マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

英語に慣れるだけではダメ

英語を聞いたり話したりすることと日本語を聞いたり話したりすることとは―― 頭の使い方も、気持ちの持ちようも、全く変わってきます。 よって―― ずっと日本語で聞いたり話したりしていたところで、急に英語に切り替わったりすると―― エラいことになるのです…

大人になって学ぶということ

何かを学ぶということは―― 子供のときなら、何か新しい情報を手に入れるということですが―― 大人になったら、自分の考えを変えるということでしょう。 これまでに手に入れてきた情報を捨てるか書き換える、ということです。 捨てたり書き換えたりすることに…

小説仕立て

――小説を書こうと思ったら、まずは読みやすい文章を書く力だよ。 ということは―― 硬派な文芸入門書では必ず触れられていることです。 読者に、 ――あ、最後まで読んでみたいな。 と思わせる文章でないと―― 小説としては成立しないのですね。 それが「小説仕立…

2004~5年の頃の文章を読み返してみて

僕のホームページ『たまには道草いつも道草』にある2004~5年の頃の文章を読み返してみて――(ぜんぜん違う人間が書いているみたいだ) と実感しました。 というのは―― きのう、そのことをオフラインで指摘して下さった方がいまして―― そのときは、(まあ、そ…

物事に矛盾をみつけたときに

物事に矛盾をみつけたときに、 ――間違っている! と糾弾するか、 ――なんでだろう? と懐疑するかで―― 以後のその人の振る舞い方は大きく変わってきます。「間違っている!」と思う人は―― どこかに修正すべき、あるいは削除すべき何かがあると考え、それを必…

女性みたいな優しい手をしているらしい

僕は男で、年齢はアラフォーの域に達しておりますが―― なぜか女の人たちに、よく、 ――手がきれい。 といわれます。 きょうもクリーニング屋さんの老婦人に、 ――女性みたいな優しい手をしている。 といわれました。「商売がら、色々な男性の手をみているけれ…

人の心の“二律背反”的な動きをこそ

物語という芸術形式が最も扱い易い主題は―― 人の心の“二律背反”的な動きではないかと思っています。 例えば―― 好きなのに嫌い―― 憎いのに愛おしい―― 抱きたいのに殺したい―― 嬲りたいのに慈しみたい―― 挙げたらキリがありません。 これらは―― もう、どうしよ…

巧く説明できれば、それでよいのか

自然現象のメカニズムを説明するときに―― 余計な仮定を前提とすることは慎みたいところです。 たしかに、適切な仮定を前提とすることで、自然現象を理解しやすく説明することはできます。 とくに物理学の初歩では、そうした説明が、わりと頻繁に用いられます…

良くも悪くも「虚構の力」

僕は、 ――虚構の力 という概念を大変に重要だと考えております。 が―― その重要性は、なかなかに理解されにくいのですね。 ――つまり、小説とか映画とかも有意義だって話でしょう? で終わらされてしまう―― そうではありません。「虚構の力」とは何か。 僕ら…

日本の教科書は

――日本の教科書は説明が足らない。 と、子供の頃からきかされてきました。 当時は、(教科書が薄くて済んでるんだな~) と喜んでいたのですが―― 大人になって、その教科書を使って教えるようになると、(たしかに説明が足らないな~) と思います。 教科書…

ノーベル賞で本当にスゴいのは

毎年、秋が深まると、日本のマスコミはノーベル賞の話題で持ちきりになりますね。 とくに日本人受賞者が出たときには大騒ぎです。 たしかに、日本人が西欧文化の基準で高く評価されることは、素晴らしいことです。 スポーツでいえば、完全アウェイの国際大会…

いくらでもやり直すことはできるけれども

人が道を踏み外すのは簡単です。 ちょっとしたことで、世間から誹られるようになる―― が―― 一度、踏み外したら、もう終わりということではありませんよね。 いくらでもやり直すことはできる―― ただし、やり直すにしても―― なぜ一度は道を踏み外したのか―― そ…

人が泣くときは

ときには、(思うぞんぶん、泣いてみたい) と思うのですよ。 人前で思い切り号泣したい―― が―― できません。 だって―― 僕が号泣しても、絵にならないのでね(笑 ウザイだけです。 が―― 絵になる人はいます。 女性に多いのですが―― 男性にもいます。 そうい…

仕事の選び方について

若い人たちに、仕事の選び方について、 ――好きなことを仕事にせよ。 という人と、 ――向いていることを仕事にせよ。 という人とがあります。 どちらが正しいのか―― そう簡単には結論づけられません。 僕が正しいと思うのは「向いていることを仕事にせよ」のほ…

報われるとは限らない努力を押しとどめるのは

――努力をすれば報われる。 というのは、大変に危険な考え方だと思っています。 なぜならば―― 報われる努力と、そうでない努力とがあるからです。 努力は“免罪符”ではありません。 意味のない努力――害悪のある努力は、当然のことながら、報われることはありま…

世界とつながっていることを意識する

人が前向きに生きていくためには―― 自分と世界とがつながっていることを意識することでしょう。「自分」というのは、 ――自分自身の心と体と ということです。 自分の心や体が世界とつながっているということは―― 例えば、自分の気持ちや体調が、自分の身の周…

受験勉強も役に立つ

――高校入試や大学入試の受験勉強は、つめこみ型の暗記が主体で、実社会に出たら何の役にも立たない。 そういわれます。 たしかに、その側面があることは否定できませんが―― 本当に実社会で役に立たないのかといわれれば、そうではないでしょう。 受験勉強も…

「どんな人にも生きる権利がある」と胸を張っていうのは

――どんな人にも生きる権利がある。 といいます。 そのことは、子供でも知っています――学校の社会の時間で習いますからね。 が――「どんな人にも生きる権利がある」と胸を張っていうのは、そんなに簡単なことではありません。 その「どんな人にも」の中には、…

ボーっとする

僕は、ボーっとするのが好きなのです。 例えば―― 喫茶店などでコーヒーを飲みながら、ボーっと窓の外をみているのが好きなのです。 なぜ好きなのか―― たぶん―― それが僕の心の初期状態だからでしょう。 僕の心の働きは「ボーっとする」ことから始まるのです…

男心と秋の空

きのう、タクシーに乗っていたら、運転手さんに、「天候が定まりませんね」 と話しかけられました。「そうですね」 と応じると、「やはり、“男心と秋の空”でしょうかね」 とおっしゃる―― 一瞬、(え? “女心と秋の空”じゃないの?) と思いかけましたが―― 直…

語り手が剥き身のままで語るとき

同じ物語であっても―― それをどの視点で語るかによって、趣(おもむき)は変わってくるものです。 例えば、ある夫婦の物語を語るときに―― それを、夫の視点で語るか、妻の視点で語るかで―― まったく違った物語に感じられるのですね。 夫や妻の視点で語るとい…

それをいうから、本当に「おしめえ」になる

――それをいっちゃあ、おしめえよ。 という言い草が気になっています。 有名な映画シリーズの作中の言葉だと理解しておりますが―― 本当に「それをいったらオシマイだ」に相当する句があるのでしょうかね。 もし、あるのなら、それは、まさにこの言い草でしょ…

理想や合理性だけでは

政治は理想や合理性だけでは進展しません。 現実と向き合い、ときには理不尽を受け入れる―― そういう決断の連続が政治です。 中国のことです。 先頃の尖閣諸島事件で中国政府が日本政府に対して採った対応は、理想や合理性とはかけはなれていました。 少なく…

書かないものを決めていった結果

文章を書くということは、心の中にあるものを外に出す作業といわれます。 それは、その通りと思うのですが―― かといって―― 心の中にあるものを全て外に出すのはムリな話です。 したがって―― 何かを選び取って心の外に出さなければなりません。 そのときに、 …

無形の財産を相続したけれど

9年前に亡くなった父は、コンピュータについて、 ――コンピュータはスゴい。目的のない道具だから――人類は、ついに目的のない道具を発明してしまった。 そういう見方を好んでいました。 父は神経科学者ではありましたが―― コンピュータ科学は素人でした。 で…

主観が混入するとき

夕方、街中を歩いて帰宅しようと思ったら―― 突然の雨に見舞われました。 土砂降りです。 傘を差しても濡れそうなくらい―― とくに急いで帰る必要はなかったので―― しばらくアーケード街の中で雨宿りをしていました。 夕方の帰宅ラッシュ時です。 傘の用意がな…

作り笑いがわからない

僕は作り笑いがわからないのです。 作り笑いとそうでない笑いとの区別が、即座にはできないのですね。 よく小説の描写などで、 ――口では笑っているが、目は笑っていない。 などといいますね。 僕も、自分の小説の中で使うことはあるのですが―― あれが、本当…

高校生に大学のことを

高校生に大学のことを訊かれることがあります。 ――大学って、どういうところですか? と―― 自分が大学生のときは、サラサラと答えていました。 が―― 大学を卒業して10年が過ぎ、大学院を修了して6年が過ぎた今は―― 返答に窮しております。 大学の理想を語る…

既婚のエッセイストは

既婚のエッセイストは―― 自分の妻や夫のことをエッセイに書きたがらないそうです。 理由は2つあります。 1つは―― 読者と自分との接点が失われかねないから―― エッセイストが自分の妻や夫のことを書くと―― 読者に配偶者と自分との深い関係を意識させてしま…

組織の潜在能力

素材の味を活かすというのは、とても大切なことですね。 お料理の話をしたいのではありません。 いえ―― お料理でも、素材の味を活かすことは大切と思いますが―― 僕がしたいのは、人の組織の話です。 ある組織があって、それが何か一つの使命を果たすために機…