マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

必要と重要と

――必要 と、 ――重要 とでは―― 意味合いが違いますよね。 とりわけ―― 時間的な意味合いが違います。 たいていの場合―― 必要なのは“今”であって―― 重要なのは“今”とは限らない―― あるいは―― 今、重要なことは―― 過去でも未来でも重要であったりするけれども―― …

“当たり前”の納得の仕方

当たり前のことを、 ――当たり前だ。 と―― 経験で納得をしたがるか―― それとも―― 論理で納得をしたがるか―― これら2種類に、どちらかに―― 多くの人は分類されうるように思います。 経験で納得をするというのは、一般に難しいことではなく―― 子どもあっても、…

10進法をめぐる議論

僕らが過度に慣れ親しんでいる定義の例に、 ――10進法 があります。 「10進法」とは―― 全ての数を「0」から「9」までの10種類の数字で表そうとする約束事のことです。 こうした“数の約束事”は、決して10進法だけではなくて―― 例えば、2進法や12進法、60進…

「1+1=2」は当たり前ではない

当たり前であることの典型例として、 1 + 1 = 2 を挙げられることが、しばしばありますが―― ときには、 ――「1+1=2」も決して当たり前ではない。 と思えるような感覚も大切です。 …… …… なぜ、「『1+1=2』は決して当たり前ではない」といえる…

読みやすい文章の不思議

文章が読みやすいかどうかということと―― 文章が丁寧かどうかということとは―― 基本的には、あまり関係がないようです。 ――読みやすい というのは―― 読み手が、つかえることなく最後まで一気に読める―― ということです。 ――丁寧 というのは―― 言葉の使い方が…

自力で考えられる人

何か物事について、 ――自力で考えられる人 というのは、 ――考えるとはどういうことかを日頃から考えている人 です。 あるいは―― 何か物事について考えるときに、 ――なぜ、今その物事について考えるのがよいのかを考える習慣のある人 です。 考えるとはどうい…

王が義務だけを履行して権利を行使しなかったら

――権利と義務とは表裏一体である。 という話があります。 わかりにくい話です。 初めてきく人には―― どんなに丁寧な説明をしても、なかなかわかってもらえません。 何とか、わかってもらおうと―― 以下のような例え話を考えました。 ――王が義務だけを履行して…

イグ・ノーベル賞に今年も日本人が

イグ・ノーベル賞に今年も日本人が選ばれたそうですね。 受賞研究のテーマは、 ――股のぞき効果 です。 前かがみになって股の間から後ろの方をみると、物が小さく見える―― という効果だそうです。 イグ・ノーベル賞は、本家のノーベル賞と違って、ユーモアが…

美醜の尺度は円形ないし球形

美醜の価値は―― あくまで個人の主観が決めることですが―― その尺度は―― おそらく、線形ではありません。 …… …… ――尺度が線形である。 とは、どういうことか―― 例えば、以下のような尺度は線形です。 … ―醜3―醜2―醜1―0―美1―美2―美3― … が―― 美醜の尺度…

華奢で、か弱いイメージの女性が

華奢で、か弱いイメージの女性が―― 言葉を絞った歯切れの良い短文で思いのたけをつづっていると―― (おや?) と思います。 …… …… なぜ、「おや?」なのか―― たぶん―― その女性の“華奢で、か弱いイメージ”が、良い意味で、崩れるからですよね。 …… …… が―― …

中途半端が一番よくない

物語には、3つの要素があるといわれています。 1) 舞台設定 2) 人物造形 3) 事象展開 の3つです。 これらのうち―― どれか1つが、緻密かつ堅実に考案されていれば―― 他の2つが、どれだけ荒唐無稽で、奇想天外でも―― 物語は、現実感や重厚感をもって…

美は“傷”で、いや増す

美しさに傷があるために―― その美しさが、いや増している―― ということが―― しばしば、あります。 (は……!) と息を飲むくらいに、いや増している―― …… …… ――傷 というのは、いいすぎです。 ――不調和 とか、 ――期待との不一致 とか―― あるいは、 ――美の限局…

英語は“学ぶ”ではなく“扱う”

日本の英語教育の―― 低年齢化が進んでいます。 ひと昔前までは、 ――英語は中学校から! でした。 が―― 今は、小学校から―― 習いごとや塾の類いを含めれば―― 乳児期から始まっている、というのが実情です。 言語の習得は、年齢が低ければ低いほどに有利である…

同じ人に同じ内容の質問をしても

相異なる2つ以上の言語が扱えると―― その分、より多くの人たちと交流ができ、より深い知性が培え、より豊かな感性を保てるに違いありません。 僕個人は―― 大学院の頃に少しだけ科学研究に携わっていた経緯から―― 日本語以外にも、多少は英語を扱うようにな…

政治家の自負心や責任感は要チェック

自負心と責任感とが混然一体となっているときに人は輝く―― ということを、きのうの『道草日記』で述べました。 この傾向は―― 芸術家や競技者といった人々には概して好ましいのですが―― 一つだけ、この傾向が明らかに好ましいとはいえない職業があります。 政…

自負心と責任感とで人は輝く

人形浄瑠璃のような伝統芸能の世界であっても―― その芸は―― 例えば、300年前と全く同じように今日まで受け継がれている、ということはなく―― 少しずつ少しずつ進化してきているのだそうです。 当代きっての人形遣いと目される方が―― TVカメラの前で語ってい…

笑顔を撮りたいのなら

カメラマンの人が、被写体になっている人に向かって、 「笑って下さ~い!」 と注文をつけている場合があります。 笑顔を撮りたくて、そうしているのでしょうが―― たぶん下手なカメラマンです。 少なくとも、人の笑顔を撮るのに慣れてはいない―― 人の笑顔を…

貨幣とは、裁量や権限である

きょうも、おカネの話を―― * 僕は、 ――貨幣とは、裁量や権限である。 と考えています。 しばしば、 ――貨幣とは、信用である。 といわれますが―― きのうの『道草日記』でも述べたように―― 信用は目に見えないもので、かつ、心で感じるものです。 一方、貨幣…

おカネは信用か

いわゆる“おカネ”のことを、 ――貨幣 といいますね。 経済用語だそうです。 この貨幣は、通常は、紙幣や硬貨の形で、僕らの身の周りに存在していますが―― しばしば指摘されることに、 ――紙幣や硬貨が貨幣なのではない。 というものがあります。 ――所有者への…

パロディやオマージュの創造性

パロディやオマージュは―― 基本的には、二次的創作物であり―― 一次的創作物の要素が入り込む余地は、ほとんどありません。 が―― 優れたパロディやオマージュには、必ず、 ――何か新しいもの が付け足されています。 いわゆる“元ネタ”を過不足なく再現しただけ…

信頼関係の有無が言葉に出されるとき

本当に大切だと思うことは―― たとえ、どんなことがあっても―― 決して言葉には出さないほうが、よいようです。 例えば―― * 「私は、あなたのことを信頼している」 と明言するときには―― その「あなた」への「私」の信頼は、揺らいでいます。 そして―― その「…

リーダーに必要な素質は能力だけではない

チームのリーダーに必要な素質は2つある―― 1つは、リーダーとしての優れた能力であり―― もう1つは、誰も感情が読みとれない分厚い面(つら)の皮である―― そんな話を―― きいたことがあります。 子どもの頃です。 この話―― よくよくききかえすと―― なかな…

「決定力不足」のまやかし

サッカーの試合などで―― しばしば、 ――決定力不足 という言葉が使われますね。 ふつうは―― シュートを確実に決める能力が足らないことです。 ボールを、相手ゴールの中へ―― 確実に足で蹴りこんだり、確実に頭で叩きこんだりする能力が―― 物足りないようだと…

人生は夢に満ちている?

――人生は夢に満ちている。 という話を―― ときどき耳にしますが―― …… …… 実際は―― 違いますよね。 満ちているのは、“不確定要素”であって、“夢”ではありません。 ――夢 は、人生の不確定要素の正の部分であり―― その不確定要素の負の部分は、 ――闇 です。 実際…

リーダーはカッコ悪い

組織における人事の鉄則に、 ――徳には官を、功には賞を。 というものがあります。 ――人徳のある者には役職で報い、功績のある者には金銭で報いるのがよい。 という意味です。 裏を返すと、 ――功績の有る無しだけで人事を行うと、組織は立ち行かない。 という…

企業の経営を本気でやるのなら

どんな企業でも、そうだろうと思うのですが―― 「仕事を請け負います」と広告を出している部署と、実際に仕事を請け負っている部署との連携が巧くいっていなければ―― 企業の成績は、たぶん伸びませんよね。 顧客の立場にしてみたら―― やたらとハイテンション…

引っ込み思案を非難し続ける落とし穴

あらゆる挑戦をためらって―― 何事にも引っ込み思案になってしまう―― という人々がいます。 そんな人々に共通してみられるのは、 ――挑戦が失敗に終わった場合の心理的損害を重くみる。 という傾向です。 …… …… 失敗による損害には、 ――心理的損害 と、 ――非心…

スポーツと政治とは結びつけるべきでない?

――スポーツと政治とは結びつけるべきでない。 という主張をしばしば見聞きします。 が―― ちょっと論点がズレているように―― 僕には感じられます。 あるいは、着目すべきポイントがズレている―― とでもいいましょうか。 スポーツと政治とが切っても切れない関…

まさか負けるとは

まさか負けるとは思っていませんでしたね。 きのうのサッカーW杯アジア最終予選のことです。 日本代表はホーム(本拠地)にUAE(アラブ首長国連邦)代表を迎えて対戦―― 1対2のスコアで敗れました。 UAE代表は決して与しやすい相手ではありませんが―…

「傲慢だ」「怠慢だ」の噛み合わせ

自然科学系の議論と社会科学系ないし人文科学系の議論とを比較する場合に―― いつも脳裏をよぎるのは、 ――人事を尽くして、天命を待つ。 という故事成語です。 これは、 ――人は、何か事にあたるときには、まずは自分にできることを全て行い尽し、その上で最終…