マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

スポーツと政治とは結びつけるべきでない?

 ――スポーツと政治とは結びつけるべきでない。

 という主張をしばしば見聞きします。

 が――
 ちょっと論点がズレているように――
 僕には感じられます。

 あるいは、着目すべきポイントがズレている――
 とでもいいましょうか。

 スポーツと政治とが切っても切れない関係にあるのは――
 少なくとも、プロ・スポーツの国際大会や国際試合の現状などをみれば、あきらかです。

 商業主義に支えられたプロ・スポーツの国際大会や国際試合では――
 そのスポーツのファンらが素朴に抱く国家主義的な関心ないし熱狂が前提です。

 国家主義的な関心や熱狂が前提である以上――
 政治とは切っても切れない関係にあるといえます。

 よって、「スポーツと政治とは結びつけるべきでない」という主張は意義に乏しく――
 むしろ、

 ――スポーツと政治とは結びついてしまっているので、いかにスポーツへの政治の影響力を弱めていくかが重要なのである。

 という主張にこそ、意義を見出せます。

 プロ・スポーツの国際大会や国際試合が珍しくなくなった今日では――
 スポーツは、放っておけば、いくらでも政治と結びついていきます。

 結びついているうちは、まだマシでして――
 そのうちに、スポーツが政治の一部となってしまいかねない――

 そうなれば――
 スポーツはスポーツではなくなります――おそらくは、国家間紛争を解決する手段の一つとなる――

 それを避けるべく、「スポーツと政治とは結びつけるべきでない」というのであれば――
 このように、いうのがよいでしょう――

 ――スポーツと政治とは、できる限り切り離そうとするのがよい。

 と――

 ――限界はあるのだけれども……。

 と――