きしていると―― うっかり、 ――異性は信じるものではない。 との結論に達しかねませんが―― 実際には、 ――信じられる異性がいれば、信じられない異性もいる。 …

理屈っぽい人の頭は柔らかい

――理屈っぽい人の頭は固い。 と、一般には考えられていますよね。 が―― 僕は―― 理屈っぽい人の頭は、むしろ柔らかい―― と考えています。 頭が固いのは、感情的な人のほうである、と―― なぜ理屈っぽい人の頭は柔らかく、感情的な人の頭は固いのか―― 理屈は他…

思いつくことを思いつくままに口にしているのに

思いつくことを思いつくままに口にする人がいます。 そういう人は―― たいていは無意識の本音をもらしてしまい、誰かを傷つけたり誰かの反感をかったりするものですから―― 周囲の人たちに疎まれたり蔑まれたりしているのですが―― まれに―― そうでない人もいま…

あすから営業をしないお店の店員さんが見せる誠意

あすから営業をしないお店の店員さんが見せる誠意には―― 心を打つものがあります。 先年、廃業が決まっていた百貨店で―― 店員さんたちが、営業最終日の閉店間際に、深々と頭を下げていらした姿を目の当たりにしました。 もう営業をしないわけですから―― 閉店…