マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

歌よりも曲を聴きたがった

3月11日の地震の直後に津波が押し寄せて―― 僕は、しばらく、勤め先に閉じ込められることになったのですが―― そのときに―― 外界からの情報の大半は、ラジオによってもたらされました。 ラジオは電池式です――電気が止まっていましたから―― もちろん、そんなに…

「本当の豊かさ」の中身

震災後、 ――本当の豊かさとは何か? と問われることが増えました。 原発トラブルの文脈において、です。 ――原発に頼らずに電力の使用を控えても、本当の豊かさは追求できる。 と主張したいようです。 が―― この主張は張り子の虎です。 何をもって「本当の豊…

サイエンスの醍醐味は

東北地方太平洋沖地震では、 ――起こるはずのない地震が起こった。 ということで―― 地震学の専門家の皆さんも衝撃を受けられたようです。 これまでの学界の主要の見解は、 ――日本近海では、マグニチュード9クラスの巨大地震が起こるとは考えにくい。 というも…

危機管理の要諦は

危機管理の要諦は、 ――常に最悪の事態を想定する。 でしょう。 それは、一切の希望的観測を排除した予測のことです。 ということは―― 危機管理においては、 ――想定外 とか、 ――未曾有 という文句は、過誤にこそなれ、方便にはなりません。 それは、危機管理…

桜の花が咲く前に

仙台の桜は、きょうくらいまでが見頃です。 今度の週末には、たぶん若葉が芽吹いているでしょう。 毎年、桜が散り始めるこの時期は、何となく心が落ち着かないものですが―― 今年は、違います。 むしろ―― 桜の満開をみているときこそ、落ち着かない―― が、散…

理屈を越えて強烈な実感

荒れ果てた農地のところどころに、ひしゃげた自家用車が散乱している光景を目にしたりすると、(まだまだなんだなあ) と感じます。 ――震災の痛手から立ち直るには、なお長大な時間を必要としそうだ。 ということです。 その印象は、理屈を越えて強烈な実感…

「絶対に安全」ということは

福島第一原発の深刻なトラブルを見聞きするときに、(そういえば、「原発は絶対に安全らしい」という言い方をする人がいたな~) と思うのです。 もちろん、こうしたトラブルが起こった今となっては、 ――絶対に安全 が「砂上の楼閣」であることは自明なので…

こんなときに政権首班の政治家を信用できないというのは

震災後、これ以上ないくらいに政治の真価が問われていますね。 政治とは、利害の調整です。 平時では、たいていは、 ――利の分配 が主たる眼目となりますが―― 有事の際には、 ――害の分散 が主たる眼目です。 もちろん、今の場合、「害」とは、震災によっても…

ヒゲが似合わない

石巻の勤め先で被災して10日間くらい―― ずっとヒゲが剃れなかったのですね。 その間、自分の顔が気になって仕方がなかったのです。 今までヒゲなど、はやしたことがなかったものですから――(うわ~、オレ、ヒゲなんかはやしてるよ~) みたいな――(笑 10年前…

日頃は当たり前に感じていた道徳観念が

人は自分の生死の行方が翻弄されるとき―― 日頃は当たり前に感じていた道徳観念が、ひどく重く感じられるのです。 ――重く感じられる―― 他に適した表現が見当たらなかったので「重く」と記しました。 場合によっては「つらく」や「わずらわしく」と記したほう…

単純で些細な偶然が

3月11日に被災した人は―― 皆、それぞれに固有の被災をしているのです。 建物が倒壊して下敷きになった人―― 建物が強く揺れて轢死しかけた人―― 建物が強く揺れずに平気だった人―― 津波にのまれて溺れかけた人―― 津波に追われて逃げ切った人―― 津波が足下に迫…

知識や理解は体験に根差していなければ

今回、被災して、痛切に感じたことは、 ――知識や理解は体験に根差していなければ実感を伴わない。 ということでした。 例えば、 ――沿岸部で強い地震を感じたら、津波を想定して避難行動をとらなければ危険である。 という知識を、僕はもっていましたし―― こ…

震災からの復旧・復興というのは

きのうの夜に、ようやく―― 僕の自宅は、ガスが復旧しました。 実に40日ぶりくらいで自宅のシャワーを浴びましたよ。 こんなに時間がかかるとは、正直、思っていませんでした。 あの日―― 宮城県・石巻の勤め先にいて―― 地震の30分後に足下にまで津波が押し寄…