まさか負けるとは思っていませんでしたね。
きのうのサッカーW杯アジア最終予選のことです。
日本代表はホーム(本拠地)にUAE(アラブ首長国連邦)代表を迎えて対戦――
1対2のスコアで敗れました。
UAE代表は決して与しやすい相手ではありませんが――
一般には、日本代表より格下とみられていました。
UAE代表は、きのうの試合のために2ヶ月も前から合宿を行っていたそうです。
日本代表は、チーム自体が4日前に召集されました。
つまり――
日本代表がUAE代表より格上であることは――
当のUAE代表が認めていたといっても過言ではありません。
にもかかわらず――
日本代表は敗れました。
敗因は、
(ホームなのに、ホームではなかったからか)
と感じています。
……
……
こう述べますと――
多くの人が“中東の笛”問題を思うでしょう。
サッカーに限らず、スポーツの世界では――
中東出身の審判員の中に臆面もなく中東びいきの偏向判定を下す者がいる――
とされている問題です。
昨夜からの報道では――
カタール出身の主審が、故意に日本代表へ不利な判定を下し続けた可能性がある――
とされています。
カタールはUAEの隣国です。
カタール出身の主審がUAE代表に同胞意識を抱いていたとしても、おかしくはありません。
いわゆる“中東の笛”は――
ふつうは中東で開催される試合でみられます。
が――
きのうは日本で開催された試合でみられました。
――ホームなのに、ホームではなかったからか。
とは――
そうした意味です。
とはいえ――
……
……
実は――
きのうの日本代表の主たる敗因は、
(“中東の笛”ではなかった)
と、僕は感じています。
(体温調節の狂いに基づく“試合勘の狂い”だろう)
と――
どういうことか――
……
……
日本代表の中心選手の多くは――
ふだんはヨーロッパのクラブ・チームでプレーしています。
ヨーロッパの国々から召集されて――
日本にやってくるのですね。
もちろん――
日本は、彼らの生まれ育った国ですが――
現役のプロサッカー選手としては、日本はホームではなくアウェイ(敵地)です。
ヨーロッパの今の気候は、決して涼しくはありませんが――
湿度は日本より遥かに低いでしょう。
湿度が低ければ、発汗による体温調節の負荷は小さくて済みます。
逆に――
湿度が高ければ、その負荷は甚大です。
汗がなかなか蒸発せずに、体温を下げることができないからです。
もちろん、日本代表の中心選手は一流のスポーツ選手ですから――
そうした体温調節の狂いへの対応は十分に認識していたはずです。
十分な対策を講じていたでしょう。
が――
ふだんヨーロッパでプレーするときには全く気にしなくてよい対応に神経を使った結果――
肝心の試合中の感覚に狂いが生じたことは、容易に想像できます。
――いつもより体の動きに切れがないと感じてしまう。
とか、
――体力的にきつくなる時間帯が、いつもより早い。
とか、
――いつもなら無理が効くのに、きょうは効かない。
とか――
端的にいえば、
――試合勘が狂っている。
ということです。
報道によると――
きのうの日本代表の試合運びは、勝負所での詰めの甘さが目立っていたそうです。
この“勝負弱さ”は――
ヨーロッパのクラブ・チームに所属している中心選手らが、日本の高温多湿の気候に十分に適応できずに、試合勘が狂ってしまった結果ではないか、と――
僕は感じています。
ネット上では、
――ただの時差ボケだ。
で片付けている見解が多く見受けられますが――
ことは、そう単純ではないでしょう。