マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

セーラー服と白拍子と

――セーラー服と白拍子との共通点は? と訊かれて―― まるで、 ――クーラー病と明太子との共通点は? と訊かれたかのごとく―― 目を白黒させる男たちが増えた―― 昨今では、いい歳をしたオジさんでもそうなのだから、困ったものである―― そんな嘆息にも似た愚痴を…

「あなたも性倒錯者だ」といわれたところで

――あなたも性倒錯者だ。 と敢えて脅すことで―― 性倒錯への関心を引きだそうとする人たちがいます。 なかなかに巧みな手法です。 どこが巧みなのか―― …… …… 一つは、心理的な異常および正常の境界が常に曖昧であることを巧みに活用しているところです。 心理…

性倒錯は、なぜ多様なのか

――性の嗜好の手法が社会規範から逸脱していること を、 ――性倒錯 と呼びますが―― この性倒錯には、呆れるくらいに多くの種類があります。 きのうの『道草日記』で挙げたのは―― ほんの一部です。 ですから―― 多くの人々が、 (なんだって、こんなにたくさん、…

「性倒錯」ではなく、「性の倒錯」

――歌の主人公の性別と唄い手の性別とが逆転すること を、 ――性の倒錯 と―― きのうの『道草日記』で記しましたが―― この「性の倒錯」という語句は―― 案外、苦心の末に編み出したものでして―― …… …… といいますのは―― (歌の主人公の性別と唄い手の性別とが逆…

歌の主人公の性別と唄い手の性別とが逆転

――男性が書いた男歌を女性が唄うパターン ないし、 ――女性が書いた女歌を男性が唄うパターン が、 (断然、面白い) ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 ここでいう「男歌」「女歌」は―― それぞれ、 ――詞に描かれた主人公が男性の歌 ――詞に…

歌の性別

歌の性別は―― 以下の3つの観点から、計8通りに分類されえます。 1) 書いたのは男性か、女性か 2) 男歌か、女歌か 3) 唄い手は男性か、女性か 1)や 3)については―― とくに説明は要らないでしょう。 1)は、その歌を書いたのは(とりわけ詞を書い…

歌の技は声の質を上回れるか

いわゆるポピュラー音楽の世界では、 ――歌の技は声の質を上回れるか。 という問いがあって―― で―― その答えは―― 一般に、 ――否 とされています。 つまり、 ――どんなに歌の技が優れていても、優れた声の質には敵わない。 ということです。 声の質というのは、…

詞先より曲先が多いわけ

――最近の歌作りでは、まず先に作曲をし、あとで作詞をすることが多い。 ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 つまり、 ――曲先 ですね。 僕は、これを、 ――きょくせん と読んでいましたが、 ――きょくさき と読む人も少なくないそうです。 この…

歌作りの曲先・詞先

歌作りには、 ――曲先 ――詞先 の2通りがあるといわれます。 「曲先」というのは、 ――先に旋律を定め、それに歌詞を当てていく。 という作り方で―― 「詞先」というのは、 ――先に歌詞を定め、それに旋律を当てていく。 という作り方です。 昨今の歌作りでは―― …

歌詞は“心”、旋律は“体”、伴奏は“服”

歌詞が―― 旋律によって全く違って聴こえるのは―― 当然のことですが―― 旋律が同じでも―― 伴奏が違えば―― やはり全く違って聴こえる、ということが―― あります。 いえ―― 実際には、全く違って聴こえるわけはなくて―― 歌詞も旋律も同じなのだから―― もちろん、…

どんなに後ろ向きの歌詞であっても

どんなに後ろ向きの歌詞であっても―― たとえ、どんなに非建設的で、非生産的で、愚痴のオンパレードみたいな歌詞であっても―― その詞に情念が込められ、唄われたなら―― その歌詞の“後ろ向き”が、まったく気にならなくなる―― ということがあります。 素直に、…

文章のリズムの主観性

詞や随筆を朗読するときに―― 自分が朗読しやすいように、つい原文を弄ってしまう癖が―― 僕にはあります。 もちろん―― 人前で朗読するときには――そんなことは滅多にありませんけれど――寸分たがわずに朗読しますよ。 が―― そうでないときは―― 適当に字句を入れ…

理想なら手法、現実なら結果

理想を訴えるのなら―― 手法を磨き―― 現実と相対するなら―― 結果を出す―― これに尽きると思います。 理想を訴えているのに、結果を求めたり―― 現実に相対しているのに、手法に拘ったりするのは、 ――不合理 といえます。 例えば、 ――反戦 について―― 反戦を「…

大して好きでもない仕事を好きになるには

大して好きでもない仕事をいかにして好きになっていくか―― という問いは―― かなり魅力的だということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 大して好きでもない仕事を好きになるには―― どうすればよいでしょうか。 …… …… 僕の答えは―― 次の通りです。 ――…

「好きを仕事に」ではなくて

――自分の好きなことを仕事にするには、どうすればよいのか。 という問いがあります。 この問いは―― おそらくは、ほとんど実りをもたらしません。 それどころか―― 好きなことを仕事にしようとこだわるあまり―― あえて無職に甘んじたり、職を転々としたりする…

科学者としての成功とは?

子ども向けのサイエンス・ショーに行ってきてからというもの、 ――科学者としての成功とは何か。 ということを―― あらためて考えるようになりました。 …… …… 科学者としての成功とは―― 何でしょうか。 ノーベル賞などの優れた学術賞を受けることでしょうか。 …

子ども向けサイエンス・ショーでも

子ども向けのサイエンス・ショーに―― 先日―― ちょっと、わけあって―― 行ってきました。 サイエンスの面白さを子どもにもわかりやすくみせてくれるに違いない―― と思って行ったら―― たしかに、その通りでして―― 実験の前に仮説を立てて―― その仮説の通りにな…

何かを防ぐのではなく、何かを求める教育

教育は―― 徹頭徹尾、 ――利益獲得型 の営みである、と―― 僕は思うのです。 決して、 ――損害回避型 ではない―― …… …… 何かを防ぐ教育は―― どこかに無理が生じるはずです。 少なくとも―― そういう教育を受けていたら―― ちっとも面白くない―― 面白くないだけでな…

早期の英語教育は良いのか悪いのか

早期の英語教育の賛否について―― 様々な論点があることは―― きのうまでの『道草日記』で述べた通りですが―― もし―― 例えば―― 乳児・幼児の親御さんから、 ――結局、赤ちゃんのうちから英語を学ばせるのは、良いことなのですか、悪いことなのですか。 と訊かれ…

英語の学びの誤解

早期の英語教育の賛否について考えていて―― 思い当たったことがあります。 それは、 (早期の英語教育の意義をことさらに否定する人たちの中には、英語の学びを“英語・日本語の可換性”の学びと誤解している人が、少なくないのではないか) ということです。 …

早期の英語教育について

この国において、英語教育の低年齢化は―― 昨今、かなり決定的になってきています。 が―― それでも―― 乳児・幼児期などの早期の英語教育については―― 懐疑的な声が根強くあります。 なかには、 ――赤ん坊に英語を学ばせるなど言語道断である。 と断言する人も…

男の子と女の子とでは「世界」の錯覚の仕方が違う

世界があって自我があり―― 自我があって世界がある―― ということを―― おとといの『道草日記』で述べました。 自我も世界も―― それ単独では成立しえない、と―― …… …… 自我は世界の中心にあります。 そして―― その世界は、いかなる他者とも共有しえない――自分…

自分の世界は、たぶん狭い

自分の世界は―― 厳密には―― 自分の自我が向き合っている世界は、 ――たぶん、狭い。 と思っておくのがよいでしょう。 他者の世界が―― たとえ、どんなに狭く感じられても、 ――オレの世界は、あいつの世界よりは広い。 などとは―― 決して思わないことです。 自…

他者の自我を、人は「魂」と理解する

――他者の自我を、人は、しばしば「魂」と理解する。 と―― 僕は考えています。 ――自我 というのは―― おとといの『道草日記』で述べたように―― 自分で自分を内省しているときの主体です。 そのときの客体が、 ――自己 ですね。 このように―― 通常、「自我」と「…

「セカイ系」の「セカイ」も「世界」の1つ

――自我の周りに自己があり、自己の周りに社会があり、社会の周りに自然がある。 という図式を意識しながら、 ――世界 という言葉を用いるのがよい―― ということを―― きのうの『道草日記』で述べました。 世界は―― 極論すれば、 ――自我以外の全て です。 いわ…

「世界」が歪む理由

――世界 という言葉がさす領域は―― それを使う人の人間観や社会観、自然観によって―― いくらでも広くなるし、いくらでも狭くなります。 大雑把にいうと―― 人間は社会を構成し、社会は自然に依存しています。 ここでいう「人間」とは―― 基本的には自分自身のこ…

舞台が別の次元へと変化する物語

物語の勢いは―― 物語の三要素: 1)舞台 2)人物 3)事象 を変化させることで生まれる―― といえます。 もっとも汎用されるのは―― 事象の変化でしょう。 ある出来事が起こり、さらにそれに被さるようにして何か別の出来事が起こることで―― 物語は展開の牽…

自分のプライベートの上手な話し方

自分のプライベートを上手に話す人と―― そうでない人とがいます。 違いは、 ――プライベートを語ることの効果 を熟知しているか否かに依っているようです。 …… …… プライベートを語らないことで守られることは―― 少なくとも2つあります。 1つは、 ――この人…

「不静」という言葉を認めるならば

――不安 は、 ――対象なき恐怖 であり―― その対義語は、 ――対象なき切望 である、と―― きのうの『道草日記』で述べました。 そして―― この「対象なき切望」をなじみのある漢字2文字で表せないので―― 長年もんもんとしている、とも―― …… …… 実は―― ひとりよがり…

「不安」の対義語は何か

――不安 の対義語は、 (何だろう?) と―― ずっと考えています。 ――不安 とは、 ――対象なき恐怖 と考えられていますが―― もし、そうであるならば―― その対義語は、 ――対象なき〇〇 と表されるはずであり―― その「〇〇」には、「恐怖」の対義語が入るはずです…